SCP版 エンジェル・オーバードーズ

奏せいや

音声チャット 2

 秘匿回線、音声チャット。


「本部が急襲を受けたそうだな。計画にはない、想定外の出来事だ」

「やったのは例のイレギュラーG4か。上層部の連中もこの展開には大慌てみたいだな」

「どこも同じか」

「そう言うと」

「私のところも似たようなものだ」

「だがやるべきことに変わりはあるまい。敵を討ち、自分の力を証明する。それだけだ」

「単純だな。これは合同の秘匿作戦だぞ? こんな混乱状態でまともな対戦ができるのか?」

「この期に及んで延期だと?」

「いや、それはあるまい。むしろまずい事態だ。例のイレギュラーの勝手な行いのせいで連中の統制が破れるのも時間の問題だ」

「獣が野に放たれる、か」

「ふん、くだらん。ならばそれこそ好機。奴らがその気なら私たちも戦うまで。その準備はすでに出来ている」

「戦士の誇りか?」

「なにが悪い」

「ハッ、お前こそくだらない。言っておくがお前、良い死に方しないぜ?」

「なに?」

「止めろ、私たちの優劣は口論では決められない。それよりも厄介なのは例のイレギュラーだ。これ以上場を荒らされては計画に大きな支障をきたす」

「強いのか?」

「EUのG4を倒している。それなりに腕は立つだろう。それに本部急襲の際、その場にいたSCPも倒しているはずだ」

「ということは、奴を倒せば実質的にEUを倒したも同然ってわけだ。それはいい。評価が上がる」

「その通り。EUのG4を倒したイレギュラーを倒せれば、大きなリードだ。我々の中でも頭角を出すことになるだろう」

「待て」

「あ?」

「計画に支障が出るのは私も望むところではない。が、例のG4。奴の行いに非はない。私たちが倒すべき敵は別のはずだ」

「お前なあ……」

「お前はなんのために戦っている?」

「当然。勝つためさ。そのための俺たちだろ?」

「好きに戦え」

「はいはい、言われるまでもなくな」

「どちらにせよ事態は動いた。ISILの本部が崩壊した今、奴らを縛るものはなにもない。気を引き締めておくんだな。私たちの戦争は、これから始まるのだ」

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