学園事件証明

吟遊詩人

彼女との証明④

「…貴女が一番よくわかっているハズでは?」

「なるほど。つまり君は気付いているのか。ならば教えてくれ、君の口から聞きたいんだ」
気があるんですか?と少し笑う

「まず水筒に細工をすることができる人物、つまりは下校した生徒は除かれます。
その上で貴女がスポーツ…陸上ですね。の部活を終えたあとに水筒から水分補給をする、つまりは自販機で買ったりせず水筒をそもそも持ってきているってことを知っている人物じゃないと不可能です。
あげく鞄を教室に置いて部活動に参加するってことを知っている人物だってこと…
つまり同学年の同クラスで貴女と表向き仲のいい人物だと絞れます。」

「なるほど、理にかなっている。
だが僕を注意深く見ている第三者の可能性もあると思うがそこはどうだ?」
ほら、僕かわいいしと付け足していう

「ストーカーってことですか?
ならば何故貴女を殺そうと?」
彼女はクスリと少し自慢気な顔をする

「少し前にね、告白をされたんだよ。振ったけどね。
3年のサッカー部キャプテン
えっと…名前なんだっけ…?」

「三星先輩」

「そうそれ」

「…分かってて言ってませんか?
三星先輩は女癖の悪いことで有名です。
普通に考えて同学年に貴女と付き合いたいから、なんて理由で別れられた三星先輩の元カノさんがいたって方が自然ですよ。」
何より貴女にフラれたショックで昨日は登校してないらしいですしと付け足す。

「なるほど、つまり犯人は三星先輩と交際していた私の友達、ということか」

「…お気に召しましたか?」

少し間を置き彼女は笑う。楽しそうに愉快そうに。殺されかけ、自分の友人が犯人だと知ったというのに

「なるほど、だが不正解だ。」

「…は?」

彼女の目付きが変わった。鋭く、見定めるように

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