やはり、創造神の加護はチートでした
63話 フィリアの誕生パーティー
  あれから1週間後。
  現在レオンは王宮の中で囲まれている。それも貴族ばっかだ。レオンはどんな力を持っていようと平民なので貴族を相手に下手な行動は取れない辺りが1番辛い。
(なんでこんな情況になったんだっけ?)
  遡ること1週間前。ギルドの報酬として白金貨と王家からの招待状を貰った。家に帰ってから早速開けて中を確認してみた。
  内容は、1週間後に行われるフィリアの誕生日パーティに出て欲しいと言うものだった。恐らくだが自分が招かれた理由はフィリアが大人になった時の剣として活躍して欲しいからだろうと考えている。
  つまり国は自分の名前はともかく、最近の冒険者に急速にSランクになったやつがいるということを知っているということだ。それは貴族も例外ではないだろう。
  それにしてもたかだか平民を呼んでいいものなのかとても謎である。
  そして話を今に戻す。
  結局貴族達からは
「うちの騎士になってくれないか?!」
  とか
「うちの団の団長をやって欲しい!」
  とか、そういう声が多かった。いくらなんでもまだSランクの人にここまでだとは思ってもみなかった。
  近くにいた貴族達の話を聞いてみると、なんでもこの歳でのSランクは過去に前例がないらしい。それゆえにまだまだ先が期待できる。そしたらうちの力は飛躍的に上がる。という内容だった。
  当然こんな話にレオンが乗るわけが無く、丁重に断っている。
  そして20人目を断ったところで音楽が流れた。
「これよりグレイ=オルマリア国王陛下並びにフィリア=オルマリア王女殿下が入場されます」
  その合図と共に2人が舞台上に姿を出した。貴族達は全員王に向かって頭を下げているのでレオンも違和感なくそれに従う。
「面をあげよ。」
  その声と共に全員王の方に顔を向けた。
「此度は娘のフィリアのために出向いて来れたこと感謝する。フィリアは王位継承権2位だが魔法の才能がある。最近はその成長も著しい。自分の才能を生かす為にもこれからもその成長するための努力に我は期待する。
  さて長い話はあまり好きじゃない。パーティーを始めようか」
  そう言って王はグラスを掲げる。
「乾杯!」
「「「「「乾杯!」」」」」
  するとどこからともなくメイド達が料理を運んできた。今回レオンはあまり食べる気は無く、やるとしたら王とフィリアに挨拶する程度だ。
  因みに今レオンは認識阻害魔法を自分にかけ正体を分からないようにしている。後々に余計な面倒事に巻き込まれるのだけは回避したい。
  おかげでフィリアと王様以外は僕のことは分からない。
  パーティーが始まって数分した後、各貴族がフィリアの元まで行き挨拶をしていた。当然レオンは貴族ではないので最後の方である。
  もう少しよく見てみると誕生日プレゼントみたいなのをほとんどの貴族が用意していた。
(え、プレゼント用意しなくちゃいけないの?)
  招待状には書かれていなかったが考えてみれば当然と言えば当然である。さて何を渡すものか……。
  まだ時間はあるのでゆっくり考えることにした。何せここには100以上の人達がいる。フィリアも大変だ。
  レオンはパーティーの端の方でプレゼントの内容を考えながら時間を潰した。
  そして何とか良い案が浮かんだのでそれを作り渡すことにした。けれども作る際に皆の前でやる訳にもいかないので少し人目から離れたところに向かった。
(王城から見る景色も綺麗だな)
  テラスに出たレオンはその景色を眺めつつプレゼントを創造した。自分で言うのも何だがなかなかのデザインだと思う。
  その後はとにかく順番を待った。その中の人たちを見てみるとプレゼントは宝石やアクセサリーなどが多かった。やはり自分の家の財力を表すのに丁度いいのだろう。他にも短剣や杖といったものも見られたがどれも見栄え重視のものばかりだった。
  その後1時間ほど待っただろうか。そろそろフィリアの元へ向かうことにした。
  それでもまだフィリアの前に並んでいる人がいたので驚きだ。フィリアも顔には出ていないが疲れているようだ。
  そしてどんどん列が進んでいき最後のレオンの番となった。
「フィリア様、お誕生日おめでとうございます」
  一応公衆の面前なので言葉遣いや態度はそれなりのものにしている。
「はい!ありがとうございます」
  フィリアが少し元気になった気がした。
「此度のお祝いとして私からはこのブレスレットを献上いたします」
「どういったものなのでしょうか?」
「はい、これはダンジョンでの戦利品です」
  そういうことにしておいた。出処を探られるのは面倒だ。
「そしてこのブレスレットには魔法威力の上昇や魔力の使用量の減少、そして疲労回復の効果が備わっています」
「そのようなものを頂けるのですか?!ありがとうございます!早速付けてみても構いませんか?」
「はい!構いませんよ」
  そう言ってブレスレットをフィリアの隣にいるメイドのような人に渡す。そしてメイドの人がフィリアにブレスレットを付けた。
  すると疲労回復の効果のおかげか若干顔色が良くなってきている気がする。
「ありがとうございます!大切にしますね」
「光栄です。では失礼致します」
  そう言ってフィリアの前を去った。
  とりあえずフィリアに喜んで貰えたのでプレゼントは成功と言っていいだろう。
「君!あのブレスレットの効果は本当か?!まだあるなら私にも分けて欲しいのだが!」
  そう言って1人の貴族が呼ぶなりすぐに捲し立ててきた。
「いえ、あれは1つし……」
「ねぇ!あのブレスレットを私にもくださいな!」
「私にもくれないか!」
「私も」
「俺も!」
  とまたレオンは囲まれてしまった。
  その後の対応はとても骨が折れた。精神的にはどこかのダンジョンのボス戦よりも辛かったかもしれない。
  こんにちは弥音雪です!
  学生の皆さんは新学期ですね!私も明日から学校が始まります!
  それに伴い更新が不定期になると思います。(元々不定期でしたがなんだかんだで毎日更新してたので……)
  できる限りは更新したいと思っていますが、把握をよろしくお願いします。
  では引き続き「やはり、創造神の加護はチートでした」をよろしくお願いします!
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コメント
ねこ忍者
うわぁぁ、先が気になりすぎるぅ1日1話なのがもったいないくらい面白い
ノベルバユーザー156040
あまりがおまりになってますよ
ノベルバユーザー320866
駄目だ、最後の最後で明日から学校であることを言われてしまった。
う、頭痛が、、、
音街 麟
不定期更新でも構いませんので、体調にお気をつけてください!
楽しみに待ってます!