セブンスソード
89
安神姉妹。彼女たちと出会うことで俺は二人を知ることが出来た。そこには互いを思い合う優しさがあって、掛け替えのない絆があった。
大切な人がいる。それは俺たちだけじゃない、彼女たちも同じなんだって知れた。それは、すごく大事な収穫だったと思う。俺たちと同じなんだ、なら一緒に恐怖を克服することだってできる。みんなで協力すればセブンスソードだって乗り越えられる。
やれる。やろう。俺と香織、星都と力也、そして此方と日向ちゃん。みんな一緒に、この儀式から生き延びるんだ。
すると日向ちゃんの部屋に入っていた此方がやってきた。
「どうだった?」
「うん、だいぶ落ち着いたみたい。今はぐっすり寝てるわ。この調子なら明日には治ってるんじゃない」
「そうか」
回復しているようでなによりだ。医者に診せるわけにもいかないからな。ホッとするが此方の方がよほど安心しているようで表情が柔らかくなっている。
「なんとかなってよかったな」
「油断は禁物だけどね。あの子はなにをしでかすか分からないんだから」
「ははは。ほんと活発だよな、日向ちゃんは」
「わんぱくなのよ」
まあ、元気なのはいいんじゃないかな。度を超さなければだけど。
ピンポーン。
「ん?」
インターホンの呼び鈴だ。
「誰かしら」
此方がスピーカーに近づいていく。画面にはすでに人が映ってるた。俺からはよく見えないがなにか注文でもしていたのだろうか。
『安神のお宅で合ってるか?』
この声は!
「そうだけど」
『そうか。ならスパーダっていうのにも聞き覚えはあるな?』
「!?」
俺は立ち上がりインターホンに駆け寄った。この声は間違いない、星都の声だ!
『今マンションの前にいる』
「星都!」
到着するなり呼びかけるがその前に映像は切れてしまった。
「星都? もしかして、今のが聖治が話していた友人のこと?」
「前の世界ではな。今は初対面のはずだ。あいつも俺たちのようにセブンスソードには反対だ」
「でも」
星都のことは話していたから此方も知っているはずだ。俺としても知っている仲が会いに来たことに楽観したくなるが、此方の目は心配そうだ。
「その割には雰囲気がなんていうか、暗かったわよ?」
「…………」
それは、正直俺も気になっていた。
星都も性格は明るいやつだ。いや、セブンスソードに巻き込まれれば落ち込むのは当然なんだが、和平の交渉に来たにはどうも切羽詰まった感じがする。
ただ、星都からすれば俺たちが友好的という保証もないんだ。それで緊張しているのかもしれない。
「本当に大丈夫かしら」
「もしかしたら警戒しているんだろう。俺が説明する。そうすれば分かってくれるさ」
相手は星都だ。知らないやつならいざ知らず信頼できる。
「マンションの前で待ってるって言ってたけど」
「そうだな。とりあえず行くしかない」
「日向は?」
俺は日向ちゃんの部屋に目を向ける。風邪気味で寝ているのを起こすのもあれだが、黙っていくのはもっと問題か。
「起こそう」
俺たちは日向ちゃんの部屋に向かう。此方がノックしてから入り込みその後に続く。
「日向。日向起きて」
此方が彼女の肩を揺する。
「ふぇ?」
まだ意識がおぼろらしく目がとろんとしている。
「お姉ちゃん? ちょっと~、なんで聖治さんまでいるのぉ~」
そう言うと日向ちゃんは寝返りを打ってしまった。かなり隙だらけな寝顔を見てしまったからな。俺の部屋に来たけどそういうのは気にするんだな。
「悪いな、急いで伝えなくちゃいけないことがあるんだ」
「急いで?」
顔だけをこっちに向ける。
「今、星都が訪ねてきた」
「え? 星都って、聖治さんのお友達だった?」
「ああ。俺と此方は今から話をしに出て行くから。日向ちゃんはここで待っててくれ」
「そんな!? それなら私だって」
「大丈夫だよ。話をするだけだし、病人に来られても相手が困るだろう?」
「うーん」
大切な人がいる。それは俺たちだけじゃない、彼女たちも同じなんだって知れた。それは、すごく大事な収穫だったと思う。俺たちと同じなんだ、なら一緒に恐怖を克服することだってできる。みんなで協力すればセブンスソードだって乗り越えられる。
やれる。やろう。俺と香織、星都と力也、そして此方と日向ちゃん。みんな一緒に、この儀式から生き延びるんだ。
すると日向ちゃんの部屋に入っていた此方がやってきた。
「どうだった?」
「うん、だいぶ落ち着いたみたい。今はぐっすり寝てるわ。この調子なら明日には治ってるんじゃない」
「そうか」
回復しているようでなによりだ。医者に診せるわけにもいかないからな。ホッとするが此方の方がよほど安心しているようで表情が柔らかくなっている。
「なんとかなってよかったな」
「油断は禁物だけどね。あの子はなにをしでかすか分からないんだから」
「ははは。ほんと活発だよな、日向ちゃんは」
「わんぱくなのよ」
まあ、元気なのはいいんじゃないかな。度を超さなければだけど。
ピンポーン。
「ん?」
インターホンの呼び鈴だ。
「誰かしら」
此方がスピーカーに近づいていく。画面にはすでに人が映ってるた。俺からはよく見えないがなにか注文でもしていたのだろうか。
『安神のお宅で合ってるか?』
この声は!
「そうだけど」
『そうか。ならスパーダっていうのにも聞き覚えはあるな?』
「!?」
俺は立ち上がりインターホンに駆け寄った。この声は間違いない、星都の声だ!
『今マンションの前にいる』
「星都!」
到着するなり呼びかけるがその前に映像は切れてしまった。
「星都? もしかして、今のが聖治が話していた友人のこと?」
「前の世界ではな。今は初対面のはずだ。あいつも俺たちのようにセブンスソードには反対だ」
「でも」
星都のことは話していたから此方も知っているはずだ。俺としても知っている仲が会いに来たことに楽観したくなるが、此方の目は心配そうだ。
「その割には雰囲気がなんていうか、暗かったわよ?」
「…………」
それは、正直俺も気になっていた。
星都も性格は明るいやつだ。いや、セブンスソードに巻き込まれれば落ち込むのは当然なんだが、和平の交渉に来たにはどうも切羽詰まった感じがする。
ただ、星都からすれば俺たちが友好的という保証もないんだ。それで緊張しているのかもしれない。
「本当に大丈夫かしら」
「もしかしたら警戒しているんだろう。俺が説明する。そうすれば分かってくれるさ」
相手は星都だ。知らないやつならいざ知らず信頼できる。
「マンションの前で待ってるって言ってたけど」
「そうだな。とりあえず行くしかない」
「日向は?」
俺は日向ちゃんの部屋に目を向ける。風邪気味で寝ているのを起こすのもあれだが、黙っていくのはもっと問題か。
「起こそう」
俺たちは日向ちゃんの部屋に向かう。此方がノックしてから入り込みその後に続く。
「日向。日向起きて」
此方が彼女の肩を揺する。
「ふぇ?」
まだ意識がおぼろらしく目がとろんとしている。
「お姉ちゃん? ちょっと~、なんで聖治さんまでいるのぉ~」
そう言うと日向ちゃんは寝返りを打ってしまった。かなり隙だらけな寝顔を見てしまったからな。俺の部屋に来たけどそういうのは気にするんだな。
「悪いな、急いで伝えなくちゃいけないことがあるんだ」
「急いで?」
顔だけをこっちに向ける。
「今、星都が訪ねてきた」
「え? 星都って、聖治さんのお友達だった?」
「ああ。俺と此方は今から話をしに出て行くから。日向ちゃんはここで待っててくれ」
「そんな!? それなら私だって」
「大丈夫だよ。話をするだけだし、病人に来られても相手が困るだろう?」
「うーん」
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