腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜美少女転校生と始める学園生活〜

けん玉マスター

18話 夜の星に願いを込めて

バーベキューを終えた5人は寝るための準備をしていた。
「寝袋って意外と暑いな…。」
「それはミーシェに言え。あいつが寝袋で寝たいって言い出したんだからな。」
「…今日は楽しかったな…。」
「そうだな…。でもまだ明日もある。明日は魚釣らないとご飯ないからな。」
「そうだな。頑張って釣るしかないな。」
「女子の方は寝る準備ちゃんと出来てんのかな?」
「どうだろうね…。」
「ユウ〜、入っていい?」
ミーシェがやってきた。
「どうした?」
「寝袋暑い〜。」
「おい、言い出しっぺ。」
「だって〜…寝袋で寝るの憧れてたんだもーん。」
「仕方ねぇな。タオルなら持ってきたから。これで寝ろ。」
「ありがとうユウ!」
「ただし虫とか来るから気をつけろよ?」
「うん!」
ミーシェは女子のテントへと戻って行った。
「さてと僕達はそろそろ寝るか。」
「そうだな。」
二人はライトを消し、寝ることにした。
「…なあ、陸。」
「どうした?」
「なんかありがとな。」
「…どうした?」
「俺の友達になってくれて。」
「…」
「俺は施設出身で周りから煙たがられることが多かったんだ。陸とミーシェを入れて3人目だ。俺を受け入れてくれたのは。」
「3人目?あと一人は?」
「まあそいつには俺が施設出身ってことは言ってないんだけどな。中学の時だよ。よく一緒に遊んでたヤツがいるんだ。まあ引っ越しちまったけどな。」
「そうか…でも僕も感謝してる。僕はそんなに人と関わって来なかったから。君のおかげだよ。」
「まあ全部ミーシェが引き合わせてくれたんだけどな。」
「そうだな。僕は眠い。そろそろ寝るぞ?」
「ああ、おやすみ。俺は最後にトイレ行ってくるよ。」
「気をつけろよ?」
「おう。」


「おお…綺麗な星だな…。」
優は満天の星空を見上げた。
「おっと、トイレトイレ。」

優はトイレをすまし、テントに戻ることにした。
「ん?何だこの声?歌?」
テントに戻る途中どこからか歌声のようなものが聞こえてきた。

「見上〜げてごらん〜♪夜の〜星を〜♪」

懐かしい曲だな…。よく母さんが歌ってくれたっけ。てか誰だ?
「小さな…」
「…ミーシェ?」
「わあ!ユ、ユウ?」
「驚かせて悪かったな。何やってんだ?」
「えへへ…ちょっと星を見てたら歌いたくなっちゃって。隣座る?」
「ああ、お邪魔するよ。」
「綺麗だよね〜。」
「そうだな…。」
「私ね、今日みんなとキャンプにこれて本当に良かった。」
「改まってなんだよ?」
「ううん、ただ何となく。私引っ越してくる時本当に不安だったんだ。みんなと仲良くなれるのかって。でもユウや、陸くん、菜々ちゃんと由希ちゃん。みんながいたおかげで楽しくやれてる。キャンプに来れた。本当に…幸せ…!」
「そ、そうか…。」
「うん。」
「…さっきの曲。」
「え?」
「さっきの曲、よく母さんが歌ってくれたんだ。俺が眠れない時とか。歌いながら俺が寝るまで寄り添ってくれたんだ。」
「そうなんだ。優しいお母さんだね。」
「ああ、でも親父に殺された。」
「え?」
「俺の母さんと姉さんは…俺の親父に殺されたんだ。」
「そ、そんな…。」
「DVで殺されるのはよくある話だろ?それで…俺の母さんと姉さんは…親父に殺された。」
「ユウ…。」
「お前には打ち明けてもいいかなって思ったんだ。」
「私に?」
「ああ、お前はどこか俺の母さんに似てるんだ。」
「そう…なの?」
「ああ、雰囲気がな。」
「…」
「いきなりこんな重い話して悪かったな。さ、戻ろう…」
ミーシェは星を眺めながら涙を流していた。
「え?どうした?ミーシェ。」
「ううん。ただ…何となく…!先に戻ってて?私は後から行くから。」
「…」
「ユウ?」
優は何も言わずに横に座った。
「…泣かせるつもりは無かったんだ。悪い。」
「そ、そんなこと!泣きたいのは優の方なのに…ごめんね?」
「俺は…別に…。」
「…見上〜げてごらん〜。夜の〜星を〜。」
「ミーシェ…。」
「ふふっ、私もこの曲大好きなの。…小さな星の〜…」


見上げてごらん夜の星を  小さな星の

小さな光が  ささやかな幸せを  うたってる


「へへへ…音痴だけど…。」
「そんなことないよ。上手…だよ。」
「そう…かな?」
「…母さんに会いたくなった。」
「ユウ…。」
「分かってるよ。もう死んでるのは。でも…願うくらい良いだろ?」
「そうだね…あ!流れ星!」
「…マジで?」
「あ、お願いごと!…あ〜…」
「結構速いもんな。流れ星。」
「う〜ん。少しぐらい待っててくれてもいいのに…ね…」
「ははは…無茶な相談だな。まあたまにはこうして星を眺めて見るのも悪くな…え?」
肩に不思議な感覚をおぼえた。
「スー…スー…」
「ミーシェ…たく、こいつはどこでも寝れるのかよ…。」
ミーシェは優の肩で気持ちよさそうに寝息を立てている。
「…」
この状況は一体どうすれば?
落ち着け、落ち着くんだ藤山優。こんな状況俺は何回も乗り越えて…来てねえよ。
「お、おーい、ミーシェ?」
返事がない、ただのしかばねのようだ。
ってチガウ。
「起きてくださーい。ミーシェさーん。」
「スー…スー…」
「マジか。」
とりあえずこの状況はまずい。運ぶか?まあ取り敢えず…
パシャ…
ってちげーだろ?!なんで写メ撮ってんだよ?!
…しっかり保存しておこう。
うーん…どうしよう?

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ギリギリ今日中です!
遅くなりすいません!
フォローorコメントよろしくお願いします!

コメント

  • 垂直抗力(元ラノベ大好きサムライ)

    ミーシェ鬼かわいいΣd(。 ・`ω・´)ビシッ!!

    2
  • 勝長

    とりあえず...撮るんかーいw

    2
  • たくあん

    書籍化されたら挿絵確定ですね
    歌うミーシャ

    6
  • うたたか

    取り敢えず「パシャ」は笑ったw

    7
  • ペンギン

    ありがとうございます!
    面白いです!この先が気になります!これからも、頑張ってください!応援しています!

    2
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