センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

1話 俺の名前はセンエース。最強の神になった男だ。

 1話


 俺の名前はセンエース。
 最強の神になった男だ。


 自己紹介だけ切り取ったら、俺、完全にヤバいやつだな。
 厨二とかじゃねぇ、ただのイカれた思想犯だ。
 ははは……
 まあ、それは別にいいや。
 事実だからこそ『よけいに痛い』って点も、ひとまずは置いておいてくれや。






 ――神になるまでの『俺』は好き勝手に生きていた。
 ただの冒険者だった時は、その世界の伝説を塗り替えまくってやった。
 楽しかったね。
 魔王になった時は、好き放題暴れまわって、その世界をマイクラ扱いしてやった。
 楽しかったさ。


 気に入った奴は優遇しまくって、
 嫌いなやつは端から殺してやった。


 ある意味で差別主義者。
 どこでだって暴君。


 DQN、DQN!




 ――まだまだ弱かった頃は、無力ゆえ、それなりに不自由で、
 ――だからこそ自由だった。


 嫌いな奴は大概、悪寄りのクズだったから、
 正義の味方扱いされることも多かったが、
 俺は、正義を騙った事はない。
 正義とか悪とか、どうでもよかった。
 不自由の中で、めいっぱい、あがいていたかっただけ。
 そんだけ。




 それに、一応、それなりの信念を持って、好き放題やっていた。




 英雄を気取って、王様を気取って、
 そして、なんだかわからないまま、神にまで至った。


 神の世界でも、俺はテキトーに、ワガママに、好き放題やった。


 バカみたいにインフレしていく自分。
 はちきれんばかりの楽しさに、ほんのちょっとの恐さ。
 あまりにも膨れ上がる自分に恐れを抱いた事も、かつてはちょっとだけあった。


 それでも、やっぱり楽さの方が勝って、
 だから、とにかく、全力で好き放題やった。
 立ち止まってしまわぬように。




 神の世界では、
 不相応にも憧れてしまった女神を守るために、だいぶヤバい無茶もした。
 本当に、色々と、無茶をした。
 よく生き残れたな、と、素直に思う。
 普通なら灰になっていた。


 どんな無茶をしたか。
 まあ、いろいろやったけど、一番はやっぱりアレだ。
 ソウルゲート。
 なにはともかく、ソウルゲートがきつかった。
 ソウルゲート……あれは、地獄だった。


 ソウルゲートは、簡単に言うと、神が一回だけ使える裏技。
 裏技なのかな?
 まあ、仕様かな。
 仕様上の裏技……
 まあ、言葉遊びはいい。
 とにかくアレは酷いものだった。


 ソウルゲートは、簡単に言うと、精神と○の部屋。
 生涯で一度だけ使えるボーナス。
 出現するタイミングは完全にランダム。










 『どこで○ドア』を想像してくれればいい。
 在る日、それが、唐突に、なんの前触れもなく、目の前に現れる。
 その扉が聞いてくるんだ。
『0秒で、好きなだけ修行できる空間に連れていってやる。その空間では、どれだけの時間を使っても、外の経過時間は0だ。さあ、何年修行したい? 好きな時間を言ってくれ。無限でもいいぜ。ただし、精神が崩壊したら灰になるから、選ぶ時間は慎重にな。ちなみに、一度決めて中に入ったら変更はできないぜ』












 ソウルゲートをくぐると、その先には、修行のために必要な施設だけがある別次元の世界に飛ばされる。
 そこを『使用できる時間』は、扉をくぐる前に、自分で決められる。
 どれだけの時間に設定してもいい。


 一秒でもいいし、『無限』でもいい。


 ただし、精神が壊れた時点で使用権は失い灰になって外にほうり出される。




 在る日、目の前に現れるゲート。
 当事者以外にも視認できるが、ハタからみる分には、マジで、壊れた『ど○でもドア』と変わらない。
 空間に突然出現した謎の『扉』っぽい枠を通過したようにしか見えない。
 もし、使用する時間を『無茶な単位』に設定して、修行している途中で精神が壊れたら、外からみている者にとっては、そいつが、扉をくぐった直後、灰になったように見える。




 // ちなみに、ソウルゲートをくぐる前の記憶はコピー保存され、くぐった直後にそのまま頭にトレースされる。
 つまり、ゲートを出た直後は、
 『時間経過で薄れた、入る前の記憶』+(ゲート内での記憶)+『入る前の記憶』
 という状態になるという事。 //




 俺は、そのソウルゲートで無茶をした。
 かなり無茶な時間を設定した。


 ――知り合いの神に聞いた話だが、
 どうやら、普通の神は、だいたい、1万年くらいが限界らしい。
 それ以上に設定したやつは、たいがい、灰になってしまうそうだ。


 質素な訓練施設しかない世界で、誰とも喋らず、ただ黙々と延々に修行し続けられる奴はそういないって事。


 神でも一万年がギリ。
 一万年でもたいがい狂っている。
 千年でもイカれている。
 百年でも充分きつい。
 ちゃんと考えてみれば、十年でもなかなかヤバい時間だ。


 一年だって、具体的に想像してみれば、なかなかエグい数字だろう。


 他に何もせず、ただ、ひたすら武を磨き続ける一年。
 想像するだけでもゾっとする話だろう。
 精神力の弱い者だったら、一カ月で発狂する可能性だってあるんじゃないかな


 などと、ダラダラ前振りをしている俺が、実際、何年に設定したか。
 俺が、ソウルゲートで過ごした時間は、










 ――200億年。











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