学園のアイドルと同居することになりましたが・・・

seabolt

シーペイペイ

シーペイペイ…

とてつもなく美人な彼女は、親父の知り合いの中国人の孫にあたるらしい。しかも、ちゃんとした遺言状まであるときている。すると、親父の相続を管理している弁護士から連絡があった。

「間違いなく本物です」

ということで彼女は俺の婚約者だということになるんだけど、話がややこし過ぎる。しかも、どういうルートを使ったのか知らないのだが、既に青園高校への転入までできていて、明日には登校するというのだ。謎だらけのの彼女、取りあえず、開いている一室を彼女に渡すと言っても、俺の部屋しかない…俺はというとリビング横にある和室コーナーしかない。俺の家は、一階に親父の部屋があって、リビングとダイニングキッチンがある。2階は4部屋あって全て埋まっているので、必然的に俺が下の階へと移ることになった。
 ドタバタな一日になっているんだが、仕方がない。そんな時だった。紗耶香ちゃんが俺の所にやってきた。

「はい…これ」

チョコレートを渡してきた。しっかりとバレンタインと書かれてあった。あ…バレンタインだった…そんなことすら忘れていたとは、何とも忙しい…

「ありがとう…」

すると紗耶香ちゃんが

「ペイペイちゃん。どうするの?」

「うーん…」

「答えることも出来ないよね。いきなりあらわれ、婚約者ですって言われても…」

「めぐみさん!!」

ペイペイちゃんが俺たちの所にやってきて、俺が手にしているバレンタインチョコレートを見つけた。

「あ…そうだ…」

何かを思い出したかのように走っていったかと思うと直ぐに戻ってきた。

「日本の風習なんでしょ。今日に女子から男子にチョコレートを渡すのって、はい!これ」

しっかりとチョコレートまで準備していた。

「ありがとう…」

「けど、日本人て変よね、春節(旧正月)に男の子にチョコレートを渡すなんて…」

すると俺達の頭はクエスチョンマークで一杯になった。

「春節…てなに?」

「え?」

俺達の質問に驚くペイペイちゃん

「しらないの?」

「はい…」

「春節って中国では1月1日のことを意味するの大事な日なのよ」

「はい?」

不思議そうにしている俺たちを見かねたのかペイペイちゃんは

「ま…気にしないで…それと部屋ありがとう…こんなものあったけど…」

「うわああ!!」

ペイペイちゃんの手には、ヤング雑誌がちょっとHな写真がある奴を見せてきたので、慌てて取り返した。すると、ペイペイちゃんと紗耶香ちゃんがにやけた表情で

「そんなの見るんだ~」

「そんなの興味あるなら今晩でもお見せしましょうか?」

ペイペイちゃんがサクッというものだから、驚く俺達

「ペイペイちゃん…そんな大胆な」

「夫婦になるんですから…別にいいわよ」

すると紗耶香ちゃんが切れた

「だめー!!」

こうしてドタバタな事態が終わりを告げたんだけど、部屋に戻った俺、ふとさっき取り上げた本を見て見ると見たことのない本だった。

こんな本買ったっけ…

そんな時、部屋の障子がガラリと開いた。

「めぐみくん…ちょっといい?」

沙織さんが部屋に入って来て、俺がHな本を見てるのに気付いて固まって、手にしていたチョコレートを落とした。

「い˝!!」






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