妹との日常。

あいす/Aisu

55話「…優しいな」







「いや…その…悪かった。続きをどうぞ…」

といい親父はドアを閉めて出て行こうとした…が、

「いや!違うから!」

桜が親父に向かって叫ぶ。
が、願い届かず…扉を閉められさっきまで聞こえていた足音も消えた。

「あ…どうするよ、これ」

「むぅ…どうしよう…」

桜は泣きそうだ。

「ああ…泣くな泣くな…」

「だってさぁ…」

完全に声が震えている。
バレることがここまで恐怖だったのか?

「…私のせいでお兄ちゃんまで変な人扱いされちゃうから…」

「…優しいな」

桜はここまで俺のことを考えてくれていたことに優しさを感じる。
桜は絶えずに涙を流している。
それを見るに絶えなくなった俺は、桜を抱きしめる。

「……えっ?」

「落ち着くまでこのままだからな…」

「うん…!」

桜は若干嬉しそうに返事をする。
そしてそれからは桜が涙を流すことはなかった。




「お兄ちゃん?」

「どうしたの?」

「…ごめんね」

ここはなんと答えたのが良いのだろう。
間違ったことを言って桜を傷つけたくない。
なら許すことが無難だろうか。

「…いいよ」

「優しいね」

「桜も人のこと言えないぞ」

少し照れてしまう俺。
桜に優しいと言葉を伝えたが、それは凶と出る結果に…ならなきゃいいな…




◆両親視点◆(会話文のみ)

「た、ただいま」

「お帰り。遅かったね〜。なんかあったの?」

「いや…まぁなんか色々な」

「気になる」

「まぁ…結果的にまずいかも…」

「何が?話して」

「えっとなぁ…かくかくしかじかで…」

「分かるわけないじゃんシメ倒すぞ」

「ヒェ!」

「ちゃんと話して」

「それはだなぁ…」




「なるほど…そんな関係に…」

「っぽいな…親としてなんか変な気持ちだよ」

「そうだね…」

「とりあえずどっか食べに行く話はやめということで…」

「だね…」

「そして明日は彼方の誕生日だが…」

「どうする?」

「まぁ…ケーキ作っといてくれ」

「分かってる」

「ふぅ…色々あって疲れたな…眠い」

「ソファで寝れば?」

「そうする」




ワタシダヨ!アイスダヨ!
オマエダレ?ナンテコメントシナイデネ!ナイチャウカラ!
まぁおふざけはこの辺にして…
なんか…桜ちゃんが否定しちゃうという第3の選択肢ですね…クソッ!ついに桜ちゃんまで彼方に侵されたかっ!ちなみに第一の被害者は江青くんです。元はいい子でした。でも…今は…
まぁこの話はいつか!(このパターン多いな!)
明日は彼方くんの誕生日です!いぇーい!
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