腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜美少女転校生と始める学園生活〜

けん玉マスター

二学期編 プロローグ 変わり始める季節

季節は巡り、秋の風が吹き始めようとしていた。
…と思いきや…
「あーづーいー!」
「…そうだな…。」
「この暑さで学校来いとか…学校は私たちを殺したいのか?」
優の隣の席で愚痴をこぼすミーシェ。
「帰りたいよぉ…。夏休み足りないよぉ…。」
「まったく…君はさっきからそればかりだな。」
普段は廊下側の席の陸が話に入ってきた。
「おはよう、陸くん。…だってぇ…。」
「よ、おはよう。陸。」
「ああ、二人ともおはよう。…課題…なんとか終わってよかったな、ミーシェ。」
「えへへ…ありがとね。二人とも。」
「全くだ…おかげで全然寝れなかった。」
「だ、だからごめんって!」
一学期と変わらない景色。
3人も変わっていないように見えた。
「おはよう、ミーシェさん。」
「あ、天城くん…お、おはよう。」
「…藤山…お前は相変わらず目が死んでいるな。」
「…そうですか…。」
「ミーシェさん、まだ藤山とつるんでいるのか?あの施設出身なんだぞ?」
「あの施設じゃなくて陽だまり園だよ?それに陽だまり園の噂は全部嘘だから。」
「何を言っているんだ?あの施設は不良を集めた所だろう?」
「そんなことないよ。私お手伝いしに行ったもん。みんないい子だったよ?」
「何を言ってるんだ?!あそこの人間は社会不適合者の不良品を集めた所だろう?」
「違うよ。陽だまり園の人は…」
「いい、ミーシェ。」
「ユウ…」
「天城…。」
「な、なんだ?」
「…朝からうるせぇ。耳障りだからどっか行け。」
「!…なんだと!」
「結構大きめな声で言ったんだけどな…。うるせえっつってんだよ。」
クラスの生徒が二人に注目する。
「誰に言っているんだ?もしかして俺じゃないだろうな?」
「ははっ…逆にお前以外に誰がいるんだよ…?」
「…お前…」
「不良品…だったか…。あいつらを物扱いすんな。社会不適合者でもなければ不良品でも無い。ただ…親をなくしてるだけだ。」
「っ…!…でも噂は…」
「噂だろ?俺は実際にあの施設で育ったし、あいつらと顔なじみだ。部外者がとやかく言うな。」
「ふざけるな!藤山の分際で何を言ってるんだ!あんな施設の子供は不良に決まって…」
ドンッ!
「っ…!」
優の拳がロッカーを打つ。
「…手が滑った。悪ぃな。」
ロッカーは見事にへこんでいる。
「あ…へ、へこんで…く、くそ…!」
天城は自分の席に戻って行った。
「…珍しいな。君が反抗するなんて…。」
「もう周りを気遣う日々は飽きた…。俺の好きにやるさ。」
「優…そうか…。」

「嘘だろ?あれが藤山?」
「なんか雰囲気変わった?」
「なんか…ちょっといいかも…。」
「藤山の分際って…天城くんちょっと言い過ぎじゃない?」

クラス内で色々と話題になる優だった。


「おい、ちょっといいか?」
「え?俺っすか?」
休み時間、他の階からやってきた上級生が優に声をかけた。
「ああ…なあ、山田ミーシェってどの子?」
「あ、ミーシェなら…あの窓際で座ってるやつです…。」
「ふーん…サンキューな。」
上級生は帰って行った。
「なんだったんだ…?」
「…知らないのか?」
「え?」
小宮が答える。
「今結構学校内で話題になってるんだぞ?美少女転校生が2年に居るって。」
「それって…。」
「ああ、ミーシェの事だな。」
「…マジか…。」
「…いいのか?」
「…何が?」
「とぼけるな。ミーシェの事だよ。」
「…分かってる…。」
「あんまりのんびりしてると後悔するぞ?なんでもイケメンで話題の川口先輩がミーシェに言い寄ってるらしいからな。」
「!…マジかよ…!」


昼休み。
「陸、ミーシェ。飯食おうぜ?」
「ああ…。」
「あ、先食べてて?ちょっと私行かなきゃ行けないとこあって…。」
「…川口先輩か?」
「え?」
「付き合ってるのか?」
「おい…優…。」
「川口先輩?ああ〜あの人ね…。付き合ってないよ?好きでもないし。」
「好きじゃないのか?」
「うん、だって私はユ…」
「ユ?」
「な、なんでもない!とにかく川口先輩は関係ないから!ちょっと課題の丸つけが終わってなくて…終わったから出してくるの!」
「そ、そうか…分かった。先食べてる。」
ミーシェは課題のプリントを持って歩いていった。

「…優…。君は少し大胆になったな。」
「…そうか?」
「まさかいきなり聞くとは思わなかった。」
「そう…かもな…。」
「その勢いで告白したらどうだ?」
「それは無理…!」
「そ、そうか…。」
「出しに行くにしては遅いな…。」
「そうだな…。」
「ちょっと見てくるよ。」
「分かった。」



「はあ〜!危なかったぁ…。ノリで行っちゃうとこだったよ〜。」
ミーシェは女子トイレで心を落ち着かせていた。
「…あ、出しに行かなくちゃ。」
ミーシェはトイレを出て職員室に向かって歩き出した。

「あ、ミーシェちゃん。」
「え?あ…川口先輩…?」
「どこ行くの?」
「あ、ちょっと職員室に…」
「プリント?課題?」
「あ、はい…。」
「この後さ、一緒にお昼食べない?」
「あ…すいません。約束があって…。」
「約束?誰と?」
「友達とです…。」
「そんなぁ…ミーシェちゃんと食べるの楽しみにしてたのになぁ?」
「そ、それは…すいません…。」
「…その友達には俺から話すよ。」
「で、でも…」
「俺と食べたくないの?」
川口先輩はミーシェを壁の方に追い詰めた。
「えっと…そういう訳じゃ…」
川口先輩はそのまま壁に手を置こうとする。
ガシ…
「あんた…何やってんだ?」
「は?誰お前?」
「ユ、ユウ…。」
川口先輩の手を掴んだのは優だった。

「たく…いつまで待たせんだよ、ミーシェ。」
「ご、ごめん…すぐ行くから…。」
「職員室だろ?一緒に行ってやるよ。」
「おま…待てよ!」
優の肩を掴む川口先輩。
「…何か…?」
「邪魔してんじゃねえよ…。」
「何のことですか?」
「てめ…とぼけんじゃねえ。」
「ミーシェのことですか?見るからに嫌がってたんで…なにか間違ったことしましたかね?」
「な!ミーシェちゃんは嫌がってなんかないよな?」
「え?…えっと…その…」
「…嘘だろ…?っ…!てめぇ…覚えてろよ。」 
川口先輩は去っていった。

「あれが川口先輩…か。」
「うん…。ありがとね?最近しつこくって…。」
「困ったら俺や陸に言えよ?助けにはなれないかもしれないけどな。話ぐらいは聞ける。」
「うん…ありがとう…。」


やっぱり変わったなぁ…ユウ。


…かっこいい…!




お詫び。
作者です。
今日緊急のバイトが入ってしまい本編の方の案がまだ出ていません…。
なので特別編だけで…!すいません…!
その代わり明日本編を2話…いえ!3話出します!

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コメント

  • ノベルバユーザー239382

    無理せずに

    1
  • たくあん

    そんなこと言って大丈夫ですか?
    かなり、いやとても楽しみにして待ってます

    2
  • 帆楼

    天城2号かな?

    2
  • かつあん

    川口は第2のウザイやつか?

    絶対に無理はしないでくださいね?

    2
  • 春雨食男

    無理はしないでくださいね(o^^o)

    1
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