やはり、創造神の加護はチートでした

弥音 雪

56話 ダンジョン攻略③




  21階層を突破したレオンはその後も滞りなく進んでいくことが出来た。

  途中の魔物は鳥系が主だった。ただ草原なのでスライムも若干何匹かいた。

  そして今レオンは26階層で止まっている。理由は罠の数だ。今まではそこまで多くの罠は無かったがチセが言うには段違いに多くなっているらしい。恐らくここから先はこの罠がメインだろう。

  チセの助けを借りながら罠のある位置を的確に把握しそれを避けて行く。おかげで時間は今までよりも2倍近くかかってしまった。

《そういえばチセ。今外は何時ぐらいか分かる?》

《午後4時前です。このペースなら問題ないと思います。》

《……そんなに経ったのか。分かった。引き続きよろしくね。》

  レオンは思ってた以上に時間が過ぎていたことに驚いたが問題は無いらしいので慎重に進んでいく。

  魔物はと言うと若干弱くなっていた。恐らく罠があるからだろう。これには助かった。さすがに初見の魔物を大量の罠を気にしながら戦うのは少し辛い。

  そうしてレオンは魔物に会ったら即倒しどんどん進んで行った。だがレオンは1つ失敗してしまった。

  カチッ

  レオンが倒した魔物が地面に倒れた際に一緒に罠を発動させてしまったらしい。

  因みに罠はいくつか種類がある。

  1つは転移系、そして魔物大量発生、もう1つは強い魔物の登場。

  今回レオンが引いたのは最後に説明した罠だった。

  急に気配を表した魔物はレオンの後ろから来ていた。

【種族】麒麟

【Lv】3500

【体力】8600000/8600000

【魔力】16500000/16500000

【スキル】炎属性魔法Lv9  雷属性魔法LvMAX  空間魔法Lv8  眷属召喚  疾風迅雷  並行思考  咆哮


(…Lv3500?!いきなりすぎるでしょ!?そしてスキル……。面倒だな……。)

  前世の知識では麒麟は確か獣類の長とかだった気がする。鳳凰とかと同格の存在だったはずだ。

  そうしてレオンは戦闘体制に入った。それに合わせるかのように麒麟もこちらの出方を伺っている。

  数十秒膠着した後、先に動いたのは麒麟だった。だが一瞬のことだった。麒麟は既にレオンの後ろに回っており、鋭い爪が振り下ろされていた。

(速っ!)

  レオンは爪の軌道に合わせて結界を張りすぐさま距離をとる。爪と結界がぶつかった瞬間に次はレオンが麒麟の後ろに回り込み剣を振った。だがそれは麒麟には当たらなかった。代わりにレオンが防御体制を取っていた。

(……速すぎだろ。)

  レオンはこれが油断をしているということだと思い、1度深呼吸をする。

(…よし。)

  そしてレオンはもう一度麒麟の後ろに回った。そしてもう一度剣を振った。さっきの攻撃は恐らく疾風迅雷で後ろに下がり、振り切った瞬間に突撃してきたのだと思う。だから今度は予め自分に結界をばれないように張っておく。

  振った剣は予想通り躱され、そして前に突撃してきた。レオンにはさっきの結界が張ってある。そしてその結界に麒麟がぶつかった一瞬の硬直にもう一度剣を振り降ろした。今度は完全に麒麟を捉えた。

  だが振り下ろした剣は麒麟に当たる直前に別の何かに当たった。それに驚いたレオンはすぐさま距離をとり考える。

(今のは普通の結界じゃなかった。だったらなんだろう…。)

  その後何度かの攻防を行ったが、結局謎の結界にことごとく阻まれてしまった。

(うーん今回は時間ないし頼るかな。)

  元々戦闘のことは自分の経験を積ませるためになるべくチセを頼らないでやってきたが今回ばかりは良いだろう。

《チセ悪いけどあの謎の結界について教えてくれない?》

《あれ?確かマスターはなるべく教えないようにと言った気がしますが?》

《今回は例外的にだ。このままだと無駄に時間が食われちゃうから。》

《分かりました。ではあの結界については教えますが解決方法はマスター自身でということでよろしいですか?》

《それで頼むよ。》

《了解です。では早速あの結界についてですが、あれは空間魔法での結界です。空間をズレさせているものだと思われます。》

  空間をずらす……。イメージはしづらいが出来ないわけでは無さそうだ。やはり前世の知識は最強だ。

《なるほど。ありがとう。おかげで何とかできそうだよ。》

《お役に立てたなら幸いです。》

  そしてレオンは再度攻撃に出る。さすがに2度やった手は通じなさそうだったので攻撃手段を変える。

  まずは魔法を火属性から土属性に変える。

「アースニードル」

  麒麟の足元から土の槍が生えてくる。だが持ち前の速さで避ける。レオンはその逃げる先を予測してそこに剣を振るう。避けきれないと判断した麒麟は恐らく先程の結界を張るだろう。

「ワームホール」

  すると剣が麒麟の左後ろの足に届き、その足を切り飛ばした。

  今レオンが行ったことは空間魔法の結界で隔たれた麒麟側の空間に繋がるようなトンネルを作ったのだ。

  厳密に言うと少し異なるが大体のことは合っているので今は割愛する。

  足を切り飛ばされた麒麟はその事に驚いたようだ。そして同時に恐怖して少し怯んでもいるようだった。

(これは勝ちかな。)

  追い打ちをかけるようにレオンはワームホールを併用した剣技を振るっていった。

  麒麟は魔法や結界を使いながら応戦してくるが、レオンはその魔法を魔法で相殺し結界にはワームホールで対応した。

  そして1分ほど麒麟は粘ったが最終的には死角からの攻撃が当たってしまいそこから一瞬でやられてしまった。

  レオンはこの戦いでとても大きいものを得ていた。

(空間魔法にあんな使い方があるなんてな……。)

  レオンはこのダンジョンが終わったら改めて魔法について考えてみようと思った。

  そしてまたレオンは先に進む。

コメント

  • ノベルバユーザー593952

    あのステータスで苦戦は流石に無理があるでしょ

    0
  • ヒカッチ

    早く続き!早く続き!早く続き!早く続き!早く続き!早く続き!

    4
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