やはり、創造神の加護はチートでした
42話 選択授業
  フィリアにオイルを渡し終わった後はいつも通りの感じたがひとつ変わったことがあった。
「今日から選択授業が始まるね。」
  そう。入学から1週間経たないぐらいから始まった。しかもどの教科も授業が多い。つまり今まで3限だっのが4限になるのだ。
「そうですね。レオンは何を選択したのですか?」
「僕は冒険と商業かな。」
  先に言った通り授業が多いため2つ取る生徒はあまりいない。
「2つ取るのですか?」
「そうだね。僕の両親は店をやりながら冒険者をやっているんだ。そんな感じで将来両方必要かもしれないでしょ?」
「そういうことだったのですね。納得しました。」
  でも正直なところは冒険はなくてもいいんだけど、身体を動かしたい。と思っただけで深い意味は無かった。
「それでフィリアは何を選んだの?」
「私は内政と冒険です。」
「えっ?冒険を選んだの?」
  さすがに予想外だったので目を丸くした。
「特に深い意味は無いですよ。強いて言うなら身体を動かしたいからですよ。」
  どうやらフィリアも同じような考えだったらしい。
「そっか。それじゃぁ冒険の授業の時はよろしくね。」
「どちらかというと私が迷惑かけそうですが、よろしくお願いします!」
  そしてホームルームが始まりいつもの調子で時間が過ぎていく。やはり必修科目はどれも簡単だった。
  それも終わりいよいよ選択授業だ。まず最初は商業、その次に冒険だ。
  選択授業は先生が教室に来るのではなく、自分たちが移動することになっている。
  少し遅れて指定の教室に入った時にはもう大半の人がいた。レオンは空いている席を探して先生が来るのを待った。
「こんにちは皆さん。遅れてすみません。」
  そう言って入ってきたのは女性の教師だった。
「改めて皆さんこんにちは。私は商業を担当するリーラと言います。よろしくお願いします。」
「「「「よろしくお願いします。」」」」
  みんながそう言うと満足したのか笑みをこぼした。
「それでは今日の時間はこの科目の大まかな目的や内容を知りましょう。」
  そう言ってリーラ先生は丁寧にわかりやすく話していく。 
  この商業の科目についてはこんな感じだった。
・この科目の目的は将来に店を営む時の基本知識を付けること。
・内容は主に座学が主体。しかし再来年に実践学習ということで店に送り出されるらしい。
・好成績の生徒には魔道具作成の講義を受ける権利が得られる。
  レオンにとって1番最後のはとても嬉しい。レオンも魔道具は作れるが技術的には素人に毛が生えた程度だ。威力は別だが……。
  そういう訳あってレオンは密かにやる気に燃えていた。
「はい!説明はこんな感じです。質問とかありますか?」
  レオンはいくつかあったのでゆっくり手を挙げた。
「はいレオン君。何でしょう?」
「いくつかあるのですが良いですか?」
「もちろん構いませんよ。」
  快く了承してくれたので遠慮なく質問する。
「まず1つ目です。魔道具の作成のためには好成績であることが条件でしたがどのように評価するのですか?」
「そうですね。1つは年に2回ある試験です。もう1つは私から出される課題の達成率で評価します。なかなか難しい課題を作るつもりなのでよろしくお願いしますね。」
  少しだけ黒い笑みが見えたのは気のせいだろう……。
「……お手柔らかにお願いします。…それで2つ目は…授業に対しての質問ではないのですが…… 。」
  改めて考えると聞いても良いのか悩んでしまった。
「構いませんよ。」
  これまた快く了承を得られた。
「……それでは先生の実力を知りたいなぁ…と。」
  先生はまさか自分についての質問だとは思っていなかったようだ。
「そういえばまだ私のことについては話してませんでしたね。」
  そう言ってリーラ先生が話し始める。
「私は戦闘系の魔法がとても苦手です。しかしその分自分で言うのはなんですが、魔道具作成においてはこの学園で1番上手いですよ。」
  レオンは少し引っ掛かりを覚えた。
「でも先生?先生は戦闘出来ますよね?それもかなり上級者だと思うのですが?」 
  他のみんなは、何言ってんだこいつ。みたいな目線を向けてくるがリーラ先生だけは驚いていた。
「どうしてそう思ったか聞いてもいいですか?」
「はい。教室に入ってきてから今までの動作はあまりにも無駄な動きが少なかったと思いました。相当鍛えられてないと出来ないレベルで。」
  そうレオンはこれを聞きたかった。いかにも文人のような装いだが、滲み出る雰囲気が普通の人と違ったのだ。だからそのリーラ先生の戦闘方法にとても興味が湧いたのだ。
「……なるほど。君が異常な点数を叩き出した新入生ですか……。そうです。私は魔道具による戦闘に長けています。このおかげで私は今でも前線で戦えているのですよ。」
  最初の方はなんかぶつぶつ言っていたが、レオンが質問したことを肯定した。
(魔道具による戦闘か……。いつか見てみたいな……。)
「さて、そろそろ時間ですね。商業ではさっき言った通りのことをします。そして私の魔道具作成の講義を受けたい人は周りの人以上に頑張ってくださいね。」
  さっきの話を聞いていたら誰しもが魔道具による興味が湧くだろう。おかげで教室内の雰囲気は来た時よりも燃えている。
「それでは今日の授業を終わります。みんなさんまた明日。」
「「「ありがとうございました。」」」
  そして終わりを迎えた最初の授業はみんなやる気を引き出すようなものだった。その中の一人にレオンもいる。
(よーし!すぐに魔道具までたどり着いてやる!)
  そう張り切ったレオンが異常な早さで商業の授業を終わらせるとは予測できなかったリーラ先生であった。
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