やはり、創造神の加護はチートでした
閑話 フィリアside①
  私は今日友達の誕生日を祝うべく王都を離れ隣町まで行きました。さすがに一人で行く訳にも行かず護衛をしてくれる人が何人か着いてくれました。
  行きはとても順調で街に着いてからも滞りはなく、無事に友達の誕生日を祝え、2日ほどその友達と一緒に過ごしていました。
  別れになると寂しいものでそれは友達も一緒らしいです。だから私は一緒に王都に行くことを提案しました。
  友達は嬉しそうに頷き2人一緒に王都へ向かうことになりました。だがそこで悲劇は起きました。
  魔の森のそばを通る時に森の方から魔物が20対以上も近づいてきたのです。いつもなら護衛の人達が殲滅してくれるのですが何故か胸騒ぎがしました。
  そしてその胸騒ぎの正体はすぐに分かりました。
  最初は善戦していた護衛の人達も20匹もの魔物に加えてそれぞれが強いという状況に押され始めていました。そして残りの護衛の人達も半分ほどになってしまいました。私も動こうとしましたが震えて何も出来ませんでした。
  また1人やられてもうダメだと思った時、視界の端に少年の姿が見えました。
  そして見えた瞬間魔物の頭が地面にいくつも転がっていて、もう魔物はいなくなっていました。
「皆さん大丈夫ですか?」
  聞こえた声は心地いいものでした。顔を覗かせて改めて少年を見ると私と同じぐらいの歳だと思います。
「僕はレオンと申します。魔物に襲われているところを見かけましたので助太刀させて頂きました。」
  私達を救ってくれた彼の名前はレオンと言うらしいです。
  ジルさんと話しているレオン様は話を聞く限り回復魔法も使えるらしいです。試しにジルさんにかけたハイヒールが証拠です。
  そして彼は戦ってくれた人達の所へ一人一人回り、丁寧に回復魔法を掛けてくれました。
  私の震えもいつの間にかだいぶ治まっていました。
  驚いているうちにレオン様はどこかへ行ってしまいました。1度話してみたかったです。
  王城に帰ってからも頭に浮かぶのはレオン様のことばかりです。意識してなかったのですが声に出していたらしいです。恥ずかしい。
  何日か過ぎた後私は魔法学園への入学のために勉強をしていました。国内で1番の学園であるのでその分試験内容も難しいらしいです。
  私はコツコツと勉強をしていき、それと並行して魔法の練習をしました。魔法学園は文字通り魔法についての学園です。しかも実力主義だと言うので王女である私も例外なく落とされる可能性があったのです。
  あれから何ヶ月か経ちました。私は無事に試験を終え今日はその発表の日です。少し緊張しながらも学園の門を潜りました。
  すると掲示板の前にも物凄い数の人が群がっていました。そんな中1度諦めたのか近くの席に座って待つ少年がいました。
  私はすぐさまその人のところへ向かいました。しっかりお礼を言うために。
「すみません。お隣いいですか?」
  するとレオン様は慌てだしすぐ立って頭を下げてきました。
「すみません、王女様。今すぐ席を離れますね。」
  そう言って離れようとした彼を呼び止めました。何か勘違いをしているようです。
「あの!私はあなたと話したくて声をかけたのですが……」
「そうだったのですね。すみません、誤解していました。」
「いえ、それなら良いのです。」
  誤解が解けたことにほっとしながらもレオン様の隣にいるのが何故だか緊張します。
「それで王女様が僕にどのようなお話が?」
  そうレオン様が聞いてきました。私としてはただお話をしたいと言うだけだったのでそのまま伝えることにしました。
「特に要件ということではありません。強いて言うなら、あなたと1度話してみたかったのとお礼がしたかったのです。」
「お礼ですか?」
  どうやら分からないようです。確かに私は顔を見せてませんでしたから。
「はい!半年前に私たちが乗っていた馬車を助けて下さりました。」
  それでようやく思い出したらしいです。けれどもお礼を頑なに断ってきました。半年前だからとか、平民だからとかの理由で。けれども少ししつこく粘ったら1つ願いを聞いて欲しいと言ってくれました。
  もちろん返事は
「はい!喜んで!」
  すると聞いてほしい願いは意外なものだった。
「僕と友達になってくれませんか?」
  私は驚いて固まってしまいました。それが変な勘違いをさせてしまいました。それについて謝ったあと、本当にそんな願いで良いのか聞くと
「そんなこと言われましても、僕にとっては初めての友達ですよ。これほど欲しかったものはありませんよ。」
  と返された。レオン様と友達になれることはとても嬉しかったです。けど王女様と呼ばれるのは嫌だったのでファーストネームで呼ぶようにお願いしました。
「じゃあそうさせてもらうよ。僕のこともレオンでいいから。こちらこそよろしくねフィリア。」
  レオンにフィリアと呼ばれると胸が熱くなりました。顔には出ていないでしょうか?これから先が少し心配になりました。
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コメント
リムル
読み漁っていたらいい作品に
出会ってしまった…
これからも頑張って下さいまし!!