やはり、創造神の加護はチートでした
22話 初めての友達
  受験から3日が経ち、合格者発表の日となった。
  レオンも合格者が掲示されているところまで行く。
(やっぱり混んでるな……。近くのベンチに座って待つか)
  そうして周りを見渡してみると1箇所空いているところがあった。
(ここから見えないかな…。)
  なんて思い掲示板の方を見ていた。
「すみません。お隣よろしいですか?」
  声をかけられた方向に振り向くとそこには王女様がいた。
「すみません、王女様。今すぐ席を離れますね。」
  レオンはすぐさまその場を離れようとする。
「あの!私はあなたと話したくて声をかけたのですが……」
「そうだったのですね。すみません、誤解していました。」
「いえ、それなら良いのです。」
  そう言ってレオンは座り直す。
「それで王女様が僕にどのようなお話が?」
「特に要件ということではありません。強いて言うなら、あなたと1度話してみたかったのとお礼がしたかったのです。」
「お礼ですか?」
「はい!半年前に私たちが乗っていた馬車を助けてくださりました。」
(もう半年前の出来事なのか。懐かしいな。)
「そうでしたね。にしても、もう半年前の話です。お礼なんていいですよ。」
「そういうわけにもいきません!何かお返しがしたいのです!」
「覚えててくださっただけでも平民の僕からしたら非常にありがたいことですよ。」
「それでも何かさせてください!」
  なかなか引き下がらない王女様。
(どうしようかなぁ……。試しに頼んでみるか。)
「そこまで言うなら、1つお願いを聞いて頂けませんか?」
「はい!喜んで!」
「僕と友達になってくれませんか?」
「えっ?」
(あっ、これは予想してなかったやつだ。呆気に取られてる。)
「やっぱり気安く友達になるんて無理ですよね……。少し出しゃばりすぎました。」
「いえ!全然そんなことないですよ!でも本当にそんなことで良いんですか?」
「そんなことと言われましても、僕にとっては初めての友達ですよ。これほど欲しかったものはありませんよ。」
「分かりました。では改めてよろしくお願いしますねレオン様。私のことはフィリアで構いませんよ。敬語もいりません。」
「じゃあそうさせてもらうよ。僕のこともレオンでいいから。こちらこそよろしくねフィリア。」
  こうしてレオンの初めての友達が出来た。
  因みにだが、フィリアは物凄い美少女だ。
髪はブロンドで腰の位置まであり、目は大きく、輪郭もこれ以上ないほど整っている。スタイルも良く、身長は125cmほど。10人中10人は可愛いと答えるだろう。
  閑話休題。
「そういえばまだ合格発表見ていなんだよね。フィリアはもう見たの?」
「私もまだ見ていません。良かったら一緒に行きませんか?」
「そうだね。一緒に行こうか。」
  そうして掲示板の前まで行くと、皆フィリアを見て道を開ける。
(さすがは王女様だ……。)
「フィリア。これはさすがに気まずい……。」
  そう言いながらもフィリアについて行く。
「あ、ありました!」
  フィリアが指している方向をみると確かにフィリアの名前があった。
「おめでとう!フィリア!」
(さて自分のは……。)
「レオン?レオンの名前はあそこですよ。」
  そうして見上げてみると堂々と自分の名前が書かれていた。
「首席?!」
  驚きすぎて思わず声を上げてしまった。
「おめでとうございます!」
「あ、ありがとう。」
  フィリアが笑顔で祝ってくれるが、正直不安の方が大きい。
「僕に首席とか大丈夫なの?」
「レオンならきっと大丈夫だと思いますよ。勉強も魔法も私より得意じゃないですか。」
「そんなことはないと思うけど…。それよりもどっちかというと平民が首席っていう方が不安かな。」
「なるほど。確かにそれは少し大変なことになるかも知れませんね。」
  少し憂鬱になりながら受付に行く。
「おはようございます。受験票です。」
「はい。レオンさんですね。首席おめでとうございます。ではこちらに必要事項を記入してください。そして後日制服が届くはずです。」
「分かりました。」
  そうして必要事項を記入していく。
「終わりました。」
「はい。大丈夫そうですね。では次にこれをどうぞ。」
  そう言って1つの丸められた紙を受けとった。
「それには入学式の日時、入学するに当たっての必需品が書かれております。また、この学園の規則が乗っていますので必ず目を通しておいてください。」
「分かりました。」
「そして最後にこれを。」
  そうして出されたのはスマートフォンぐらいの魔石だった。
「この魔石はこの学園の生徒であることを証明するものになります。この中には所有者の情報が入っています。くれぐれも無くさないようにしてください。」
「はい。ご丁寧にありがとうございます。」
「いえいえ。あ、言い忘れていましたが毎年首席には入学式で新入生代表挨拶があるので考えておいてください。」
「……それって変わってもらうことって出来ますか?」
「恐らく不可能かと思われます。この学園の伝統ですので。」
「はぁ、分かりました。」
  その後はフィリアと軽く話をした。気づくともう日が真上にあった。
「もうお昼だしお開きにしようか。」
「そうですね。ごめんなさい、こんなに長く。」
「いや、気にしないで。僕も久々にとても楽しかったよ。」
「ではまた入学式の時に。」
「うん、またね。」
  別れた後は歩いて家に帰り、必死に挨拶を考えていた。
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コメント
キャベツ太郎
ドラゴン2 それな
ノベルバユーザー316963
挨拶なんて
「こんにちは
首席のレオンです
ありがとうございました」
でいいじゃん挨拶なんだし
なんか言われても実力主義なんだし
ドラゴン2
それだけのチートを持ちながら首席、驚くか?普通、逆に取れないとマズイでしょうよ
ノベルバユーザー321985
とても良かったです。(*≧∀≦*)
ちとせ@誤字報告遅くて|ω・`)スミマセン
質問なのですが最後の方の
「その後はフィリア軽く話をした。気づくともう日が真上にあった。」の「フィリア軽く」は「フィリアと軽く」ではないでしょうか?
違っていたらすみません(o_ _)o