俺の許嫁は幼女!?

白狼

23話 期末試験を乗り越えてみせます!

「大丈夫、大丈夫、勉強はちゃんとしてきた。」







 期末試験一日目の1時間目が始まる5分前。俺は、席に着いて大丈夫と繰り返し言いながら落ち着く。
 優奈があんなに手伝ってくれたんだ。それで赤点なんか取ったらどんな謝罪をしても許してもらえないだろう。いや、許してはくれるだろうがすごい罪悪感で飲み込まれるだろうな。
 だから、俺のためというよりもこんな俺を手伝ってくれた優奈のために赤点は絶対に取らない。
 俺がそう思うとチャイムが鳴り答案用紙と問題用紙が配られ試験が始まった。








 時は過ぎ、五日間の試験も全て終わりそして、数日が経ち、全ての教科の答案用紙が帰ってきた。








「陽一、どうだった〜。」
「…………」
「………おい、なんか言えよ。そんな酷い点数だっのか?」
「………は……ははっ……」
「お、おい、なんだよ、急に笑ったりして。夏休みがなくなるのは残念だが一緒に補習、頑張ろうぜ!」
「………はっはっはっ!バーカ!補習に行くのはお前だけだ!見ろ!この点数を!」








 俺は、そう言って机の上にすべての試験の点数が書いてある紙を出した。その中には学年の順位も書いてある。







「………な、なんだ!?これ!?これ、本当にお前のやつなのか!?」
「はっはっはっ!まーな!俺が本気を出せばこんなもんよ!」
「そんなバカなことがあるわけないだろ!?お前が学年で50番なんて!」
「これが現実だ!」







 太輔の言う通り、俺の学年順位はピッタリ50番。そして、俺の最高得点は85点、最低得点は57点という赤点を余裕で越えている。







「陽一君、やったね!」
「あっ、優奈。本当に優奈のおかげだ!試験前の10日間の勉強がなければこんな点数絶対に取れることなんてなかったよ。本当にありがとう!なんか、お礼に奢ってあげるよ。」
「べ、別にいいよ。陽一君が夏休みを無事に過ごせるようになったんだからそれだけで良かったよ。」
「そうか、でも、なんかお礼をしないと俺の気が済まない。だから、なんでも言ってくれ。」
「じゃ、じゃあ、夏休み、一緒に遊ぼ……」
「何だ、そんなことで良かったのか?そうだな!みんな・・・で遊ぶか!」
「………え?みんな?」
「ああ、みんなで!」
「………そうだね……」








 夏休み、楽しみだな!
 夏休みと言うとやっぱり夏祭りだよな!それにみんなで旅行とかもいいよな!
 考えれば考える程、夏休みが楽しくなっていくような気がするぜ!






「………こ………この………この裏切り者ぉー!」
「あだっ!な、なんだ!?って、太輔何しやがんだ!」
「うっせぇ!この裏切り者!俺と一緒に夏休みの補習を受けるって約束、どうなってんだ!?」
「そんな約束した覚えねぇ!」







 なんか、すごい言い掛かりをつけられてるんだが。
 まぁ、太輔も俺くらい頭悪いからな。今回も俺と一緒に補習を受けるつもりだったのだろう。
 ………ざまぁ!






「俺は、お前が補習をしている間に楽しい夏休みを過ごすよ。」
「て、てめぇ……」
「………あっ、でも、後藤君、今回は赤点だいぶ少ないね。」
「あ、ホントだ。何だ、お前、1個だけじゃないか!全然マシじゃないか!」
「そりゃ、夏休みがかかってんだ。少しは勉強はするわ。」
「これなら数日で補習も終わるだろ。」
「ああ、だから、俺がいないうちにみんなで遊ぶなよ!」
「嫌だよ。ってかどうせお前部活あるだろ?」
「ま、まぁそうだが、午後は暇だから!」
「はいはい、なら、お前は午後からってことで。」









 太輔は、不服そうだが部活なのだから仕方ない。それに夏なのだから試合もあるはずだ。






 ………待てよ……も、もしかしたらまた静香の件で振り回されるかもしれない。
 そ、それは……困る!
 今、静香とは結構気まづい関係だからあまり近づきたくないしせっかくの夏休みをそんなことで無駄にしたくない。
 と、言ってもなんだかんだ言って丸め込まれそうなんだよな。まっ、その時は、その時で対処すればいっか。







「まっ、赤点を取ってしまったものは仕方ない!それよりも今日は部活も休みだし、みんなで期末試験が終わったから羽伸ばそうぜ!」
「おお、それいいな!それじゃ、行くか!康介と麻美も呼ぼうぜ!」
「ん?呼んだか?」
「うわっ!驚いた……なんだ居たのか。」
「今そこを通っていたら私たちを呼んだから何かなって思ってね。それで何?」
「ああ、みんな期末試験で疲れただろ?だから、羽を伸ばそうと思ってね。」
「いい考えね!行きましょ!」
「よし、じゃあみんな行くってことで!」








 そんなことが決まり俺達は帰宅準備を始めた。
 俺は、その途中に隣の席で急いで帰宅準備をしている優奈に話しかけた。







「優奈、夏休み、みんなで遊ぶのはいつもの事だ。だから、他にもっと要求してもいいんだぞ?叶えられることなら叶えるよ。それくらいの恩を受けたんだから。」
「………なら、また家に遊びに来て。お母さんが陽一君が来ないってうるさいから。」
「あはは、七海さん、そんなこと言ってたのか。分かった、なら、いつかまた行くよ。」
「うん、じゃあ、お母さんにも言っとくね。」








 そんなことを話しているといつの間にか帰宅準備を終わらせて教室の扉の前で待っていた3人が遅いと言ってきた。
 俺たちは、すぐに帰宅準備を終わらせてみんなの元へ行き、そして、いつもの喫茶店へと向かった。











 ちなみにみんなの期末試験の結果はこれです。
 上ノ原陽一・・・200人中50位
 水城優奈・・・・200人中8位
 後藤太輔・・・・200人中179位
 香取康介・・・・200人中76位
 香取麻美・・・・200人中63位

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