腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜美少女転校生と始める学園生活〜

けん玉マスター

18話 打ち上げと初めての…

「花火…終わっちゃったね…。」
「そう…だな…。」
花火も終わり、後夜祭も終わりを迎えようとしていた。
「…」
「…も、戻るか…。」
「…うん。」
「いや〜綺麗だっ…」
優が出口に歩こうとしたところを袖をつかみ止めるミーシェ。
「ミーシェ?」
「…手…。」
ミーシェは赤くなりながら手を差し出す。
「…そ、そうだな。ほら…。」
優はミーシェの手を握る。
指と指が絡まる。
「ふふ…恋人繋ぎって…初めて。」
「俺もだよ…。」
「ふふ…戻ろ?」
「ああ。」
2人は手をつなぎながら仲良く教室に戻るのだった。


「やべ…もうみんな揃ってるな…。」
「打ち上げ行くんだよね…。」
「ああ…。」
教室のドアを開ける。
「お、やっと帰ってきたな…。」
「おかえり、二人とも。」
「…手…繋いでる。」
小宮、江ノ島、松山が反応する。
「あれ?二人とも…もしかして…。」
クラス中が反応する。
「藤山…まさか…。」
「う、うっせー!」
ミーシェは恥ずかしそうに微笑む。
「わあぁー!おめでとう!ミーシェさん!」
「まさか藤山がねぇ…。」
クラスの女子達がミーシェの元に集まる。
「えへへ…。」


「優。ようやく言ったんだな…。」
「陸…ま、まあな…。…心臓飛び出すかと思った。」
「ま、上手くいってよかったじゃないか。」
「ああ、ありがとな、色々協力してくれたり、相談乗ってくれたりして。」
「僕は別に…。」
「いや、ありがとう。お前は…やっぱり最高の親友だよ。」
「!…ふ、ふん…。」


「おめでとう、ミーシェ。」
「あ…菜々ちゃん…。」
「ふふっ…やっぱり私じゃミーシェには敵わないね。」
「菜々ちゃん…。」
「でも、後悔はしてない。ちゃんと気持ちを伝えられたしね。だから、堂々と言えるよ…。おめでとう…!ミーシェ!」
「うん…!ありがとう…菜々ちゃん…!」


「さ、皆さん!打ち上げ行きましょうか。」
花園が切り出した。
「あ、そうだね!」
「いや〜、文化祭も無事終わったし、藤山達もようやく付き合い始めたし、めでたいことだらけだな!」
「そうだね〜。」
「ほらほらお二人さん、私たちに気にしないでイチャイチャしてもいいんだからね?」
「う、うるせぇ。」
「そうだ!今からみんなでカラオケ行かない?」
江ノ島が提案する。
「カラオケ?」
「うん!ミーシェの歌もう1回聴きたいし。」
「あ、さんせー!」
「藤山、ミーシェさんと一緒に歌えよ。」
「お、俺は…別に…。」
「お、藤山のやつ照れてるぞ。」
「う、うるせえよ!」


「優…いじられ放題だな。」
「…ふふ…そうだね。」
「松山、後夜祭の時の君の弾き語り…よ、良かったぞ?感動した。」
「…そ、そう?ありがと…。」
「ふ、ふん…。」


「見上げてごらん〜夜の星を〜♪」

「相変わらず上手いな…ミーシェは。」
「そうだな…。」
2年1組はカラオケの大きな部屋を借りて盛り上がっていた。
「君も混ざってきたらどうだ?」
「いや〜、ミーシェ上手いからな…。合わせられるか不安なんだよ。」
「君たち2人なら大丈夫さ。」
「わ、分かった…行ってくる。」
「ああ。」

「あ!ユウ!」
「お、おう…流石だな…。」
「う、うん…。」
「…ほら、藤山くん、マイク持って。」
「ユウ…一緒に歌お?」
「あ、ああ。そんなに上手くないからな?」
「お、2人で歌うのか?」
「待ってました〜!」
「き、緊張するな…。」
「ふふ…楽しも?」
「…ああ。」
この日は時間など忘れ、夜遅くまで歌い続けるのだった。


「皆さん、もう遅いので気を付けて帰ってくださいね?」
花園が皆に呼びかける。
「おう、またな。」
「バイバイ、美琴ちゃん!」
「え、ええ。さようなら。」
「おつかれ〜。」
皆それぞれ解散した。
「じゃ、俺達も帰りますか…。」
その場に残ってきたのはいつもの3人+松山だった。
「じゃ、松山。俺達こっちだから。」
「…待って、小宮くん。」
「どうした?」
「…ギター…重いんだけど。」
「…何が言いたい…?」
「…それに…夜道暗くて怖いな。」
「…分かった…送ってく。」
「…ふふふ…ありがとう。」
「そう言うわけだ、優はミーシェの事ちゃんと送ってやるんだぞ?」
「ああ、じゃあな、陸、松山。」
「…おやすみなさい、二人とも。」
「おやすみ〜!陸くん!由希ちゃん!」
陸と松山は2人とは別の方向に歩き始めた。
「…さ、帰るか。」
「うん。」
優は右手を差し出す。
「ふふふ…。」
ミーシェは嬉しそうに右手を取る。
(はあ…夢じゃないよな?これ。)
優は思わずにやけてしまった顔を隠しながら歩く。
「どうしたの?ユウ。」
「い、いや…ちょっと…信じられなくてな。」
「え?」
「これが夢だったらどうすればいいと思う?」
「何それ…?」
「と、とにかく…超…嬉しい…!」
「ふふ…私も。」
「これから…その…よろしくな。」
「うん…!よろしくね?ユウ。」


2人はミーシェの家の近くまで来た。
「ありがとう、ユウ。この辺でいいよ。」
「…そ、そうか…。」
「…何?寂しいの?」
「べ、別に!そんなことねえし!」
「そう…私は…寂しいな。」
「ミーシェ…。…明日、学校行く時迎えに行くから。」
「え?」
「こ、これからは一緒に行こうぜ?」
「…うん…!」
「お、俺だって寂しいから…その…帰ったら連絡する…。」
「うん。待ってる。」
「じゃ、じゃあな!」
「うん…。」
優は振り向き自分の家に向かう。
「…ユウ!」
「ん?…え…」
チュ…
頬に感じる柔らかい感触。
ミーシェは優の頬に唇を当てていた。
「え…ええぇぇ?!」
「ふふ…ま、また明日ね!おやすみ!」
ミーシェは走って自宅へと入っていった。


…え?



普通に間に合わねぇw
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コメント

  • かつあん

    これはそろそろ小宮さんと松山さんもくっつくか?

    2
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