竜殺しと人殺し

あめふらし

ギルド

シオンは騎士団本部を後にするとギルドに向かうために下町へ向かった、王都の下町は情勢が不安定でお世辞にも政治が行き届いているとは言えないのが現状だ。
しかし国がここを放置しているのはギルドが面倒を見る代わりに資金などの提供は国は一切支援しない事と定めているからである。国民がしっかりと身分を登録はされているが家族を失った子供やそれを助ける少数の大人たちで維持されている故に中心街で生活している騎士団とはかなり仲が悪い

ギルド本部

「あのすみません、傭兵を雇いたいのですが」

「あぁ?金はあるんだろうな腕利きを雇いたいならそれなりの金を用意してもらうぜ」

酒場のマスターと思われる強面の男がいきなり怒り口調でシオンに答えた
これにはやはりシオンも苛立ちを見せたがさすがにここで揉めるわけには行かないとぐっと堪えたのだがその次の事だ

「おめえみてえな雑魚そうなやつが大した金もねえだろうがよぉミルクでも出してやるから飲んだら失せな」
糸の切れる音がした

「ほう…あんた俺の顔みて何もわからないとは雑魚だな」

「あ?おめぇみてぇな色白のもやしは下町なんかにはいねぇんだーー」

「よ?」

次の瞬間マスターは酒場のそとで逆さまになっていた

「俺をここまでコケにしたんだ教えてやる…俺は元騎士団第一討伐部隊隊長のシオンだ!」

おい…なんでそんなやつがここにいるんだ
あいつ元って言ったぞ…
強すぎるだろ

ざわざわと人だかりが増えていき目立ち始める

やってしまった…

「俺はセブンスの個体を追う俺の知り合いが連れ去られたからだ。んで騎士団を動かそうしたらクビだ!金ならある仲間が必要だいい奴はいないか!」

「おい、こんな時間に店で騒いでんじゃねえぞ…」

店の奥からフォーグにも匹敵するであろう大男が現れた。

「騒ぎを起こしたのはおれじゃねーー」

「あぁ!?」

大男は突然拳をシオンに振り下ろした

「あぶねぇだろ」

シオンはそれをギリギリかわすと三歩ほど後ろに下がり大男を睨みつける。

「ちったあ骨のある奴みてぇだな…で要件は何だ、仕事か?」

「マスター!こいつは元騎士でそれも隊長格だ!こんな奴…」

「黙ってろ!」


先程シオンが吹き飛ばした男が大男をマスターと呼んだ。

あれ

「あんたがギルドのマスターなのか?」

「そうだが」

「じゃ、あいつは?」

「酒場のバイトだ」

「おい、お前…バイトの癖に散々な物言いしてくれたな?」

いまだに膝をついているバイトに向かってシオンは睨みつけた

「ひっ…」

「まぁいい、俺はシオン元騎士だ、俺の仲間が竜にさらわれたそれもセブンスだ。」

「だとしたらもうその仲間は生きてねえ、帰んな」

「だがその竜は俺を殺せたのに見逃した。そしてさらわれた仲間について国は何かを隠そうとしてた、俺はそれについても知りたい」

「ほう…あのいけ好かねえ王国様がなそれには俺も興味がある」

「じゃあ傭兵を紹介してもらえるか!出来れば騎士の隊長格に匹敵するやつが欲しい」

「それはできねえ」

「何故」

「俺が付いて行くからだ、おまえらぁ俺の留守を頼むぞ」

きっと彼は仲間を心底信頼しているのだろう、その仲間たちも誰一人として異論を申し立てることも無かった。
だがしかし

「おいおいちょっと待てよマスターがここを空けていいのかよ」

「おめえだって仲間をほったらかしてこんなとこまで降りてきたんだろ?俺は仲間を置いていくんじゃねえ任せたんだ文句ねえだろ」

「ま、まぁ…」

ギルドのくせにえらく正論を言うなとシオンは思った

「それで、あんたはどれくらい強いんだよ」

「昔フォーグと喧嘩した事がある決着はつかなかったがな」

採用だ…

ドッ…

「おっと、失礼!!!」

突然緑の髪の少女にぶつかられてしまった

「あいつは…!!」

マスターが声を荒げるとシオンは気づく

「あっ、金がない…あいつ!」

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