やはり、創造神の加護はチートでした

弥音 雪

38話 ギルドに登録




  レオンは学園長室の前に来た。

「学園長。レオンです。」

  すると中から学園長の声が聞こえた。

「入ってくれ。」

「失礼します。」

  そう言って中に入ると座るように促されたのでそのまま進んで座る。

「さて今日の要件はこれじゃろ。」

  すると学園長は懐から出したギルドへの推薦書を見せる。

「はい。その通りです。」

  そしてレオンは見せられた推薦書を細かく見ていった。だいたい見終えた頃に学園長が口を開いた。

「とりあえずここにわしの名前を書いておいたから余程のことがない限りは問題にならんじゃろ。精進することじゃ。」

  そうして推薦書をレオンに渡した。

「ありがとうございます。頑張ります。」

  要件が済んだレオンは学園長室を出ていき、校門を抜け、ギルド方向へ真っ直ぐ歩いていった。

  近くに着いた時に自分の記憶とチセの情報を頼りに探していると周りよりも大きく造られた建物があった。
 
(ここが冒険者ギルドか……)

  前に遠目で1度見た事はあるが実際に目の前にするとその大きさが予想以上に大きく驚いた。
  そして今も冒険者の装いの人達がちらほら出入りしている。

(行くか…。)

  そしてレオンも冒険者ギルドに入っていった。

(おぉ、中は思った以上に広いな。しかもなかなかの人数だな。)

  ここがこの国のギルド本部だからというのもあるだろうが冒険者と受付嬢の人数が思っていた以上に多かった。

  レオンは空いている受け付けに行った。

「すみません。冒険者登録をしに来たのですが。」

  少し周りがうるさくなったが今は無視する。

「え?あ、はい!冒険者登録ですね。しかし冒険者は10歳以上からになります。失礼ですが歳を聞いても良いですか?」

「まだ8歳ですがこれを持ってます。」

  そうしてさっきもらった推薦書を受付嬢の前に出した。

  それを見た受付嬢は目を見開いていた。数秒間固まっていたが流石は王都の受付嬢か、すぐに戻った。

「失礼しました。それでは1度こちらに着いてきて頂けませんか?」

「分かりました。」

  レオンは受付嬢の後を着いて行くとギルドの奥の部屋に案内された。
  受付嬢が扉の前でノックすると中から声が聞こえてきた。

「誰だ?」

  低くも威厳のある声だ。

「サーシャです。」

「入ってくれ。」

  レオンは受付嬢もといサーシャさんに促されギルド長の前に立った。

「初めまして。僕はレオンと申します。」

「あぁ俺はゴルグ=ガルシアだ。ここのギルドマスターをやっている」

  その時ゴルグに殺気を当てられた。並の人では倒れてしまうレベルのものだ。
  ただそこはレオンだ。その殺気に怯まずそれよりも少し多い殺気で威圧し返した。

「合格だ。」

「えっ?」

  とりあえず殺気が無くなったのでレオンも殺気を消す。

「お前のとこの学園長から何十年ぶりか、推薦を受けたやつがいると聞いてな。それと試練があることを説明されなったか?」

  この話を受けた時に言われたような気がしなくもないが特に問題じゃなかったので忘れていた。

「あぁ確かに言っていたような気がします。」

「まぁそういうことだ。でもまさか俺の殺気を受けて返すとは思わなかったわ。だいたい固まるか失神してたからな。」

  確かに普通の人とは比べ物にならないほど強かったが、レオンにとってはそよ風程度のものだ。

「そうなんですか?僕には後5倍の殺気を当ててもいいですよ?」

「……流石だな。10年振りの推薦者だけあるわ。」

  そう言っておもむろに席を立ち上がり、ある魔道具の前で何かしらを操作していた。

「……出来たぞ。お前のギルドカードだ。今回はあの学園長の推薦と俺の期待を込めてCランクから始めてくれ。後はそこのサーシャから聞いてくれ。」

  そう言うと銅のギルドカードを渡された。そして話も済んだので退室する。

  さっきの受付の所まで戻るとギルドについての説明を受けた。その説明をまとめるとこうだ。

・ランクは下はGランクから上はSSSランクまである。
・ランクを上げるには依頼をある程度こなすか試験が必要。
・冒険者同士での暴力行為は禁止はされていないが、一般人に対しの暴力行為は禁止。
・ギルドカードを無くした場合は再発行に金貨1枚取られる。

  ざっとこんな感じだった。

「他に質問などはありませんか?」

  レオンはアイテムボックス内にある魔物の査定をお願いしたかった。

「冒険者になる前の魔物がいるのですが査定してもらえませんか?」

「分かりました。そしたらあちらの部屋に行ってください。小物の魔物ならここでも大丈夫ですが恐らく違いますよね?」

「そうですね。流石です。」

「これでも受付嬢を長い間やってますから。それではまた次の機会に。」

「はい。ありがとうございましたサーシャさん。」

  そう言って教えられた部屋に行った。

  中に入ると大きな机があり、何人かの査定員と思われる人がいた。そして今は丁度よくその他に誰もいなかった。

「初めての方ですか?」

  受付の人が見かねて声をかけてくれた。

「はい。」

「でしてらここに魔物を置いてください。同時に複数体でも大丈夫ですが机に収まるようにお願いします。」

「分かりました。」

  そしてレオンが魔物を置いたあとギルドは慌ただしくなった。

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