絶対神の異世界チートハーレム無双!?

guju

ルーシェ 2

沈黙は長く続き、ルーシェは額に汗を浮かべ何度もコップに入った水を口にしていた。
だが、その回数にしては水の減りは少なく、未だ1杯が尽きることは無い。

室内は暑いわけでもなく、寒い訳でもない、つまり適温である。
その中で汗をかき、何度も水を飲む。
どういうことか……

そう、彼は緊張しているのであろう。

汗は、何かを話す恐ろしさや、緊張から出る冷や汗であろう。
多数回水を手に取る行為は、この沈黙の気まずさ故だろう。


ーーコンコン


「失礼致します」

ルーシェがコップに何度手をかけたことであろうか。
とても長く感じた沈黙は、ようやく絶たれた。


「お料理をお持ち致しました」

「頼む」

そう、一言いうと扉をあけ、荷台に乗せた数々の美しい料理を並べていく。

緑の葉の上に、少し焦げ目のついた様々な海鮮が。
赤い皿には、戦場を堂々と仁王立ちをする歴戦の騎士のように存在感を示す肉が。
それは、少し赤みが残り、肉の隙間からは光り輝く肉汁が溢れ出ている。
その他にも、様々なものが並んでいる。

「美味そうだ」

思わずこぼれた言葉に、向かいに座っていたルーシェはクスリと笑みを浮かべた。

ルーシェがこの豪華な料理たちに動じないのは、彼がそれなりの収入を得ていて、何度もここに通っているからだろう。

個室を取る事に妙になれていたのは、そのためであろう。

「では、戴こう」

「いただきます」

食事の挨拶をした彼らは、各々に料理に手をつける。

丁寧に一口大に切られた肉にフォークを伸ばし、用意されていた塩につけ口に入れる。
肉本来の甘みの中に、それを更に引き立てる塩の味が口に広がる。


「と、そろそろ本題に入ろうじゃないか」

あまりに美味な料理に気を取られていたと、ゼロは本題を持ち出した。

「あぁ、そうだったな。」

ルーシェはフォークを置き、料理とともに用意された酒を一口飲み、話し始めた。







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