腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜美少女転校生と始める学園生活〜

けん玉マスター

65話 波乱の期末テスト

勉強会も定期的に行い、万全の状態で迎えた二学期期末テスト。
クラス内、いや、学校内全てが集中した雰囲気に包まれていた。
「ふあぁ…いや〜、昨日3時間しか寝てないんだよね…。」
そんな中響くアホの子の間の抜けた欠伸。
「…ちょっと、気が抜けるからあくびしないで。」
「あ、ごめんね由希ちゃん。えへへー…眠くってつい。」
「…たく、女の子なんだから夜更かしなんて美容の敵よ?」
「そうだね…。気をつけるよ、ありがと!」
「それで?勉強の方はどうだ?」
陸がミーシェに尋ねた。
「うーん…まあまあかな!」
「そ、そうか…。」
「…まあ藤山くんもいるから大丈夫じゃない?」
「そうだな…くれぐれもテスト中に寝て白紙で提出なんてことはするなよ?」
「わ、分かってるよぉ…。」
こうして期末テストが幕を開けた。



わ、私の名前は山田ミーシェ。
今とんでもないピンチに陥っています…。

あ、ありのまま今起こったことを話すぜ…。
起きたら数学のテスト終了5分前だった。
それなのに何故かほとんど白紙の答案用紙。
な、何を言ってるかわからねーと思うが私も何が起こっているか分からなかった…


…じゃなくて!
…え?やばい…どうしよう…!
寝落ちした!
と、とにかくできるところまで解かなくちゃ!
ミーシェは急いで数学の問題を解き始めた。


そうして波乱?の期末テストは幕を閉じた。



「はぁ…終わった…もう終わりだ…。」
机に顔を突っ伏しながらブツブツと呟くミーシェ。
「ミーシェ、何かあったの?」
江ノ島が尋ねた。
「あ〜…気にすんな。この馬鹿が数学のテスト中に寝て表の半分くらいしか終わらなかったらしい。」
「え?!それ大丈夫なの?!」
「まあ簡単な問題ばっかだったからな。だが応用問題が解けてないからもちろん配点も低い。俺が計算した限りだとミーシェが解いたところ全部合ってないと赤点確定だな。」
「そんな…。ミーシェあんなに頑張ってたのに…」
「うう…ごめんね〜!菜々ちゃぁん!!」
ミーシェは江ノ島に泣きつく。
「あ、あはは…よしよーし…。」
ミーシェをあやす江ノ島。
「まあ後は祈るだけだな。」
「そうですね。まあ基礎問題ですから…基礎は1週間でミーシェさんに叩き込みました。大丈夫でしょう。」
「…そうだね。」

そして答案返却の日がやってきた。


「ユウ〜!見てみて!英語70点も取れた!」
「おお…すげえじゃん。よく頑張ったな。」
そう言ってミーシェの頭を撫でてやる優。
「えへへ…。」
ミーシェははにかみながら答案用紙で口元を隠す。
「はいはい、イチャつかないの。」
「それよりも次だな…。」
「…そうですね…数学の答案返却…。」
「うう…。」
「まあ自分を信じろ。あんだけ頑張ってきたんだから表の半分全問正解とか余裕だろ?」
「ユウ…」
「な?」
「うん…。」
そして数学の答案返却の時間がやってきた。


みんなの前に点数は見ずに答案を持ってくるミーシェ。
「ひ、開くよ…?」
「あ、ああ。」
「が、頑張って…?」

ゴク…

その場の全員が息を呑む。
「えいっ!」
みんな目を瞑り、恐る恐る目を開ける。
そこには31の文字。
「さんじゅう…いち…。」
「や、や…いや、よ、よ、よっしゃあああああああああああああああああああああああああ!!」
ミーシェは答案用紙もクシャッと握りつぶしながら両手を掲げる。
「…良かったね、ミーシェ。」
「うわぁん…ゆぎぢゃぁん…もうダメかと思ったよぉ…!」
安心して松山に泣きつく。
「…よしよし。」
「たく、良かったじゃありませんよ。」
「み、美琴ちゃん?」
「そうだな。今回は運良く赤点じゃなかったがもし赤点だったら補習だぞ?」
「そうですよ。テスト中に寝て赤点とかになったら前代未聞ですよ。」
「うっ…ご、ごめんなさい…。」
「「だいたい(君)(ミーシェさん)はいつもいつも…」」
「う、うわぁん!ごめん〜!」
そんな感じの説教を長々とくらうミーシェだった。


「ただいま〜。」
「ただいま。」
いつメンで打ち上げを終わらせ、すっかり夜の帰宅になった優とミーシェ。
「ふわぁ…ねむーい…お風呂はいって早く寝よーっと。あ、ユウ!一緒に入る〜?」
「は、入んねえよ馬鹿。」
「あ、一瞬ドキってしたでしょ〜?」
「う、うるせえ。…風呂沸かすから待ってろ。」
「ふふふ…はぁい…。」

リビングで本を読んでいた2人。
「ん?あ…風呂沸いたぞ〜ミーシェ。…ミーシェ?」
コテン…
優の方に頭を預けるミーシェ。
「すぅ…すぅ…」
規則的な寝息を立てるミーシェがいた。
「…たく…せめて風呂入ってから寝ろよ…。」
ミーシェを抱きかかえてミーシェの部屋へと運ぶ優。
「んん〜…ユウ〜…。」
「ふ…珍しくガチで勉強してたもんな…。まあ数学はあれだったけど…。お疲れ様…ミーシェ。」
「むにゃむにゃ…。」


こうして波乱?の答案返却も幕を閉じた。


…ちなみに数学の赤点は高木くんでした。

「な、なんで俺ばっかりこんな目に…!」

めでたしめでたし。





フォローorコメントよろしくお願いします!

コメント

  • ノベルバユーザー327518

    ミーシェさんおめでとうございます
    …高木、ドンマイ!

    3
  • ミラル ムカデ

    高木〜ww

    3
  • JA

    高木〜

    3
  • 白薔薇96

    ミーシェかわいい

    3
  • かつあん

    ミーシェギリギリだけどおめでとう!
    いつも不運な高木は…...ま、まあ...頑張れ....

    3
コメントをもっと見る / 書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品