センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

9話 常識は死んだ

 9話




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 《レベル》     【35】


 [HP]      【290/370】
 [MP]      【209/302】
 [スタミナ]    【55/55】


 「攻撃力」       【5】
 「魔法攻撃力」     【6】
 「防御力」       【39】
 「魔法防御力」     【62】
 「敏捷性」       【20】
 「耐性値」       【69】
 「HP再生力」     【27】
 「魔力回復力」     【90】
 「スタミナ回復速度」  【15】
 「反応速度」      【11】


 「隠しパラメータ合計値」【3598】


 「獲得経験値」     【68】
 「ネクストEXP」   【1020】




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 オーガを倒した直後、自己鑑定の魔法を使ったゴートは、自分の能力を確認して、


(おっと……一匹殺しただけなのに、能力全体がそこそこ上がったな……もちろん、劇的な変化じゃない、が……すでに、俺との合体によって下がったラムドのレベルは戻った。ステータスは、若干、もとよりも低いけど、まあ、1~2の違いくらい)










 ゴートが自分自身を確認していると、後ろにいるUV1が、まず『ん?』と怪訝そうな声をあげてから、


「……は? あんた、オーガを一匹殺しただけなのに、随分と能力が上がっていない?」


 UV1の目では、デジタルに上昇値が見えるわけではないが、
 レベルが一気に6もあがれば、流石に変化を感じ取ることができる。




 ――ゴートは、こほんと息をついてから、


「上がったというよりは、戻ったと言った方が正しいですけどね。下がった分は、なくした訳ではなく、分解されていただけ、すなわち、今の俺になった事による暫定的な弱体化なので、オーガの魂魄を五次元規則配列多孔構造のミルドラレータで準静的に平衡処理して、『分解されていた俺の魂魄が、そもそも有していた可逆性』を刺激し、元に戻した、それだけの話ですよ」


 などと、テキトーな事を言ってごまかしておく。


 UV1は、当然、


「……?」


 怪訝な顔になったものの、魂魄処理機構について詳しいわけではないので、胸をはって『いや、それ、おかしくない?』とは言えなかった。
 立場が上になればなるほど不自由になる。
 重役になってしまうと、仮にスマホの使い方が分からなかったとしても、そうそう部下に質問できない、みたいなアレ。




 ゴートは、UV1がつっこんでこないのを横目で確認してから、
 シレっと前を向いて、


(俺の成長チートは本物だ……)


 自分のスペシャルについて思考をめぐらす。


(あんなザコ一匹殺すだけで、これだけレベルがあがった……)


 そこで、ゴートは考える。


(正直、ここまでとは思っていなかった。今日一日、ザコを狩って、もし35まで上がったなら、その時は、さっきの言い訳でケムに巻こうと思ったが……まさか、オーガ一匹を殺すだけで、レベルが6も上がっちまうとは……)


 ゴートは、ゼノリカだけではなく、自分のスペシャルもナメていた。
 ――もともと、ラムドはレベル35のリッチだったので、そこまでなら上がっても大丈夫だろう。
 ――凄まじい成長チートを持っているとはいえ、一日やそこらで、レベルが爆発的に上がる訳ないから大丈夫だろう。


 そう思ってここにきた。
 ラムド・セノワールの常識。
 脆弱な第一アルファ人の常識。




 ――【1分で偏差値が5アップする夢の勉強法】!
 『アホか』
 『そんなもんは在る訳がない』
 『勉強をナメんな』
 という常識的観点。










 ――だが、どうやら、現実というパンクロッカーに、行儀のいい常識など通用しないようで、


(たぶん、この物語のタイトルは、『俺の成長チートがヤバすぎる件』だな。レベルが上がりやすい才能なんて、まったく目新しくないが、これほど振り切ったチートなら面白くなるだろうって考えか? 素人らしい浅はかさだぜ。どうやらこの作品の作者はピッカピカの中学2年生らしい。……なんて言っている場合じゃねぇ。早急に、UV1の目をごまかす手段を用意する必要がある……せっかく得た裁量権……出来るだけ失いたくない……)











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