チート過ぎてチート(語彙力)な異世界転移

樹(いつき)

第24話 深淵死神龍

 何千年も前のこと、まだこの世界ができたばかりの頃だった。生物は平和に暮らしていた。しかし、その世界に突如現れた謎の龍。その龍は神をも滅ぼすほどの強大な力でこの世界のありとあらゆる生物を虐殺し、蹂躙していった。あまりにも残虐なその行為。そして、その力に怯えた神々はその龍をこう読んだ。

 「深淵死神龍アビス・オブ・ゴッドデスドラゴン

 神々はこの龍を封印すべく、全ての神の力を合わせ、ダンジョンを作った。こうしてできたのが《深淵の神々ゴッド・オブ・アビス》だった。そして、神々は待ち続けることにした。

 この龍を討伐できる存在を…





 「グルルァァァァァァ!!!!」

 俺は今久しぶりに恐怖という感情を持ったかもしれない。ステータス∞や無効神Lv∞では防げない心の奥底にある本能的な恐怖・・・・・・。そして、俺はついこの間まで平和な国の学生だったんだと改めて思わされた。足が震えて立ち止まってしまいそうだ。だがそんな隙だらけの俺を悠長に待っているほどこの龍はお利口ではない。俺の目ですら追うのがやっとの速さで龍はこちらに突撃してきた。俺はそれを右に飛んで何とか回避する。しかし、それも一瞬で先回りされ、俺は尻尾で吹っ飛ばされた。

 「大丈夫か相棒!!」

 ベクトが俺に声をかけた。かなりの焦りが声から感じられる。

 「あぁ…なんとか無事だ」

 とりあえずあの龍を鑑定しないといけない。そして鑑定してみると





【ステータス】

【名前】 深淵死神龍
【種族】神族
【職業】ダンジョンマスター
【レベル】表示不能

【HP】表示不能
【MP】表示不能
【物理攻撃】表示不能
【物理防御】表示不能
【魔力】表示不能
【魔法攻撃】表示不能
【魔法防御】表示不能

【スキル】
龍魔法Lv100 全属性魔法Lv100 龍体術Lv100 飛翔Lv100 魔法無効 物理攻撃耐性Lv100
【固有スキル】
神龍魔法Lv100 神呪Lv100
【称号】
神龍 神殺し 神々に恐れられしもの 世界を喰らうもの ダンジョンマスター 





神龍魔法:神龍のみが使える最強の魔法

神呪:相手に神ですら解呪困難な死の呪いを与える。無効系スキルの効果は一切通じない。

 
 さすがの俺でもこの〈神呪〉って言うのは喰らったらやばいな…。それに魔法は効かないし物理攻撃もほとんど効かないか…。

 (マナ、どうすれば勝てる?)

 『とにかく攻撃を避けてベクト様を使ってダメージを与えるしかありませんね』

 (マナでも分からないとかあの龍チート過ぎるだろ)

 『マスターがそれを言いますか』

 マナにも攻略法が分からないみたいだからとりあえずベクトを使って攻撃をすることにした。

 「まずは牽制するぞベクト!二刀流にモードチェンジだ!」

 「任せとき!モードチェンジ〈二刀流〉!」

 ベクトがそう言うと見た目はそのままで二振りの刀になった。

 「改めて思うけどすげぇなそれ」

 「せやろ!かっこええやろ!わいも気に入っとるで!」

 命の危機なのに呑気なもんだ。だがそのおかげで大分心が落ち着いた。

 「行くぞ!ベクト!」

 「おう!相棒!」

 そして、俺達は武闘神Lv∞を使って目にも止まらぬ早さで動き相手を切っていく。

 「ギェアアアァァァ!」

 「くそっ!やっぱりダメージ量が足りないな」

 「相棒!一撃で決めた方がええと思うで!」

 「そうだな。斧にモードチェンジだ!」

 「おう!モードチェンジ〈斧〉!」

 今度は巨大な斧に変形した。見た目は形を巨大な斧にしただけで色は変わらない。

 「これでおしまいだ!」

 俺は龍の頭上まで一瞬で移動しベクトを使って龍の頭を叩き切った。これだけなら普通の冒険者でもいけるんじゃないかと思うがこれは俺のステータスがあるからこそなせる技だ。そして、

 「ギヤアアアアアァァァ…」




 この日、神々の恐れる存在はその命を散らした。それと同時に俺は新たな力・・・・を手に入れた…


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