学園のアイドルと同居することになりましたが・・・

seabolt

それは、沙織さんとハグをした後のこと、沙織さんは、腕を組んで悩んでいる様子だった。

「それにしても、どうしてこうなるのよ」

「訳が解らないとはこのことだよ」

「本当よ。全く……それにしても、あの写真、どこから出たのかしら?」

「ったく……あの様子だと紗耶香ちゃんは知らないみたいだし」

「紗耶香を疑うの?」

「そうじゃなくて……紗耶香ちゃんがオリジナルを持っていたわけだから」

「確かに…オリジナルは紗耶香がライムでママと私にだけ送っているのよ」

「それがどうして?拡散されたんだか?」

謎は深まるばかりだ。瀬里奈さんが拡散するとも思えないし、沙織さんは被害者、絶対に拡散するはずもない。

「沙織さん……そのライム誰かに見せた?」

「見せてないはずよ。たぶん」

「たぶんって…どういうこと」

「りーなとかと話している時に見せているかもしれないけど……」

「え?里奈さん?」

「ちょっと!!私の親友を疑うの?」

「じゃなくて…気になっただけだよ」

「そう……」

何やら沙織さんは中途半端な回答をしているんだけど

「あ!!」

急に大声を上げたのでびっくりした。

「そう言えば、思い出したんだけど、どうして、この家のトイレにナプキンがあるのよ」

「ナプキン?どうしてって?だいたいなんでナプキンがトイレにあるんだ?」

俺の質問に逆に顔を赤くした沙織さんだった。ナプキンがどうしてトイレにあるのかよくわからない。すると

「あ…知らないならいいわ。じゃ…おやすみ」

「おやすみ」

こうして沙織さんは部屋を出て行ったのだけど、ナプキンがトイレにって、大体、食卓で使うものが何でトイレにあるだ?沙織さんもよくわからないこと言う。あ…そうだ、例の写真の件だった。可能性としては、里奈さんか瀬里奈さんだ。でも、里奈さんは、拡散情報で入って来たと言っていたっけ、ん?里奈さんに聞いてみるのも手なんだけど、結構、怒ると怖いし、推理好きだから、俺の推理の穴を見つけて逆に追い込まれそうだ。もう一人は瀬里奈さんか、あの人、ほとんど家にいないもんな。こうして、夜は更けていくのであった。






一方、部屋を出た沙織は首をかしげていた。

「一体、誰のよ?あのナプキン」

話は、少し前に遡る。実は、夕食後、紗耶香から電話が入って来た。

「おねぇちゃん!!ナプキン取って来て」

「ったく…」

そう思った瞬間、以前トイレ掃除した時のことを思い出した。そうトイレの収納棚にナプキンが入っているのを思い出したのだ。

「紗耶香…後ろの収納に入ってるから」

「え?」

しばらくして、紗耶香は見つけらしい

「あった!!あった!!おねぇちゃん、ありがとう!!」

こうして、話は終わったんだけど、ふと、誰が置いていたのか不思議になった。沙織自身は、亮さんや、恵君のことがあって、恥ずかしくて置けないでいた。ましてや、紗耶香でもない。ということはママなんだろうか?そう思っていたのだった。

やはり、恵くんではない。ということは、ママか…もし恵君が用意していたらと思うと別の意味で怖いものだ。だから、ある意味で恵くんでないことに安心した沙織であった。

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