俺は5人の勇者の産みの親!!

王一歩

第48話 トリガー

 
 ズプズプ。

「ひやぁぁ!」

 カノンは俺の指を中で感じると、ビクンと胸を揺する。
 肉塊の揺れる姿はまさに絶景。
 二つの山脈が俺と言う大地の上に聳え立ち、地震を起こすとそれに呼応するようにパンパンと打ち鳴った。

「うっ……!! きついっ!」

 カノンの滑らかで綺麗な腹に筋肉が浮かび上がる。
 それが浮かび上がる度に、俺の指を中に引き込むように肉のヒダヒダが動くのだ。

 暖かい。

 そして柔らかい。

 そのカノンの秘密箱に指を詰めてから数十秒後、俺は彼女の内側をかき混ぜるように手首に力を入れる。

「あっ、リュート! そこ、そこ良い!」

 カノンは両手で口元を押さえながら涙を流す。
 その雨粒が俺の右腕にポツリと落ちると、さらに指の掻き出しを早くする。
 カノンはビリビリと痙攣するのがわかる。
 彼女のお肉がキュッと指を締める。
 その感触はなんに例えたら良いのかわからないが、ただ一つ言えることがあった。

 卑猥だ。

「あっ、そこそこ! あぁ、あぁ!!」

 カノンは輪唱の様な美しい鳴き声で囀る。
 彼女が俺を締め上げる度に『気持ちいいよ、気持ちいいよ』って切ない声が聞こえてくる。

 カノンは俺のことをどう思っているのだろうか?
 やっぱり、セフレとか思っているのだろうか?

 俺は、彼女の本当の気持ちがわからない。
 いつも一緒にいるくせに、俺から彼女のそばに寄ると一歩距離を置かれる。
 その距離感が俺は1番苦痛だった。

 こんなに好きな女の子が目の前で全裸で、俺の中指を咥えてる。
 俺は、どうしたらいいんだ?

 カノン、俺はお前が好きなんだ。
 でも、お前はどうなんだ?
 もう、感情のリンクは掻き消されて、心の声は聞こえも聞かれもしない。

 寂しよカノン。
 切ないよカノン。

 俺はこんなにもカノンが好きなのに、こんなにもお前を抱きたいのに、どうしてこんなに悲しい気持ちになるんだ?

「はぁっ、はぁぁ!」

 カノンは俺の右腕に左手を添えるとギュッと握る。
 血潮に伝わる彼女の熱と鼓動。
 それから俺はすぐに分かった。
 そろそろ絶頂なのだ。

 俺はさらに指の速度を上げていく。

 ピュチュピュチュ。

 カノンの潤滑液は充分に中を湿らせた。
 それが中指に纏わりつくとさらに奥の奥までヌプリと入っていく。
 すると、丸い小さな口の様なところと出会う。

「はあっん、そこだめぇ!」

 カノンは舌を出して上を向く。
 俺はそれがたまらなく愛おしく思えて、さらにその硬い円を撫で上げる。
 同時にカノンの中身を押し上げて腹をポッコリとさせる。
 そうすることにより、彼女はさらなる高ぶりを見せた。
 どうやらこのあたりが彼女が1番感じるスポットの様だ。

 俺はそれがわかると集中攻撃を繰り返す。
 カノンはそれに呼応する様に囀る。

「やばいっ! リュート! ダメッダメッ!」

 カノンは俺の腕を強く握って引き剥がそうとする。
 俺はそれでも中の口を押し上げて、カノンが顔を赤くするのを見る。

「あっ! いっ……いっ!」

 カノンは俺の方を向くと、にっこりと笑う。
 汗を流しながら、涙を流しながらのクシャッとした笑顔。

 俺はその笑顔を見て確信したのだ。

 どうしようもないほどカノンが欲しい。
 どうしようもないほどカノンを抱きたい。
 どうしようもないほどカノンとキスしたい。





 俺はカノンが好きだ。





 そして、カノンの花びらがキュキュっと俺の中指を強く締める!

「ひやぁぁぁぁっ!」

 カノンは天井を見上げると、ビリビリと震える。
 中指にカノンの肉を感じる。
 俺を飲み込もうと中のヒダが滞留する。
 その作用は、まるで男の人を迎い入れるための生命の働きの様だった。
 一滴も男を零さないための作用、吸い付きだ。

 そして、カノンは俺の方に倒れこむ。

 俺の顔の真横にカノンがいる。
 カノンはふふっと笑うと俺の唇を指の腹でなぞる。

「ねぇ、キスしたい」

 カノンは俺の頰を持つと、そっと舌で唇を舐める。
 彼女の唾液が俺の唇に付着すると、糸を弾く。

「……今更だよ、キスするとか。いくらでもしてやるから貸せよ?」

「うん」

 カノンは目をそっと瞑ると、俺は彼女の唇の中に舌を侵入させた。
 口内をゆっくりとかき混ぜると、カノンもそれを向かい入れる様に優しく俺の舌を舐めた。

 ぷちゅぷちゅ、ちゅぷ。

 カノンの舌を唇で吸い上げる度に、俺の中指をキュンと締め付ける。
 俺は何となく薬指も入れてみる。

 やはり、処女ではなかった。
 ヌルヌルとスムーズに入って行くので、何だかショックだった。

 そして、俺はカノンの舌を舐め上げた後に再び中指に力を込める。

 カノンはプルプルと震えると、ギュッと目を閉じた。

 じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ!

 俺はさらに素早くカノンの中身をかき混ぜる!
 カノンは俺の唇を咥えながら外に出さない声で喘ぐ。
 そして、カノンは尻を浮かせると、左右に小さく動く。

「んーぅ! んーっ!」

 カノンは俺の両頬を掴んで強く、さらに強くキスをした。
 俺は彼女の髪の毛を撫でると、ギュッと、さらにギュッと手繰り寄せた。

 彼女の生肉が緊張すると、俺の指を強く咥えて離さない。

 唾液でベタベタになった唇を俺から話すと、かなり太い糸が形成される。
 そのままカノンは俺の頰に唾液を垂らしながら叫ぶ。
 顔を赤くした彼女の淫乱な姿は、もはや発情期の人間の雌と呼ぶべきだった。

「だめ、リュート! なんか出る! 出ちゃうぅ!」

 カノンは尻を振ると、俺の腕に何度も打ち付ける。

 パンパンパンパン!

 手のひらがカノンの体液でビチョビチョになる。
 そのねっとりとしたカノンをさらにかき回して侵す。
 雌の匂いが充満するこの部屋の中に響く小さな小鳥の鳴き声が木霊すると、カノンはふたたび天井を見上げる!

「あぁっ! でるぅぅぅ!」

 カノンは身震いをすると、思い切り俺の腕に尻を叩きつけた!

 カノンは声を上げると、もう一度俺にキスをした!
 彼女が俺の肺に息を吹き込みながら、声を上げまいと舌を絡める!

 瞬間、俺と繋がれた二箇所が輝き出した!

「「?!」」

 光を帯びたカノンの体がゆっくりと空へと持ち上がっていく!

「な、なにこれ! どうなってるの?!」

 カノンの体に光の粒子が集まりだすと、裸だったカノンに光でできた服がみるみると着せられていく!

「おぉ、おお! どうしたんだよカノン?!」

 ちゅぷっとカノンの下の唇から指が抜けるとそこの部分に粒子のパンティーができた!
 輝きが俺のベチョベチョになった腕を照らし出して煌びやかに光る!

 な、何だこれ! 何だこれ!

 ふわふわと浮き上がったカノンの体は、そのうち天井にぶつかって頭を打ち付ける。

「あ痛っ!」

 ゴンと頭を打ったカノンは自分の手を頭に伸ばそうとすると、自分の体に何かが着せられていることに気づく。

「な、な、な、なによコレェ!」

 閃光が結合して白くなり、やがてふわふわとした服が出来上がる。
 カノンを包み込む光がみるみる繊維の様になって絡みつく!

 その姿は、まるで魔法少女の様だ。

「すす、すげぇカノン! お前こんなことできたのか?!」

「知らないわよ、こんなの! 生まれて初めてよ!」

 カノンはその光を纏い終えると、ゆっくりと降りて来る。

 全身を覆う真っ白な衣装。
 ふわふわとしたスカートに、セクシーなお腹を出した姿、花柄で可愛らしい胸当て。
 長くて黒い髪の毛は銀色になって綺麗に結ばれている。
 腕には鳥の翼の様な模様が描かれていて、白鳥の様な羽根が付いている。

「うわぁ、すごいわ……! 魔力が完全に回復してる……! いや、それ以上の力を感じるわ! なんなのよ、コレ!」

 カノンは小さな鏡に自分の姿を写す。
 髪の毛を触りながら自分がどんな風になったかを確認しているのだ。

 俺は、カノンの姿を眺めながら口をあんぐりと開けていた。
 さ、さっきまで俺たちエッチしてたんだよな?
 え、なんでこんな感じになってるの?
 えぇ! 本当になにがあったんだ?!

 カノンは自分のふんわりした服をなびかせながらクルクルと回る。

「ねぇ、リュート! これよ! これがあなたに隠された力なんだわ! お父様が言った通りなのね!」

 カノンは俺に急に抱きつくと、胸に頰を擦り付ける。
 俺も何となく抱きしめると、彼女はクリクリとした目で俺を見つめる。

「これが、リュートの『勇者を産み出す力』なんだわ! あんた、意外とやるじゃない!」

「そ、そんなんかな? でも別にセックスしてないのになぁ……」

「だから、セックスすればさらに強力な力が手に入るってことよ! その子供に魔力を込めて産み出せば勇者の誕生ってわけね! すごい、すごいわリュート!」

 カノンは俺をさらに強く抱きしめる。
 俺は照れながらもカノンの頭を撫でる。

「よかったな、なんかよくわからんけど」

「うん、ありがとう! リュート!」

 彼女は俺の首に手を回すとゆっくりと俺の頭を引きつける。
 そして、もう一度唇を重ねた。

 柔らかな舌を舐め取られると、カノンは首を傾けてにこりと笑った。

「口の中、あったかいね。リュート」

「お、おう。なんか照れるな」

 俺は照れ隠しをする様にぽりぽりと頰を掻く。
 こんなにカノンの美しい姿、見つめるだけで抱きしめて犯したくなっちまう。
 俺はそんなことを思いながら彼女の目を見つめる。

 顔が真っ赤になったカノンは、急にエッチな顔になる。
 そして、俺の顔を優しく撫でて囁く。

「……ねぇ、しよ?」

 カノンは俺のもっこりしたところをズボン越しに手で触れる。
 ぴくんとするが、俺はもう腰を引かなかった。

 俺もカノンの頰をそっと撫でる。
 愛しいカノン、可愛いカノン、優しいカノン。

「……妊娠するまでヤるぞ、いいんだな?」

「当たり前じゃん。今日は私たちの特別な日なんだから」

 そして、俺たちは電気を消すとベッドの上に乗った。

 大丈夫、俺はカノンを守る。
 別に忘れたわけじゃない。
 でも、俺は一度でもいいから彼女と本当の意味で一つになりたかった。

 今日は『怒りの日』。
 世界滅亡の日だ。
 俺は死ぬ前に一度だけカノンに触れて見たかった。

 最後だからこそ、あの誓いを破るのだ。
 ──俺は、カノンとはセックスをしない。
 そんなの無理だ。

 だって、俺はカノンが大好きなのだから。
 さよなら、愛しのカノン。

 この世界が滅びる前に、たっぷり俺の子を孕んで帰ってくれ。
 そしたら、この結界の中で滅びゆく世界を眺めながら満足して死ねる。

 今までありがとな、カノン。
 だから、どうか幸せになってくれ。

 つづく。

コメント

  • 王一歩

    終わっちゃうよぉ!
    びぃえええええ!
    テルちゃんですね笑

    1
  • あいす/Aisu

    このままいったら終わってしまうのでは!?
    。゜( ;⊃՞ةڼ⊂; )゜。びぇぇえええんwwww

    1
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