腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜美少女転校生と始める学園生活〜

けん玉マスター

4話 友達

優が評判の悪い施設出身だということが分かってから優とクラスメイトの間には距離が出来ていた。
「おはよう、ユウ。」
「うん、おはようミーシェさん。」
「そう言えばさ…校外学習ってどこ行くの?」
「2年生は確か海の方だったと思ったよ。」
「海かぁ…。」
ミーシェはぽわぽわした表情で何かを考え始めた。
「藤山。」
「小宮…。」
「お、おはよう。」
「え?ああ…おはよう。」
「その…相談なんだが…同じ班になったことだし連絡先でも交換しないか?」
「え?」
「いや、嫌ならいいんだが…。」
「わ、分かった。交換しよう。」
優と小宮は互いにスマートフォンを出して、IDの交換を始めた。
「よし…。ありがとう。」
「あ、ああ…こちらこそ。」
優は初めてクラスメイトの連絡先を手に入れた喜びを噛み締めていた。
小宮も何やらはにかんでいたがこちらの視線に気づいたのか咳払いを始めた。
「あ、私も!」
ミーシェはピンクの可愛くデコったスマートフォンを取り出しこちらにやってきた。
「そ、そうだね。」
「小宮くんも。」
「ああ。そのスマホは…持ちにくくないのか?」
「え?」
ジャラジャラとストラップの音がする。
「だ、だって…可愛いじゃん。」
「僕にはよく分からないな…。」
「えー…。可愛いのにな…。」
「あれ?集まって何してるの?」
江ノ島と、松山がやってきた。
「あ、江ノ島さん、松山さん。おはよう!」
「おはようミーシェさん。」
「…おはよう。」
「今ね、連絡先交換してたの。」
「あ、私も欲しいな。みんなの連絡先…。」
「じゃあいっその事この班のグループ作ろうよ。」
「確かに。それの方が早いかもしれないな。」
「私作るね。名前どうする?」
「うーん…。」
「…チーム藤山は?」
「え?松山さん?なんで俺?」
「…だって藤山くん中心に集まったグループだから。」
「そうだね。そうしよう。」
「ちょ…江ノ島さん?」
「いいじゃん。ね?ユウ。」
上目遣いは卑怯だ…。
「み、皆がそれでいいなら。」
「決まりね。」
おお…まさか1日でグループの中心になれるとは…こういうのをリア充というのだろうか。
しばらく話していたが先生が入ってきたため、解散となった。


「明日の6限は小テストがあるからな。しっかり予習しておくように。赤点のやつはゴールデンウィーク補習だからな。」
ブーイングが飛び交った。
「しっかり勉強すれば大丈夫なんだからしっかりやれよ?」
皆は渋々返事をした。
まずいな…ゴールデンウィークを取られるのは嫌だ。勉強しなきゃな…。
ホームルームが終わり優は本を取り出し読み始めた。
「あ、あの…ユウ。」
「ん?どうしたの?ミーシェさん。」
「その…勉強教えてくれない?」
「え?だってミーシェさん頭いいだろ?」
「え?」
「え?」
「わ、私そんな頭よくないよ?」
「まさかー…。」
「むー…だったら…。」
ミーシェは席に戻りバックの中からくしゃくしゃになったプリントを取り出し優の前に出した。

山田ミーシェ
1学年末テスト数学
2点

「お、おう…。」
「ね?」
「ね?じゃねえよ。」
「ははは…。」
「て言っても俺も教えられないよ。そんな頭よくないし…。」
「なら僕が教えてあげようか?」
「こ、小宮くん。」
「確かに。小宮頭いいもんな。」
「そうなの?」
「まあ君のその点数よりはましな点を取れると思うよ。」
ミーシェはサッとテストを隠した。
「じゃあ今日の放課後は図書室で勉強会だね!」
「7時までなら。バイトがあるんだ。」
「大丈夫。小テストの予習ならすぐに終わるさ。」
「分かった。」
なんか…俺…。

青春してるな…。


放課後。
「さ、ユウ、小宮くん。図書室行こ?」
「ああ。」
「そうだね。」

「君はどこが分からないんだ?ミーシェさん。」
「えっと〜。円周率って何?」
「…」
「…」
「え?」
「いや、すまない。そこまでだとは思わなかった。」
「俺もさすがにびびった…。」
「えー!だってわかんないんだもん!」
「…どうするか。」
「もう暗記しちゃうってのはどう?」
「それじゃあ勉強にならないだろ…。」
「な、なんかごめんね…。私のために…。」
「い、いや、そんなこと…。」
「私…実は勉強出来ないの。」
「それはさっきのテストを見て丸わかりだ。」
「う、うう…。ユウは?!ユウはどうなのさ!」
「え?俺は…。」

藤山優
1学年末テスト数学
76点

「ミーシェさんのとは問題が違うが…可もなく不可もなくってところだな。藤山は。」
「うわぁん…裏切り者ぉ!」
「まあミーシェさんがゴールデンウィークにわざわざ学校に来て補習したいってなら僕は止めないよ。」
「そ、その言い方はずるいよ。」
「ミーシェさん。」
「ユウ…。」
「頑張ろう?俺も教えられる範囲は教えるから。」
「そ、そうだね!…よーし…!頑張るぞ!」


「小テスト返すぞー。そうだ。今回は100点が二人いた。小宮と山田さんだ。凄いな。」
「え?」

どんなオチだよ。


―――――――――――――――――――――――――――――――
次回は校外学習編です。
フォローorコメントよろしくお願いします!

「腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜美少女転校生と始める学園生活〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

  • ノベルバユーザー206269

    ミーシェ上がりすぎwww

    4
  • ペンギン

    読んでいてとても面白いです!
    続きが気になります!
    これからも、頑張ってください!応援しています!
    ですので、できるだけ消さない方向でお願いします...

    3
  • 垂直抗力(元ラノベ大好きサムライ)

    もう小宮様最高すぎますぅ〜
    ミーシェも『はらくだ』(勝手にそう呼ばせてもらってます笑)に負けず劣らずかわいいので読んでてニヤニヤが止まりません!楽しみにしてるのでこれからも頑張ってください!

    5
  • ノベルバユーザー213436

    山田って読んで一瞬誰かと思ったw

    10
  • 勝長

    小宮様の教え方がうまいのか?それともミーシェがすごいのか?

    6
コメントを書く