否定してみたけど

学校に行くと既に平穏が戻っていたんだけど、俺達にやらないといけないことがあった。そう結婚していないということをみんなに言わないといけない。しかし、この間は誰も信じてくれなかった。だから、友達だけでもと里奈さん亜里沙さんと佐久間と本田を呼んで、俺と沙織さんで話をしていた。しかし、話は平行線のまま、本当なら否定した後で写真の出所を聞き出す手はずだったんだけど、

「何言ってるのよ！！！義理の兄妹と言われたとしても、二人が付き合っている事実にはかわりないわよ」

里奈さんが言い返した言葉に沙織さんが詰まっていた。

「だから、俺も悪いんだけど、家族になったって言ってなかったのは」

すると俺の方をキッと睨んだ里奈さん

「それ！！絶対におかしいじゃん！！」

「え？」

きょとんとしている俺の鼻先に里奈さんの指先がビシッと決まった。

「すべての謎は解けたわ！！」

「へ？」

すると里奈さんは

「さおりん…今更、何も隠す必要ないわよ。だいたい、最初からおかしいと思ってたのよ」

「りーな……だから！！」

里奈さんの手が沙織さんの言葉を遮った。

「待って、私の推理を最後まで聞いてくれる？最初、恵君が告白した時、完全に無気力だったわよね。そして、さおりんは激怒してたよね」

そして、俺に

「無気力だったのは事実よね」

「はい。佐久間と本田の賭けに勝つために」

「違うわ！！あなた嘘をついているわ！！」

「嘘じゃない！！本田と佐久間に聞けばわかる。なぁ、佐久間、本田！！」

すると二人が証言する

「確かに俺たちがそそのかしたのは、間違いないです」

里奈さんはフンと鼻を鳴らして

「二人は騙せてもこの里奈様は騙せないわよ。だいたい、無気力で告ること自体おかしいじゃん。普通、振られると分かっていても、多少は緊張ってものをするものよ。それをあんな無気力でヘーゼンとやるなんて、ありえないわよ。ということは、この時、既に二人は何らかの関係があった」

「違う！！そんなことはない！！」

俺の全力否定に里奈さんはものすごいどすの効いた声で

「最後まで効けって言ってんだよ」

「はい……」

めっちゃ怖え～、里奈さんってこんなに怖かったっけ？

「つまり、あの告白時点で、二人は、付き合っていた。だから、恵くんとしては、断られることをさおりんにお願いをして、あの無気力な告白をした。というより、すでに告白はすんでいたから、恵くんにとっては、別にどうでもよかったのよ。だからこそ、あの無気力な告白ができた。しかし、さおりんとしては、付き合っている恵くんからそんな態度でいわれると当然面白くない。少なくとも真剣な告白をしてくれると言う期待は当然あったはず。それがあの無気力での告白をされた、さおりんはそのことが絶対に許せなったからあの激怒になったんだわ。そりゃそうよね。付き合っているのにそんな態度されたら、誰だって怒るわよ。じゃないと、これまで何十人もの男子を振ってきても何も感情がわかなかったさおりんがあんなに感情を表すはずはないわ」

完全に間違っている。彼女の推理は

「ですから！！俺たちは身内になっただけで」

「だから、その言動が怪しいのよ！！だいたい、なぜ、最初からそういわなかったのよ。なぜ、先に付き合っていると言ったのよ。」

「それはタイミングが」

「遂に本当のことを言ったわね。そうタイミングか良かったから、それは二人にとって交際しているとアピールできるチャンスだからよ。だから、あの時、何も否定することをしなかったんでしょ」

「でも、結婚なんてしていないし」

「お黙り！！あーだーこーだと本当に！！恵君、いい加減に男らしく認めなさいよ！！この情報はどう説明するのよ。すでに学校中のほとんどの生徒に拡散されてるから、それに一緒に住んでいることもばればれよ」

すると外野から

「そーだそーだ！！」

その言葉に振り返るとかなりの数の生徒たちが俺たちを囲んでいたのだった。

「俺たちは祝福しているんだから素直になれよ！！」

「そうだよ！！」

「俺たちがついている！！」

外野の歓声が強くなってきた。しかもどよめいている。このまま否定し続けることは彼らが暴徒化するかもしれない。しかも１００対１くらいの人数さだ勝ち目はなかった。すると、沙織さんが暴挙に出た。

「りーな、わかったから、本当のことをいうは？」

全ての視線が沙織さんに刺さった。

「実は私、恵くんのお父さんと結婚したの」

・・・
・・・
・・・

その場は一瞬にして沈黙に包まれた。

そして

プッ

ぎぁはははははははは！！！

おかしすぎ〜

その場は、笑いの渦に包まれた。

ぎぁははははははははは！！！

お腹がよじれる〜

すると里奈さんが

「ハハハハハ、さおりん、もっと、うー、ましな、嘘つきなさいよ！わはははははは、もう、ははははは」

この爆笑の渦で話、みんなは話が終わったとして、その場から離れて行ったのだった。

「あ、みんな」

「あ〜面白かった」

「さおりんってひょっとして天然？」

そんな言葉が残ったのだった。