SCP版 エンジェル・オーバードーズ

奏せいや

脅威

 イラク訓練施設。かつてイラクに派遣された自衛隊の宿営地として使われていた場所。

 その一室、獅子王は自分に当てられた部屋で一人映像を見つめていた。日は暮れ現在は深夜の二時だ。

 日が明るい時から何度も繰り返し見ていたため部屋には電気がついておらず暗闇の部屋で光を発するのはパソコンの画面だけだ。それを獅子王はくいるように見つめている。

 その映像とは、守人のヘルメットが送ってきた戦闘の模様だった。

 前方に展開する大勢の敵。自分に向かって一斉に発射される弾丸。映像のすれすれを多くの銃弾が通過していく。

 それをものともせず倒していく。さらには戦車の砲弾すら片手で止め、車体をひっくり返したのだ。

 映像が映す驚愕的な内容に獅子王は静かに脅威を感じていた。

(なんて戦いだ……)

 頬に手を当て、次に顎をさする。

(これが、第四世代兵器。こんなものがいずれ基準になるのか?)

 M1エイブラムスの重量は五十四トンにもなる。それを脚力だけで動かしたのだ。さらに随伴兵込みの戦車をたった一人でだ。

 圧倒的だ。こんなものがいずれ誰しもが出来るようになるなど想像しただけでも恐ろしい。

 それも、それが現実味を帯びているからだ。

 守人の前に現れた謎の敵性体。彼の正体はまったくの不明だが、その存在があの場にいた影響は大きかった。

 獅子王は真っ暗闇の部屋の中、パソコンを眺めながら守人が戻ってきたことを思い出していた。

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