神王のスローライフまで

グランアース

第3章第8話  王都に向けての道中




「だ、だれか。私に回復魔法を!さっきからいたいんだ。」

「こいつよりも、私の娘にかけてくれ!さっきから眼を覚まさないんだ!」

「ママァー。何処にいるのぉー?」

「.................. 」

「ヴァー。いだいいだい、やざじくしてぐれぇー」

「しっかりしな!陛下が手を打ってくれるよ!それまで辛抱しろ!」


「ひ、酷い...... 」

「これは、予想以上ですね...... 」

「確かに酷いな。みんなが好き勝手にやってるよ。」

テレビ中継で見る被災地の様子よりも酷いだろ。
しかも、まだ、町の外だぞ。

酷い状態だな。
こんなところで怪我をしたら衛生に悪いだろうな。

「ひっ!あわわわわわっ!」

どうした?華楓と聞こうとしたが、聞く前に察してしまった。

「うっ!」
「なっ!」

そこには、無惨につまれたごみ死体があった。

それだけではなかった。
所々に、人や動物の排出物が所々につまれていた。

「酷い...... 」

リルが同じ言葉をもらした。
正直、酷い。

二度ではなく、三度ももらしてしまうくらいにひどかった。

「この王都近くの町でこんなにひどくなるなんて。想像していたよりも...... 」

「華楓。きついなら、すぐに出るぞ?他のみんなもきつそうだ。」

「うん、ごめん。私、もう...... 無理...... 」

「じゃあ、いこうか?」

そして、伝令兵にもうこのまちを出発することを伝えた。

「ほら、いこうか?リル、ごめんちょっと先にいってくれないか?」

「何をするんですか?」

「ちょっとね。町を.....」

「わかりました。余り無理をしないでくださいね?龍一。」

「ああ、無理をしない程度にな」






 
よし、先に行ったか。

それじゃ

「いっちょ、やってやるか。」

『リミッター 制限全解放』

「時間が少ないな。まだ、全てできないか。」

『スキル 神格化』

「っ!きつい。早めに終わらせるか。」

『スキル 聖者快復』

「くっ!...... 取り敢えずこれで充分だろう。後は、もとに戻るだ...... け」

何とか、力を振り絞って馬車に戻れた。

「はぁ、はぁ、はぁ。っ、ごめん。ちょっと寝る。」

「はいはい。おやすみなさい。」

「ああ、おや...... すみ...... 」

そのまま、リルに撫でられて俺は、落ちていった。








「ふふっ。龍一の寝顔、やっぱり可愛いな。」

私は、そのまま撫でる。

華楓ちゃんは、気を失ってる。
しんどかったのだろう。あの光景は自分もきつかった。

それにしても

「無理をしないでっていったのにすぐに無理して...... 
でも、やっぱり龍一は無理をして色んな人を助けるんだろうな。
もし、私の血..................」



そのときに、歓声に包まれた空気が伝わってきた。


伝えたくないけど、出てきちゃったもんね。

















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