俺は5人の勇者の産みの親!!

王一歩

第47話 桃色の花弁


 ◆◆◆◆◆◆

 俺はカノンの家に向けて走る。

 爆発や共鳴が聞こえる中、俺は王女4人の無事を願うことしかできなかった。
 俺は無力だ。
 魔法も使えなければ、誰かを救うために手を伸ばすこともできない。

 カノン……!

「おい、リュート! もっと早く走れ! とっくに0時は過ぎてるんだぞ?!」

 サリエリは俺の胸の辺りから叫び散らす。
 彼が暴れると、なんだが心臓がムズムズして良く無い。

「あぁ、わかってる!」

 俺はさっきから息を切らしながら走ってる。
 それでも、まだ手の届く距離には程遠いのだ。
 カノンの家まで後数分だというのに、胸騒ぎが治らない。

 それは、この赤い月が原因なのか。
 はたまた地獄と化した風景が原因なのか。

 ◆◆◆◆◆◆

「な、なんじゃこりゃ!」

 カノンの住む高層マンションに辿り着くと、サリエリは大きな声で叫ぶ。

「どうした、サリエリ?!」

 俺はサリエリに尋ねる。
 ガタガタと震えだす胸は、すぐに引き返そうと俺を引っ張った。

「だめだ、俺はこれ以上行けない!」

 サリエリは何かに怯えている、その心情が俺の心の中にも映った。

「なんでだよ、サリエリ! ここがカノンの家だって!」

 彼はそれでも進もうとはしない。
 まるで駄々をこねる赤子のようだ。

「無理無理! 無理だリュート! このマンション、最高級の魔除けの結界が張ってやがる! 西の王女、かなりの心配性な女だってのがわかるほど強力な結界だ! こんな所の中に俺が入れば、一瞬で浄化されちまうよ!」

「おいおい、じゃあどうしろっていうんだよ、サリエリ!」

 俺は胸をトントンと叩くと、渋々サリエリは喋り出す。

「……。仕方ない。俺は一旦リュートの体の深層に姿を隠そう。そうしないとおそらく感知されて死んじまうからな。そのかわり、俺がいない状態ではリュートは全裸の人間のオスと一緒だ。死ぬんじゃねぇぞ?」

「……わかったよ。じゃ、また後でな」

 そういうと、サリエリの目はグリグリと胸の中に入って行き、いつもの汚い傷口に戻った。

 ……さぁ、行くか、カノンの元へ!
 どうか、魔王軍の魔力とかの影響で大変なことになってるとかはやめてくれよ……!

 ◆◆◆◆◆◆

 俺はエレベーターが動かないから階段を走って行く。
 たしか、カノンの部屋の番号は『1225』だ。

 12階まで突っ走れ!

 ダンダンダン、階段は軋みながら俺のことを歓迎してくれた。
 途中で何体かの灰の塊があったが、俺はそれを乗り越えながら走って行く。

 もう着く!
 頼むカノン、無事でいてくれ!

 そして、俺は1225番の扉を開ける。
 なぜかまだ電気の灯りがついた部屋の中を行くと、カノンの部屋から呻き声が聞こえた。

 まずい、やっぱりカノンは死にかけてる!
 どうする?! とりあえず応急処置だ!

 待ってろよカノン、今助ける!

 俺は閉ざされた扉をバタンと開ける。
 その扉を開けた先には気を失いながら痙攣するカノンがいると思っていた。

「カノン!」

 俺は扉が曲がるような勢いで部屋の中に入った。
 ピンク色の部屋に広がる光景。
 俺はまさかこんなことになるだなんて思っても見なかった。

「えっ?」

 そこにいたのは、全裸になってベッドの上で股間を弄っていたカノンがいた。
 ピチャっと音を立てて演奏が止まると、お互いに目を見つめ合う。

「えっ?」

「えっ?」

「「えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」」

 カノンは内股になると、近くにあったデジタル時計を投げつけてきた。

「なぁに人の部屋に勝手に入ってきてんのよ、バカリュート! 死ねば?! 死ねばいいのよリュート! 本当に変態! おたんこなす! 変態アホリュート!!!!」

 デジタル時計が俺の胸にクリーンヒットすると、俺はそれをキャッチした。

 時刻は18時32分と書いていた。
 結界の中にいたから時間が動いてないのか?!

「ち、違うぞカノン! お前、今外で何が起きてるか知らないんだな?! そんな呑気にオナッてるってことはそういうことなんだろ?!」

 俺はあまりの興奮に訳が分からなくなりなんとなくカノンの方に歩き出す。

「おお、オナっ?! 何言ってんの、この変態! ば、バカリュート! こっちに来るな! 変態! 変態! へんたぁぁぁい!!」

 そして、カノンは一枚の布を手に取ると俺の方に投げつけた。

 パフッ!

 それが俺の顔に当たると、俺はそれを手で掴む。

「っ! これ、俺のパンツじゃねぇか! 昨日脱いだやつ! なんでカノンの部屋にあるんだよ!」

 そう俺は尋ねると、カノンは顔を真っ赤にして手を大きく振る。

「あわあわ……ちち、違うのよリュート! 私、そんな匂い嗅いだりとかしてないから! たまたまタオルがなかったからそれを使っただけ! 本当に! うん、そういうことなの! 分かったわね、このど変態リュート!!」

 カノンは大きく手を振ることにより、隠されていたおっぱいがブルンブルンと揺れ出す。
 俺はそのピンク色の取っ手が左右に揺れるのを見ると、男として正常な機能が発動し出す。

「……なぁ、カノン……。マジで?」

 俺は少ししっとりとしたパンツの裏側を指差して透明な液体が付いてることをカノンに見せる。
 トロッとした体液は、照明に反射してぬらりと光る。
 カノンはそれを見ると、さらに顔を赤くする。

「どどど、どどどどういうことよ! わ、私のじゃないし、それ! リュートのおしっこでしょ!」

「な訳ねぇだろ、昨日の奴だっつってんだろ!」

 俺はその光る液体を眺めると、なんだかすごく嗅いでみたくなった。
 だってこれ、たぶんカノンの……あれだろ?

 俺はゆっくりと自分のパンツを鼻のところへ持って行く。

「ねぇ! ちょっ!! リュートぉぉ!」

 俺が液体の匂いを嗅ごうとすると、カノンは素っ裸のまま立ち上がり俺にガンを飛ばす。
 全てを露わにしたカノンの目には色々な覚悟が映っていた。

 薄い毛で覆われた彼女の秘境は、どこからどう見ても美しい。
 俺はそのピンク色の女の子の花弁の拡大視をするために目を全開に開く。

「返せぇぇぇ!」

 カノンは俺のパンツを一点に見つめながら、カノンは対人の技をかけようと俺に襲いかかる!

「おい、まてカノン! 格好、格好!」

「うがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 そして、カノンは少し大きめの洗面器を踏みつける。

「あっ」

 氷水が入っていた洗面器だ。
 それの端を踏みつけると、そのまま水を部屋一帯に撒き散らす!
 カノンの腹の辺りまで水しぶきが飛ぶと、あまりの冷たさに身震いをする。

「きゃあっ!」

 そして洗面器を踏みつけて1秒、洗面器はツルツルのタイルの上を滑る。

 あまりにもマンガでありがちなシチュエーションだが、それは一つだけ全く違うことがある。

 彼女は、素っ裸だということだ。

「リュートぉぉ!」

「か、カノン!」

 カノンは前方に倒れると、俺は彼女の体重に負けて後ろに仰け反る。
 その時、俺は何となく右手を下げていた。
 これが、俺の人生を大きく変えたキッカケとなった。

 ばたぁん!!

 俺とカノンは床に倒れこむ。

 水で湿った地面。
 洗面器から流れ出る水で辺りはびしょ濡れ。

「ひゃぁぁ!」

 カノンは大声をあげながら身震いをする。
 両手で口を押さえて涙目になる。
 全裸の彼女は、俺の上に馬乗りになったまま動かなくなった。

「か、か、カノン! すまねぇ!」

 俺はカノンからすぐに離れようと腰を起こそうとする。

「ひゃっぁぁ!」

 するとカノンはビクンとしながら口を激しく抑える。

 妙に指先が温かい。
 俺は見てはいけないと分かっていたカノンの茂みにちらりと目をやる。
 すると、俺の右手の指が彼女の股の下にある!
 柔らかいカノンの下の唇が俺の指の腹にキュッと吸い付いている。

 な、な、な、なんてラッキースケベ!
 でも、これはさすがにやばい!
 俺の理性が飛んじまう前に早く抜かなければ!
 俺は右腕に力を入れて引き抜こうとした!


 と、カノンの左手がそっと俺の右腕を掴んだ。


 カノンは、股をぷるぷると揺らしながら顔を真っ赤にする。
 そして、彼女は俺の右手を自分の股に擦り付けるように上下し出す。

「かか、かカノン!!!!!!」

 俺はぶくぶくと感情が込み上がって行くのが分かった。
 やばい、これは本当にまずい、理性がぶっ飛びそうだ!

 そして、カノンは唾液でねっとりした卑猥な上の唇を開く。

「……リュートぉぉ……。もうそろそろ、私……。ねぇ、ここまで来たんだから、責任は取ってもらえる……よね?」

 カノンは股をもじもじと動かしながら俺を見つめる。
 カノンの腰がゆっくりと縦に動き出すと、彼女の左手は胸の前に持っていかれる。

「はぁっ……! あぁっ!」

 俺は、もうどうしたらいいのかわからなかった。
 ただ、一つ言えることはあった。

 カノンがそう望んでいるのだ、叶えてあげられなければオトコじゃねぇ。
 彼女の歌声が響くピンク色の空間。
 氷水だったもののおかげでカノンの柔肌の滑りは最高だった。

 花弁はピンク色のチューリップのようだ。
 ピチャピチャと音を立てているのは、俺とカノンの間の水だ。
 ここまでカノンが俺を認めてくれて全てを曝け出してくれたんだ、後には引けねぇだろ?

 そして俺は、暖かくなった茂みの中の小さな唇を掻き分けた。
 生暖かくてパクパクと口を開くカノンのヒミツの中にゆっくりと中指を挿れた。
 カノンは一瞬だけだがビクンと身震いをした。

 今日はカノンが受精するには最高の日らしい。

 つづく。

コメント

  • 王一歩

    河端のんちゃさん
    いつも見ていただきありがとうございます!
    第1巻の表紙です!
    書籍化できたらこんな感じになりますよ〜

    11
  • 河端のんちや

    表紙が変わりましたねぇ(o^-')b

    1
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