腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜美少女転校生と始める学園生活〜

けん玉マスター

32話 陽だまり園

ここは優が住む街の施設、陽だまり園。
ここには5人の行き場をなくした子供が暮らしていた。
「みんなー、集まってー。」
先生が生徒を集める。
ぞろぞろとやってくる。
「なぁに?先生。」
「明日、優お兄ちゃんが来るわよ〜?」
「本当?!」
「やったぁ!」
「それから、もう1人。お姉さんが手伝いに来てくれるって。」
「お姉…ちゃん?」
「そうよー?みんなちゃんと言うこと聞くのよ?」
「うん…!」
「はぁい!」

それを遠くから聞く2人の生徒。
「だってよ、優が来るらしいぜ。」
「はぁ…めんどくせえな…。」


「ここが…陽だまり園?」
「ああ。」
「なんか…結構自然的な?そんな感じなんだね…。」
陽だまり園は街を少し外れた林のような場所にあった。
「あれが俺の作ったツリーハウスだ。」
優は木の上にある小屋を指さす。
「へぇー!すごいよ!あんなしっかりしてるのを1人で作ったんでしょ?!」
「まあな…。さあ、入ろうぜ?」
「あ、うん!」


「いらっしゃい優!」
「先生…お久しぶりです。」
「久しぶりね!…そちらの子が…」
「あ、私、山田ミーシェって言います!日本のお父さんとロシアのお母さんとのハーフで…。」
「ミーシェさん…ね!よろしくね!私はここの園長を務めてる畑山奈美(はたやまなみ)。」
「こ、こちらこそ…!」
「じゃ、案内するわね?」
「は、はい!」

道中ミーシェが耳打ちしてくる。
「…園長先生…結構若いんだね…。40代位のおばさんかと思ってた…。」
「…奈美さんは45歳だぞ?」
「は?」
「若く見えるけどな。」
「え?…えぇ?!」
「あら?どうかした?」
「い、いえ!なんでも!」
「そう?そろそろ着くわよ?」
「は、はい!」
人の見かけは絶対信じないと決めたミーシェだった。


園長先生は部屋のドアを開ける。
「優お兄ちゃん!」
「お兄ちゃん!」
「おっと…。」
2人の女子が飛びついてきた。
どちらも外見がよく似ている。双子だ。
「お兄ちゃぁん!」
「んふふ…久しぶり〜!」
「よう…瑠美(るみ)、莉美(りみ)。元気にしてたか?」
「うん!」
「優兄さん、久しぶり!」
今度は中学生位の女生徒だ。
「よう…カナ。」
「おかえり。そっちの人は…」
「あ!私は山田ミーシェ!今日だけみんなのお世話することになりました!よろしくね!」
「…ふーん。優兄さんの…彼女?」
「馬鹿、ちげぇよ…。」
頭をぽんと叩く。
「クラスメイトだ。」
「自己紹介とかするからみんな一旦席に着いてちょうだい。」
「はーい…。」


「改めて紹介するわね?山田ミーシェさんです。優と一緒に今日はお手伝いしてくれます。みんなちゃんと言うこと聞くのよ?」
「はーい…。」
「じゃ、みんな遊んでおいで!」
「優お兄ちゃん!」
「遊ぼ遊ぼ!」
「あ、ああ。ミーシェも来いよ。」
「うん!」
「待てよ。」
2人の男子生徒が声をかけてきた。
「晶(あきら)、健人(けんと)どうした?」
「俺と勝負しろ!」
「…まだそんなことやってんのかよ…?お前らは来年はもう中三だろ?少しは変わったらどうだ?」
「うるせえ…とっとと勝負しやがれ!」
「君達…。」
「ミーシェ?」
「な、なんだよ…?」
「喧嘩は良くないよー?一緒に遊ぼ?」
「ぐ…」
ミーシェはお世辞でもなく美人だ。中二ぐらいのお年頃にはいい刺激となるだろう。
「ほら、おいで?」
「「う、うす…。」」
「ぷ…ははははっ!」
優は笑い始めた。
「て、てめぇ…何笑ってる?」
「はははは…やべぇ…腹痛てぇ…。まさかお前らがこんだけで静かになるとは…ミーシェを連れてきて正解だったな。」
「ぐ!覚えてろよ…。」


生徒達は中庭に集まっていた。
「何やりたい?」
「かくれんぼ!」
「かくれんぼかー。じゃあかくれんぼにするか。鬼は誰やる?」
「ジャンケンじゃない?」
「そうだな…。おい、お前ら。」
隅にいる男子2人に話しかける。
「お前らもやるんだよ。」
「けっ!なんで俺らがそんなガキ臭いこと…。」
「やろ?二人とも。きっと楽しいよ?」
「「うす…。」」
「ぶっ!」
「「笑ってんじゃねぇ!!」」
「ほらほら、ジャンケン!」
「そうだな…。」


「「「「「「「ジャーンケーン…」」」」」」」

「「「「「「「ポイッ!」」」」」」」



「よろしくね?カナちゃん?」
「…」
鬼になったのはミーシェとカナだった。
「じゃ、3分後な?」
「あ、うん。」

5人は走っていった。
「頑張ろうね?」
「…」
「た、楽しみだなぁ…かくれんぼ。久しぶりだからなぁ…」
「…」
「えっとー…。…カナちゃん?」
「…ミーシェさんは…優兄さんのなんなの?」
「え?」
「彼女じゃないんでしょ?」
「う、うん…。」
「だったら何?」
「私は優の友達だよ?」
「そんなの嘘。女の人が言う友達なんて…絶対信じない。そうやって私のお母さんは…」
「カナちゃん…。」
「!、なんでもない!とにかく私は信じないから!」
「あ、カナちゃん!」
カナは走っていった。


「さーて…どこに隠れるかな…。」
「お兄ちゃん…一緒に隠れよ!」
「お兄ちゃぁん。」
「馬鹿、大勢で隠れたら見つかっちまうだろ?」
「でも〜…」
「お兄ちゃんと一緒がいい〜。」
「しょうがねぇなぁ…。」
「「わぁい!」」



登場人物紹介の続きです。


小宮陸(こみやりく)

優の親友。
学年一位の頭脳の持ち主。
メガネ男子。メガネを外すと超イケメンだが、メガネを掛けているため皆気づかない。
服のセンスはない。
施設育ちで、喧嘩慣れしている優を受け入れてくれた。
仲良くなってからは優、ミーシェ、小宮の3人でいることが多い。
優のよき理解者である。
過去に絡まれているところを陽だまり園の人に助けられている。顔はよく見えなかったがとても喧嘩が強かったらしい。誰だろうね。



本編で告知しましたが新作描きます!お楽しみに!
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コメント

  • たくあん

    瑠美、莉美かぁぃぃ

    2
  • かつあん

    ミーシェに一撃でやられるアキと、ケントwそれほどミーシェが美人という事がわかりますね!

    そしてカナちゃん何か訳ありかな?

    1
  • 垂直抗力(元ラノベ大好きサムライ)

    改めて小宮様見るとすごいイケメン…内面もイケメンだし、メガネ外すと顔もイケメンとか完璧すぎ…♡ͥ ♡ͦ ♡ͮ ♡ͤ

    2
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