ナイツオブソードオンライン

双葉エレン

第63話 エピローグ

あの出来事から1ヶ月後ーー


街並みは、以前の姿に近い形に戻りつつある。以前使っていたギアは...データは全て消えていた、以前のアカウントをファクトリーオンラインにコンバートしなかった理由は...過去の自分の勇士は必要が無いっと思っていた


それが、不意な形で起動で死にかけた結果、準管理権限が起動して暴走。
特異点っと呼ばれた異なる世界から来たアンドロイド、この機械人に蝕まれたアカウントはさららなる飛躍して圧倒的な力になり落ちり、すべてを拒み蹴散らした。


黒い戦士、そう呼ぶ...
実際は、狂戦士名に相応しい
いろんな呼び名が付いていたが、結局は『黒い戦士』が正しい名だろう


あの時、知らない少女の呼び掛け
それが無ければ、倒せなかっただろう
その意味は、あの戦闘直前まで遡る


電子バルスは、所有者のオンライゲームアカウントのアバターが装備してる武器が変換されてその姿を現す
俺の場合、ファクトリーオンライン...
通称呼び名がFOの世界で装備している片手直剣の《ブラック・ソード》が電子バルス変換されてその姿を表した
ARのアフターライフオンライン、通称呼び名がARO。そこの武器は拡張棒起動で武器が姿を現す。だから、電子バルスは反応を示さなかった...因みに武器の名前は《シュダー・ライブソード》で黒くまっすぐ尖ったごく普通の剣だった。


だが、俺はある事を不審に思った
ナイツ・オブ・オンラインーー
通称呼び名がNOS...の武器が変換されない事に不思議と変だと思っていた。


あの世界で生き抜けた...
絶望も、仲間の死を、全てを守れない不甲斐さ...
その闇を断ち切り希望の星刻の剣と全てを白く無に返す《無白剣》
この二刀が電子バルスでは姿を表さない。確かに仮装世界で、閉鎖されたデータだから出てくるはずが無い...


俺は歯が痒くなるほど...ブラック・ソードを瓦礫のコンクリに振り落とした。


綺麗に真っ二つに切り分かれた
その断片を、眺めるに留まる
無にした顔が、引き締まり...何も感じない気だるい体制になる
矛盾を感じさせるが、疲れているせいで尚更っと言っとこうーー。


ブゥンっと音がなり、目の前に現れた少女...。目がクリっとしていて、夏を感じさせる白いワンピースと麦わら帽子を被っており...空中をふわふわと少し軽く浮いていた


『また会ったな...お前は誰だ?』
『...電子バルスの使い方はそれだけじゃない』
『こっちの話をスルーですか...。まぁいいや、別な使い方あんのかよ?』
『願いと気持ちを込めて《記憶》を引き起こして...』
『武器に...《記憶》を引き起こす...?』
『できるよ...君ならーー』


そんな言葉を置いて俺の目の前からその姿を消した。
いったい誰だろうか?そんな疑問を抱きながらも、握りしめた電子バルスを眺めつつ、ある記憶を思い返して握っている右手に込めてみた。


すると、どうだろうか...一瞬にして剣から短剣に切り替わったのだ。
黒く透き通った様な短剣は、かつてアリスが使っていた武器だ


《記憶》を引き起こす...いや、《記憶》を具現化に近いな。


だが、一分も立たない内に、記憶を具現化させた電子バルスの刃はその姿を消した。


あくまでも記憶を電子バルスに読み込ませるように伝達するだけ、その記憶を脳内に無ければ電子バルスはすぐにその武器の形を失くす。
つまり、違う思想が出てしまうと記憶にあるイメージが消えて電子バルスに直接伝達が出来なくなるっと言う事になる。


今俺は、違うことを考えた...


それを示すかのように、真っ黒な形をした柄もない矛先が電子バルスに姿を現した。
これは、明らかに黒い戦士が作り上げた剣の一つで、まさかここまで完璧に再現するとは思っても見なかった事だ


至近距離で見ていたせいか...焼き付いてしまった...。
でも、これが出来るなら...自分の武器ぐらい《記憶》から出来るはずだな


記憶を探るように、目を瞑り自身の装備していた形や服装...武器などをイメージして、瞼を開けた。
すると、淡い光を放つ自身の全身...
そして、見覚えのある服の格好と両肩に剣の柄が生えるようにその姿を現した。


ナイツ・オブ・ソードオンライン
俺はあの壮大なフィールドに囚われ
空を突き抜けるように聳え立つ、次への階層に通じる石版のテレポート柱を何度乗った事やら...。
色んな人と出会い、別れて、目の前で何人も犠牲者を目の当たりにして、強くなる事に執着していたグランド・タワー世界で地上から離れていることすら感じさせなかった。
唯一、心残りがあるとすれば...全階層攻略ができなかった事、もしくは...殺人を犯した奴らを全て監獄送りにできなかった事だ。
攻略で死と隣り合わせで、街やフィールドに出れば殺人...キルユーザーに狙われ死と隣り合わせ、ダブルで生死の危機に直面する事態がその世界では当たり前だった。


俺からにすれば、深い世界で悪い話ばかりでも無くいい話もある。
だから、あの世界は...もう一つの故郷みたいな物なんだ。


二刀の剣を抜き取り、荒れた戦地を眺めつつ...思う


俺が止められるのは、俺しかない


自分の過去のアバターに今の自分しか止められないと決意した瞬間だった
そして、雷速のような速さで荒れた戦地を走り出した。


だが、荒れた戦地を約150m走りある廃棄工場跡地に辿り着く直前に...淡い光を纏う全身がいきなり消えてしまい。勢いよく戦地を顔から滑りながら転がりコンクリの壁に頭をゴンっと鈍い音を鳴らしてぶつかる。
痛さを痛感しながら、コンクリの壁に肘を打つが、これもまた痛さが痛感した。


何で途切れんだよ!?っと握りしめた黒い棒型をした電子バルスを睨みつけた。


その直接、何か目に光を捉えて空を見上げる。黒い光を放つ光線が空中に向かって一直線に何かに向かって飛ばされた。


白衣が無残に空をゆらゆらと揺らぎながら地表に落ちる。
その白衣は、戦場でも消して汚れてない白い白衣...坂田の着ていたものだと判断した、当然唐突な知らせのようなものなので唖然としつつその白衣を眺めた。



くそっ...!坂田やられたのか...!


打った後頭部を撫でつつ、限界に近い体をゆっくりと起こして廃棄工事跡地の中に侵入した直後に透が腹部を貫かれる部分を見ていた。


そっからは、筋書き通りの...戦いになって終わった。


夏は終わり、葉が色づき始める
緑色の世界は、少しずつ秋の色に染め始めいた。


長い、長い戦いだった...夏休みなんて無関係だった位、ひと夏は荒れて終わって過ぎ去ろうとしていた。


『空斗くん』
『ん?』
『課題終わった?』
『あ...』


梨紗とこの日は、街並みに並ぶ喫茶店に立ち寄っていた。
理由は、デートと言う建前な部分もあるが...もう一つーーー。
木製のテーブルに積み重なるように積まれた数々の本やノート、見るだけでもやる気を失くすレベル。
そう、もう一つの意味合いは『夏の課題』と言う勉強が全く手をつけずに夏休みが終わってしまい...先生にこぴとく注意を受けて今の現状はご覧のどおりである。


学校も悲惨な状態で、何割か死んで、何割か入院で、夏休み明けの学校に登校したのは...空斗と梨紗を含めてたった5人と言う人数。
スカスカな教室と、スカスカな座席
と座る5人に先生は絶句したらしい
だから、5人には夏の課題を終わらせながら学校に通うと言う惨めな通学を余儀なくされた。


で、俺は...全然分からねぇ問題に白目を向いて瀕死する蝉のようにぴくぴくとするのがせいっぱいである。


『なに死にかけた、セミを演じてるのよ...?』
『お、俺は...勉強を拒みたい』
『駄目よ、とりあえずやらないと...あの先生がねぇ...』
『三河先生かぁ...確かに殺されかねないなぁ...』


普段の日常を取り戻しつつある
だが、一方で...ファクトリーオンラインの世界ではちょっと変わった出来事が起きていた。


それは、まさかの発展率が飛躍的になっていた...
街並みは、以前のとは違うちゃんとした街並みとなり...古びた感の面影すら感じさせない見事な作りだった


四つの街と6種の種族がこの世界を維持している。
だから、居なかった1ヶ月で変わり果てるってことは良くある...


『変わりすぎて逆に落ち着かないな...』
『まぁ確かにそうよね...』
『んでも、またこうしてログイン出来たことに感謝かな』
『まーた、引きずったるんだ?』
『まぁな...』


高い山から街並みを眺めるレクトとアリス。ひと安心したような緩い笑顔があの苦痛を感じさせない


いまは、この世界で頑張りますか...

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