異世界を楽しみたい転生者

Gai

第69話少年期[60]たまにはいいことするじゃないかガンツ

「確かに俺がゼルートだけど。俺になんか用か?」

「今俺と決闘してもらう!!!!」

・・・・・・これまた自己中心的なやつだな。
人の都合ってものを少しぐらいは考えられないのかよ。
つーか、たぶんこいつがガンツが言っていたセイルって奴か。

ちなみに見た目は短めな茶髪でそこそこのワイルドなイケメン。後ろのパーティーらしき男一人と女二人も顔はそこそこ整っている。
俺に話かけてきた奴は戦士と盾役両方を兼任してるって感じだな。
もう一人のひょっろとしてる優男みたいな奴は戦士・・・で良いのか? すごい頼りなさそうだが。
女二人のうち一人は盗賊って感じか。片手剣も持ってるから戦闘も出来るみたいだな。
見た目はスポーツ女子だな。
もう一人の女の子は回復要員兼攻撃魔法も多少使えますよって感じだな。
見た目はおっとりとした癒し系の女の子だな。
いかにもリア充ですって感じでうざいな。

まあそれよりも・・・。

「人にいきなり決闘しろってお前な~~~、もう少し理由とか先に言えないのか。
それから名前聞いたんだったらお前も名乗れよ」

「うっ、そ、それもそうだな。俺はセイルだ」

「僕はロークです」

「私はラナ」

「私はミールといいます」

「そうか。そんでお前ら四人が俺になんの用だ」

大方ドウガンの敵討ちってところか。
って死んではいなかったな。

「お前がドウガンさんと戦って完勝したとギルドで聞いた。だが俺はそんなの信じない!!! あのドウガンさんがおまえみたいな奴に負ける筈がない!!!」

おまえみたいな奴って、お前が俺のなにを知ってるんだよって言いたくなるな。

「それにドウガンさんは、火炎大切断を使ったって聞いた。お前なんかがあれを防げるわけがないだろう!!!」

「まあまあ、セイルも落ち着いて」

おお、優男君ナイス! そこから説教タイムへ・・・・・・。

「でも僕も君がドウガンに決闘で勝ったっていうのは、あまり信じられないな」

行かないよな~。

「私も正直信じられないね」

「も、申し訳ないですけど私も・・・」

スポーツ女子はわかるが癒し系の君もか~~~。

「なるほど。だから自分達が決闘に勝って、ドウガンが俺に負けたのはまぐれだということを証明しようって訳か」

別に良いんだけど、できれば年齢が近い奴とは仲良くしたかったんだけどな~。

でもそれも無理そうだな.
しかたない。さくっと終わらせることにするか。

「ゼルート、何か揉め事でもあったのか」

「ルウナか、戻ってくるのが遅かったな。なんかあったのか?」

「なに、登録の手続きをしてくれた受付嬢が気を効かせてくれてEランクへの昇格試験を受けさせてくれた」

「試験内容は冒険者との模擬戦か?」

「そうだ。弱くて話にならなかったがな」

お前の強さを考えればそうだろうな。

「ついで四日後にあるDランクの昇格試験も受けさせて貰えるらしい」

「マジか! そりゃよかったな」

「ああ、確かに良いことだ。面倒な依頼を受けずにすんだしな。それはそうとこいつらはなんなんだ?」

「さっきお前がいない間に決闘を申し込まれたんだよ」

「そうだったか。ふむ・・・この程度の奴等なら、ゼルートが受けずとも私で十分だな」

ルウナのいきなりの舐めた発言に、セイル達が怒りだした。

「ふ、ふざけるな!! いきなり出てきてなんなんだお前は!?」

「私か? 私はルウナ。ゼルートの奴隷だ」

その言葉を聞いた瞬間、四人の顔が一気に赤くなった。純情過ぎんだろお前ら。

しかしこの状況をどうおさめようか・・・。

「そこらへんにしときなお前ら。優劣をつけたいんだったら今度のDランクへの昇格試験は俺が担当だから、俺が決めてやるよ」

「ガンツか。良いところに来てくれて助かったが、その口ぶりだと俺も受けるのか?」

「当たり前だろ。お前みたいな奴が、いつまでもEランクにいさせていいわけないだろう」

まだ冒険者になって一週間ぐらいなんだけどな。

「お前らもそれで良いか!?」

「わ、わかりました」

どうやらこの場は退いてくれるみたいだな。
よかったよかった。

「詳しい説明は四日後だ。昼の十二時までにギルドにいとけよ」

そう言ってガンツはギルドから出ていった。

にしても四日後か・・・あれ? 確か三日後にオークションだったよな。

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