ナイツオブソードオンライン

双葉エレン

第40話ゲームクリア

レクトは二本の剣を構えながら
走り出すーーー


『痛いじゃないか!?僕に楯突くなんて、百年早いんだぞクソプレイヤー!!』っと叫ぶと、火焔が刀を光らせて『お前がクソプレイヤーだろ、その名はアスロックっと書いているが...実際は国枝稔が初期名前として使われていた名前だ。今すぐ消せ...胸糞悪いヘボが付けていいなじゃねぇんだよ...国枝透!』っとこちらも怒りを顕にした声で言い張る


『な、なにぃ!?貴様ァ...名指しとはなかなかいい度胸じゃないか!!』っと指を鳴らした瞬間


黒い姿で、とてつもなくでかい龍型モンスターが姿を表した
雄叫びを上げ、一同耳を塞ぐ


そのドラゴンの背中にのる国枝透は『これがNPCを消した本当の理由さ!さぁ、ゴミクズ共を焼き払んだ!!』


指示通りに、動き出す黒いドラゴンは迫り来るレクトにプレスを吐き捨て火に包み込まれた


だが、レクトは二本の剣の柄を合わせて回転させて薙ぎ払う
火は消し飛ばされ、ドラゴンに向かう道筋が出来上がる


目を鋭く光らせて、瞬く間に攻めより振り落とされる爪の攻撃を二本の剣で受け止めた


それに合わせて、火焔が走り高く飛び上がり兜割りの一撃を入れ
『スイッチ』っと言ってアリスが二短刀で、光速の様に連撃を入れ『スイッチ』っとアリスも言い放つとエイトが放つ矢より先回りしてアリサは短剣で連撃を入れて横に避けた瞬時にドラゴンの顔に数発爆発する矢を放った


怯んだドラゴンは地面に下ろした爪から
腕に掛けてレクトは、走り飛び上がり国枝透に目掛けて左右から強い一閃が放たれ吹き飛ばされる


吹き飛ばされてる最中で『くっ!?』っと言いながら何かをコマンド入力する国枝透


壁にぶつかり、引きずるように滑り落ちる
破壊不可能オブジェクトは、解除しない限りHPバーが減らないのだ
ドラゴンは、光を放ちながら消えた...残るは国枝透ただ一人と一同誰もが思い描いたーー


『ふ、ふふふ...あははははーー!!』っと不気味な笑いをあげる国枝透


その声に、レクトはなにかを察した...それは以前もこの笑いから始まりエクストラスキルが消えてしまったのだ
それどころが、記憶を何時間かぐらい失ってしまった
つまりこの笑いには、危機感を抱かないっと言うわけには行かないわけなのだ


国枝透は、狂顔を浮かべながら
『さぁ、甦った...禁忌なスキル...これで、これで、僕が、僕が...世界最強の神となるんだ...』っと言い吐きながら人差し指をぐいっとあげた瞬間ーーー



アリスは一度目にしていたレクトの本当のエクストラスキルーー


『多流剣だっけかな?』っと深々とした笑みを浮かべながら言う


多流剣は、複数の剣が囲む様に回転しながら攻撃が出来るスキル
最大6本は持つことができ、遠距離、至近距離は勿論、威力高く破滅力がずば抜けている
たが、これを扱うにはかなりの精神力と反射神経が問われる


それを、いとも簡単に呼び覚ましシステム的に使う...レクト自身は皮肉に思う所でもある


『さぁ、楽しい、楽しい戦闘を始めようじゃないか!』っと言いながら複数の剣はレクト達を襲う


あたりの外壁は切り崩され、無数の剣は花びらのように散り消し去る


攻撃範囲が広ければリーチ幅も広い、つまり攻め込むことは不可能だ
『くそ!あんなのに...どうやって勝てと言うんだ!?』っと走りながら火焔は嘆き吐く
アリスは『間合いが無いとは以前から知っていたけど...これ程とはね...』っと言いながらレクトを咬み殺すような視線を送り付ける
レクト『なんでそんな眼差しするんだ!?アリス様やめて...』っと言いながら飛んでくる剣を弾き飛ばす


一時的に離れ離れとなり、レクトがいる同じ場所に集まるメンバー達、人気が無い路地裏に見を潜めた


『まず謝らせてくれ...マジすんませんでした』っとレクトは謝罪を口にする
『いや、あれはシステム的な話だからよ...別に気にすることはねぇよ』
『そうよ、あんたが悪いと思うのがわかるけど...人のアカウントデーター奪い使うってのはユーザーに対して裏切り行為よ』
『全ては国枝透が悪いのですよ、気に病む必要がないのです』
『それでレクト、アレをどうやって攻略するの?』
『一つだけある、飛んでる武器を破壊するんだ。実はあのスキルは一本でも欠けると...使えなくなるんだ』
『なんだぁ?その理不尽な部分はよ』
『神経を使うから、一つでも抜け落ちるとバランスを崩すって所かしら?』
『さすがエイトさん、その通りだ。一つ欠けると速度や速さとか若干違ってくる...そこを突くしかない』


全員が頷き、その作戦にすることに決めた
体力回復を兼ねて、回復薬や休息を取り始める
作戦決行は午前6時、それまで各地休む事にした。


街は朝日が差し込み、冬空の下寒さで目を覚ますアリサ。
だが、妙な静けさも感じた
どうやら都民は...逃げ出したようだ。
不気味なぐらい静けさを感じる都内は、彼女自身初めてだ
そしてヘリが空をバタバタと飛び回るーー


どうやらまだスカイツリーに居るようだ、っと思った瞬間ヘリが空中爆発する
レクトは、その音に目を覚まし
空を見上げる、破壊したヘリは民家へと突っ込んだ


現実なものを破壊できるって事は...実物武器か...俺達じゃ不可能かもな...っと半分思い、半分はいや、アリサが居るんだ...出来るかもなっと思う最中、空中ではミサイルを標的に下ろしその周辺を爆発させる
だが、機内の中心分が貫かれ爆発する
戦車が街家を破壊しながら、突き進み弾を放つが、真っ二つに切り裂かれ辺りにある戦車が次々に破壊されてゆくーー



まるで地獄絵図だ、ものの3時間で辺りは火の海と化した
幸い、こちら側に被害がない
陽炎が揺らいた先にはただ一人国枝透の姿だけうつる


そんな時、1通の着信が表示されレクトはウィンドウを開き文を確認した
『この度は、大変申し訳ありませんでした。我々は、原因を突き止め国枝透が所持するアカウントに対抗する特殊なアカウントを現在戦う勇姿に差し上げます、ぜひ使って...倒してください。各運営事務局。』っと書かれた文字の下にURLが表示されていた
レクトはシングルタッチした瞬間、来ている服装が光を放ち
赤黒い服に黒いラインが入ってる服装になり、中には赤いシャツと黒いズボンに赤黒いブーツに姿を変えた


アリサも、水色青いカラーの服装に変わっていた


『これは...』
『やるしかないのでしょうね』


眠ってる3人を起こし、その事を伝えた
やはり全員同じくフォールムチェンジした
ただ火焔だけ変わらずに...
理不尽を感じたのかレクトに『俺様にはなんもないのか!?』っと叫んだ
『お、俺に言われてもなぁ...』っと苦笑いするが『おめェばっかずりぃだろ!いくらモブ顔で目立たないからって...あんまりだろ!』っと血眼でそう叫んだ


女性陣3名はやれやれな眼差しで火焔を眺めながら国枝透がいる場所に目を向けた


『勝てないほど無理ゲーはないが、それに挑み足掻くのも楽しいものだな』
『瞬殺もクソゲーだもんなぁ。やっぱりちと骨がある奴が...ゲーマーの醍醐味だな』
『名言とかね...恥ずかしくない?』
『死ぬほど恥ずかしいに決まってらっしゃる...エイトさん』


てな感じて会話が続き、国枝透がいる場所に行き、再びその場所を踏みしめる
退屈そうな顔で『なんだ?逃げた貧弱が再び僕の前に現れる。中々な足掻きだ、悪くないが僕は甘くない再び鉄隋をくだしてやろうかぁ?』っと言いながら手を翳すと物凄い速度でレクトに飛ばされた


レクトは、動じることなく白銀の剣を抜き取り疾走する
『馬鹿めか、心中する気か?!』
飛び交う剣を一つ一つ打ち下ろして破壊する
『なっ...!?』っと驚愕しつつ言葉を吐く国枝透
その後に続くように、4人が走り出して、国枝透の破壊不可オブジェクトの殻を打ち壊す


パリィンっと効果音を奏でながら
国枝透は、慌てながら自身の剣を手に取り振り回した


だが、アリス達の体に触れたかスカッとして体をすり抜ける刃に国枝透は驚愕する


『馬鹿な...!?そんな、そんな事は...絶対にないっっ!』
『『絶対ない』が、生みだした...それがMRアバターだ』っと言いながらレクトは国枝透の腹部に目掛けて剣を振り下ろし連撃を次々に放つーーー


無制限のHPバーがみるみる削れていきレクトは『うぉぉぉぁぁぁぁぁ一ーー!!』っと吐きながら国枝透にトドメの一撃を放ち、地面を転がり壁に強く激突した。国枝透のアバターは解除されぐったりとした顔で『嘘だ...こんな虫けら共に、僕が...負けた...だと?』っと下を俯き小声でいう


レクトは剣を国枝透に強く振ってピタリっと止める
『システムに頼りすぎた結果だ。俺達はシステムごときに屈しない、何故なら『仲間』っという硬い絆がある限り俺はお前に負けるはずがない!』


くっくっく...と笑い出しながら独特的な喋り口調で『仲間ァだ?面白いこと言うなぁ?なら君たちならこれを倒せるとでも言うのか?』っと国枝透は意味ありげに言い放つ。


すると、地面から湧いて出てくるように暗黒姿の人がゾロゾロと現れ始める
『レクト...君は以前こいつに挑み...勝ったようだが。こいつらはなぁ...ウイルス型NPCだ、感性したそこの二人ならわかると思うがァ...意思を失う。つまり永遠俺の配下で指示をすれば目的を果たすまでやり続ける...こんな、こんな楽しいショーは見ものだなぁ?』
俯いた顔を上げ深々と笑をニタリとこぼす


だが、動じないレクトに『喚かないのか?』っと半々な顔に『言っただろ、俺達は断じて負けないって』っと言い放つ


そして全員戦闘態勢とった瞬間


『聞こえるかね?』っとレクトの耳元でそう聞こえた
どっかで聞き覚えがある声だ
そして、レクトは反応を示した


すると『私が投げたした、ホロNPCにウイルスを送り込んで強制的に動かしてる。下手に攻撃すれば君らの命も危ない』っと攻撃をしないように促された


それを聞いて『ちょっと待て』っと攻撃態勢のアリス達に声掛けた
レクトの方を振り向き『どうしたの?』っとアリスが言う


事情を説明すると、納得したような表情を浮かべる最中で『君なら私の力を貸そう、システムコマンドを言うから入力してみたまえ』っと言われ画面に表示されたコードをホロキーボードで打ち始める


迫り来る暗黒のNPCに、アリスたちが戸惑う表情を顕にする
キチガイの様に甲高い笑いをあげる国枝透をよそに『レクト...?』っとアリスはレクトの顔を見つめた
すると突然目を開き『システムコマンド管理者IDアストロック起動!』っとレクトが叫んだ瞬間、身の桁ぐらいの帯刀と白銀に光る全身の鎧に身を包んだ、瞬時にアナウンスが告げる


《管理者が移行しました、高アカウントログインにより、管理者アスロックは権限を無くします》


空を見上げて国枝透は驚愕したまま『なんだと...?』っと口からこぼした
暗黒NPCは動きを辞め、指示待ち状況に変わる
アリス、火焔はレクトの姿に唖然として眺めていた
エイトは『なに、こんな重そうな鎧で...よく動けるわね』っと言い『でも、何でしょう...この禍々しい異様感...』っと言った


午後5時を知らせるチャイムがなる、国枝透は『クソが...クソがァァァァーー!!』っと叫びレクトに振り下ろす刃は、帯刀した鞘に受け止められ弾かれる


『僕が...こんな、あっさりと...』っと国枝透はそう言い放つ
『犠牲者が増えれば、俺は負けるはずがない。国枝透、お前は父親を越えようとして起こしたこの騒動。分からなくもない、お前がなぜこうしてまでやりたかったのかをな。だが、欠点的におまえは間違えた...関係ないユーザーを巻き込み現実世界も巻き込んだ。自分の否定を認めずに、過去を受け入れずに突き進み...人を憎しみ殺した。それが国枝稔と違いだ』っと重く冷たい言葉でレクトは言い放つ


歯をギリッと擦らせながら『く、国枝...稔?』っと小声でいいそして甲高い声で『そうか...貴様、そのID...親父のか!?なんで、なんで、僕の邪魔をするんだ!!あの人はそうだ、人を楽しませるとか言って全然違うのを作り批判を浴びて自殺した、逃げたにしか過ぎない存在がなぜ?なぜ僕の邪魔をするんだ!?』っと叫ぶ様に言い放つ


レクトは『稔は人々を救う最新技術に携わっていた、VRで新しい医療技術を作ろうとしていた。だが、そんな最中に、透...お前が違うものを作り上げたんだ。逃げたんじゃない、お前が父親を殺したんだ』っと凛々しい顔で言い放つ


レクトを強く睨みつけて『こ、このクソガキがァァァァ!』っと吐き捨てて再び振り下ろす刃、レクトは帯刀から刃を抜き取り、両手で手に持ち手早い一閃を放った


受けた一撃は国枝透はゆっくりと膝をついて地面に倒れ込んだ


レクトは後ろを振り向き『自分の過去を認めないような奴には俺は負けない』っと言いながら鞘に大剣を収める


そして空から聞こえる機械的アナウンスーー


《1月31日午後5時、管理者が移行とボス撃破にてMRオールスターオンラインはクリアと見なされ全プレイヤーの皆様はこれより順次にログアウトしていきますーー尚、ナイツオブソードオンラインやブラックオブオンライン、ARのユーザーの皆様も順次ログアウトしていきますーーー》


っと降ってくる音声に、歓喜の声が上がるーー


『おっしゃーー!!ようやく終わったぜ!!』
『流石に無理ゲーだと思ったけど...楽しかったわ』
『レクトさん、なんでそんな隠しを持っていたんですか!』
『確かに、おめェはいつもなんかすげぇの隠すよな?』
『まぁまぁ、一番の英雄くんは今は休ませてあげましょ』
『アリスってさ、たまに思うんだけど...レクトの何なのよ?』
『えっ!?』
『なんか怪しいですよ...エイトさん聞いちゃいますか?』
『ちょ、ちょっと!?何でそうなるのかなぁ!?』
『ほらほら、アリスちゃんが困ってるだろ...辞めなよ』
『非モテ親父は黙って、恋バナは女子大好きなんだからさ』
『そうですよ!』
『いたい、非常に痛い部分つついてくるなぁ!?』ってな感じで他愛もない会話が続いていた最中でレクトは壊滅状態の街を見ながら壊れた戦車に座っていた


『なぁ、なんで助けた?』っと巣では見えない国枝稔が現れて問い尋ねた
『愚問だな、私がいつ助けたって言うのだね英雄くん』
『そうかぁ?アカウントID教えたくせによ...。ともあれ、ゲームなしの世界かぁ...想像しなくないな』っと少し寂しそうにレクトは言った
国枝透は『消えないさ、その為にも私がこれを作り上げた』っと何やら光を放つコアのような物体が眼前に現れ『この世界が嫌じゃなければもう一度遊ぶチャンスを君にたくそう』っと言いながら後ろを振り向きどこかに向かって歩き出したが『そうでもなかったぜ、また最後までクリアしてないんだ...だから俺は遊ぶ』
微かに笑いながら、どこかへと消えていった稔の後ろ姿を目で追う


するとアリスが手を振りながら駆け寄って来て『皆がオフ会したいんだって、だからレクトも来てよ』っと笑いながらいう
戦車から飛び落ちて、アリスの顔を見ながら『名前...教えてくれないか?』っと尋ねたらなんの戸惑いもなく『私の名前は...赤坂梨紗って言うんだ。レクトは?』っと聞かれたから当然『俺名前は零宮空人...。』っと答えアリスは『空人くん、行こうか』っと言われて手を掴まれ引っ張られていくーー


そんなタイミングに雪がちらつき降り始める
そんな世界で、俺達の冒険は幕を閉じた
けして、笑い話じゃないデスゲームを攻略してクリアした
これを誇らずには居られない


楽しかった世界、クソゲーしか感じなかったストーリーは...次へと受け回していくんだろうーーー

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