やはり、創造神の加護はチートでした

弥音 雪

59話 ダンジョン攻略⑥




  扉を開けた先には10mの長さの巨大な蛇が頭を高い位置に持っていきこちらを見下ろすように威圧してきた。

  レオンはその只者ならぬ雰囲気に負けることなく冷静に鑑定した。

【種族】サーペント

【Lv】4270

【体力】6.2×10^11

【魔力】7.3×10^9

【スキル】炎属性Lv8  氷属性魔法LvMAX  土属性魔法Lv9  ポイズンLvMAX  威圧Lv8  狂乱の魔眼Lv7

威圧・・・自分よりもレベルが低い者に一定の恐慌状態を与える。最悪の場合死に至る場合もある。

狂乱の魔眼・・・相手に恐怖と混乱を与える。多くの場合発狂する。


(良かったぁ。サーペントよりもレベルが高くて)

  最初に持った感想がそれだ。何せレベルが低いだけで動けなくなり、その間に叩きのめされる未来しか見えないからだ。

  そして狂乱の魔眼。これは普通に厄介だ。レベル関係なく恐怖と混乱状態を与えるのはいくらレオンと言えども警戒しなくてはならない。

  だからレオンはそれを理解した瞬間、サーペントの目で追えないだろう速度でその部屋を駆け回った。

  そしてその勢いのまま尾に近い所を斬りかかった。だがそれはサーペントが体をうねらせ当たらなかった。

  今度は必ず当たるように首元を斬りかかった。そしてその剣は確かに首元に当たった。だが振り抜かれることは無かった。レオンの振った剣は当たっただけで切れていないのだ。

(硬すぎじゃない?それよりもなんであんなに硬いんだ?)

  そして走り回りながら考え始たが納得のいくような解答は得られなかった。なので情報を集めるために何度か攻撃を繰り返してみることにした。

  とりあえずレオンはもう一度剣で攻撃してみたが予想通り弾かれてしまった。

  次にあらゆる属性の魔法で攻撃してみたがどの属性魔法の攻撃もも当たった瞬間、散ってしまった。

  だが1つだけ面白い結果を得られた。

(水が凍ったな……。)

  そう、水が凍ったのだ。それも一瞬にして。つまりサーペントの鱗の内側には超低温度の何かがあるということになる。だがスキルを見る限りそんなものはひとつしか存在しない。

(氷を超低温にして固くしているのか。……よく体冷えないな……あ、炎属性か。)

  つまりサーペントは氷属性で外皮を超低温にし固めて、体が冷えないように中から炎属性で温めているということだ。

  こうやって結果を言うことは簡単だが実際には少しでも冷やす部分を間違えると命を落としてしまう。逆に温めすぎると氷の意味を失ってしまう。サーペントは見た目と反してとても器用らしい。

  だがそれはいいとして理屈は分かったものの対策の仕方が分からない。本気で熱して無理やり貫通させることも出来なくは無いが、この場所が溶解してしまう可能性もあるので極力それは避けたい。

(うーん、どうするかな…)

  相変わらずの速度で移動し続けるレオンをサーペントが追えるはずもなく結局、膠着状態になってしまった。

  あれから数十分考えたが妙案が何も出なかったのであまりやりたくなかったがゴリ押しで勝ちに行く。

  まずレオンはサーペントの周りにドーム型の超強力な結界を張った。これで多少無理しても影響はないと思う。そしてその結界の中に壊れない程度に炎属性魔法を叩き込んだ。

  念の為数発入れた。実際にはマグマよりも熱い。そんな攻撃に耐えそうになるのがあの氷属性魔法の怖いところだったりするが結局ジリ貧になり食らってしまった。

  爆発が終わった頃にはサーペントの姿は何も無かった。

(素材欲しかったなぁ……)

  だがマグマよりも高い温度を自ら放ったので何も言えない。自業自得だ。

  そして流れで結界を解きかけたレオンはそれを後悔する。

(熱っつ!……確かにあれだけの魔法を打ったら熱風も凄いことになるよね……。)

  これからレオンはしっかりと後先を考えようと思った。それだけ熱かったのだ。

  氷属性魔法で温度を下げ2、3分経ってようやく温度が戻った。

《チセ今何時か分かる?》

《今は午後6時15分です。》

  いつもなら夕食を食べている時間だ。

  ということでレオンはアイテムボックスにしまっていた魔物を1匹取り出し適当に切り分け焼いて行った。ちょっとした休憩だ。

  ボス部屋は倒したあとはその倒した人がそこから出ない限りは再び湧くことは無い。だから一般的にはレオンのように休憩するか、野宿するなどといった使われ方をしている。
  ただ次の人のことを考えないと行けないのでそこは要注意だ。

(そろそろ焼き上がるかな?)

  そうして切り分けた肉に目をやるとこんがり焼けていた。

(よし、食べるか。)

  そう言ってその肉を1口かじる。

「美味しい!!」

  あまりの美味しさに声に上げてしまうほどに美味しかった。因みに今回レオンが焼いた肉は比較的低階層にいたオークだ。

  だがオークにしては美味しすぎたのだ。

(やっぱり強さとか関係あるのかな?)

  レオンの言う通り強ければ強いほど美味しくなる傾向が高い。理由は肉が引き締まっていたり、上質な魔力だったりするからだ。

  前者は分かると思うが後者について、魔力は体に取り込む際に何かしらの恩恵を与えてくれているらしい。その恩恵が多ければ多いほど上質な肉になるらしい。因みにその何かは未だに判明していない。

  そんなことを説明しているうちにレオンはもう食べ終わってしまっていた。

(よし!行くか!)

  美味しい夕飯を食べれたレオンは気分よく扉を出て宝を見つけ、回収し、階段を下って41階層へと入っていった。




  こんにちは弥音雪です!

  今回ステータスの数値を 6.2×10^11 このように表記しました。

  以前と比べてスッキリとはしましたが的確な数値が分かりにくくなってしまったと思います。

  試しに今回はやってみましたが見づらかったり、理解しにくかったりした場合はコメントをください。

  またこのように表記すればいいんじゃない?とかありましたら合わせてお願いします!

  これからも「やはり、創造神の加護はチートでした」をよろしくお願いします!

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