規格外の殺し屋は異世界でも最凶!?
プロローグ
「........ふぅ」
とある廃ビルの薄暗い廊下の地下室の扉の前で俺は息を潜めていた。
1度深呼吸して呼吸を整えてドアの隙間から中の様子を探る。
「............です。」
「そうか........しようか....」
「....い........やと....やは....」
うまく聞き取れないが部屋の中には小さなテーブルスタンドを囲んで複数人の大人が何やら話し込んでいる。
2丁の拳銃のマガジンに弾を込め、銃口にサイレンサーを装着し、暗殺用ナイフを腰のベルトに装備する。
「よし、行くか…」
俺は閃光弾のピンを抜いてドアの隙間から放り込む。
次の瞬間、部屋の中が一瞬昼間のように明るくなり、すぐに光が収まる。
光が収まるのと同時に部屋の中へ突入する。
「4人か...」
床に目を押さえてうずくまっている男達の頭を拳銃で撃ち抜いていき、死んだ男達の顔を確認していく。
「ハズレか....」
ため息をつくと同時に背中に悪寒が走る。
「....っ!」
急いで入ったきたドアから距離をとりその奥を睨みつける。
(見つけた....)
心の中でそう呟くと、
「流石は死神だねぇ~」
間延びした声とともにドアの奥から白衣を着た痩せ気味の男が出てきた。
「なんだ、俺の事知ってるのか…」
「と~ぜんだよぉ~、【世界最凶の暗殺者“死神”】
君は裏の世界では有名だからねぇ~。君ほどの人材をこの僕が知らないわけがないだろ~。」
「それは光栄だな…」
「まぁ、今から殺すんだけどねぇ~!」
そう言って奴は床に小さな球体を投げつけた。
「...っ!ガスか...」
俺はナイフを取り出し目を瞑り息を止め全神経を研ぎ澄ませる。
_________________
数分後、部屋の中の煙は収まり例の白衣を着た男は首から血を流し仰向けに倒れていた。
「帰ろう....」
俺は依頼完了の連絡を済ませ帰路につく。
___________________
「ただいま...って、誰もいるわけないか…」
俺は携帯を取り出し依頼完了の報酬が支払われていることを確認すると風呂に入り身体中に浴びた返り血をシャワーで流しお湯に浸かる。
温かいお湯が冷えきった体を温める。しかし、殺しに慣れきって冷たくなってしまった心は温まることは無い。
いつからだろうか、誰かを殺しても何も思わなくなってしまったのは…
「まぁ、いいか....」
風呂から上がり服を着てご飯を作る。
「今日はハンバーグにでもするか。」
___________________
『うんまぁーい!流石は蒼空だな!今日も凄く美味い!』
「師匠!!!」
そう叫んで顔を上げるとそこには誰もいなく、俺が食べ終えた食器だけが置いてあった。
「夢か....」
窓の外を見ると朝日が上り始め、辺りが明るくなり始めていた。
無意識に首にかけたペンダントに触れる。
師匠が弟子の証として、家族の証として俺にくれたものだ。
___________________
師匠は俺に殺しを教えてくれた。
7年前、俺がまだごく普通の暮らしをしていた頃、両親と公園で遊んでいた時、通り魔に襲われた。咄嗟に両親が逃げるように叫ぶが当時小学生だった俺は見ていることしか出来ず、逃げることが出来なかった。
そして母が首を切られ死んだ。
カランカランと音がして足元に血で濡れた包丁が転がっていた。そして、少し離れたところで、父が大量の血を流しながしながらも男を組み伏せていた。
しかし、やがて父も弱っていき、通り魔が父の拘束から逃れると俺の方へめがけて走ってきた。
本能で理解していた。
───────殺らなきゃ死ぬ
そして、俺はその男の胸に包丁を突き立てていた。
「父さん、母さん....死んだのか?」
いくら呼びかけても返事をしない二つの死体。
夕方という事もあって人通りもなく俺はどうすることも出来ず立ち尽くしていた。
どれくらいそうしていただろうか。1人の女の人が話しかけてきた。
「これは、君が殺したの?」
「............殺したのはこの人だけ。父さんと母さんはこの人に殺された。」
俺はコクリと頷きそう返事した。
「っ....そうか」
その女の人は目を見開いて驚いていたがすぐに冷静になり俺にナイフを差し出し再び話しかけてきた。
「今君がこのナイフを受け取れば君に殺しを教える。そうすれば君は今の出来事を日常の一部にすることが出来る。でも二度と後戻りは出来なくなるよ。受け取れないなら君を施設に連れて行って上げる。好きな道を選びなさい。」
正直どちらが正解だったのかなんて今になっても分からない。ただその時の俺は女の人をまっすぐ見つめてナイフを受け取り首を縦に振った。
師匠は最初に椎名蒼空という名前を付けてくれた。
【椎名】は師匠の苗字だそうだ。
そして師匠は俺に殺しを教えてくれた。
「いいか蒼空、相手を殺す時は手段を選ばず殺せ」
「蒼空、殺しをする時は常に平常心でいろ、焦るな頭の中は常に冷静であれ」
「相手を殺す時は情けをかけるな」
「蒼空、殺しは必要最低限の人数を殺せ」
「蒼空、お前は強い、自信を持て」
「蒼空、お前は私の自慢の弟子だ、それを誇れ」
「蒼空、もし........もし、私が帰ってこなかったら私は死んだと思え。その後は自分で考え自分で生きていけ」
そして3年前、師匠は帰ってこなくなった。
殺し屋はいつ死んでもおかしくないと分かっていたせいか、もしくはどこか別のところにでも行っているのかという淡い期待があったのか、不思議と悲しみは無かった。
身元をばらすような真似はしないため何も残さない、もちろん葬儀もしなかった。
今では、首にかかっているこのペンダントだけが唯一師匠がいたという証だ。
そしてそれは今でもお守りとして、形見として、俺の首にかかっている。
───────────────────
どうもみなさま、このたび初投稿させていただきました。なにせ初めてなものでごいたらず、誤字ありありかも知れませんが御指摘頂けるとありがたく思います。これから不定期更新していくつもりですのでなにとぞよろしくお願いします┏○ペコ
とある廃ビルの薄暗い廊下の地下室の扉の前で俺は息を潜めていた。
1度深呼吸して呼吸を整えてドアの隙間から中の様子を探る。
「............です。」
「そうか........しようか....」
「....い........やと....やは....」
うまく聞き取れないが部屋の中には小さなテーブルスタンドを囲んで複数人の大人が何やら話し込んでいる。
2丁の拳銃のマガジンに弾を込め、銃口にサイレンサーを装着し、暗殺用ナイフを腰のベルトに装備する。
「よし、行くか…」
俺は閃光弾のピンを抜いてドアの隙間から放り込む。
次の瞬間、部屋の中が一瞬昼間のように明るくなり、すぐに光が収まる。
光が収まるのと同時に部屋の中へ突入する。
「4人か...」
床に目を押さえてうずくまっている男達の頭を拳銃で撃ち抜いていき、死んだ男達の顔を確認していく。
「ハズレか....」
ため息をつくと同時に背中に悪寒が走る。
「....っ!」
急いで入ったきたドアから距離をとりその奥を睨みつける。
(見つけた....)
心の中でそう呟くと、
「流石は死神だねぇ~」
間延びした声とともにドアの奥から白衣を着た痩せ気味の男が出てきた。
「なんだ、俺の事知ってるのか…」
「と~ぜんだよぉ~、【世界最凶の暗殺者“死神”】
君は裏の世界では有名だからねぇ~。君ほどの人材をこの僕が知らないわけがないだろ~。」
「それは光栄だな…」
「まぁ、今から殺すんだけどねぇ~!」
そう言って奴は床に小さな球体を投げつけた。
「...っ!ガスか...」
俺はナイフを取り出し目を瞑り息を止め全神経を研ぎ澄ませる。
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数分後、部屋の中の煙は収まり例の白衣を着た男は首から血を流し仰向けに倒れていた。
「帰ろう....」
俺は依頼完了の連絡を済ませ帰路につく。
___________________
「ただいま...って、誰もいるわけないか…」
俺は携帯を取り出し依頼完了の報酬が支払われていることを確認すると風呂に入り身体中に浴びた返り血をシャワーで流しお湯に浸かる。
温かいお湯が冷えきった体を温める。しかし、殺しに慣れきって冷たくなってしまった心は温まることは無い。
いつからだろうか、誰かを殺しても何も思わなくなってしまったのは…
「まぁ、いいか....」
風呂から上がり服を着てご飯を作る。
「今日はハンバーグにでもするか。」
___________________
『うんまぁーい!流石は蒼空だな!今日も凄く美味い!』
「師匠!!!」
そう叫んで顔を上げるとそこには誰もいなく、俺が食べ終えた食器だけが置いてあった。
「夢か....」
窓の外を見ると朝日が上り始め、辺りが明るくなり始めていた。
無意識に首にかけたペンダントに触れる。
師匠が弟子の証として、家族の証として俺にくれたものだ。
___________________
師匠は俺に殺しを教えてくれた。
7年前、俺がまだごく普通の暮らしをしていた頃、両親と公園で遊んでいた時、通り魔に襲われた。咄嗟に両親が逃げるように叫ぶが当時小学生だった俺は見ていることしか出来ず、逃げることが出来なかった。
そして母が首を切られ死んだ。
カランカランと音がして足元に血で濡れた包丁が転がっていた。そして、少し離れたところで、父が大量の血を流しながしながらも男を組み伏せていた。
しかし、やがて父も弱っていき、通り魔が父の拘束から逃れると俺の方へめがけて走ってきた。
本能で理解していた。
───────殺らなきゃ死ぬ
そして、俺はその男の胸に包丁を突き立てていた。
「父さん、母さん....死んだのか?」
いくら呼びかけても返事をしない二つの死体。
夕方という事もあって人通りもなく俺はどうすることも出来ず立ち尽くしていた。
どれくらいそうしていただろうか。1人の女の人が話しかけてきた。
「これは、君が殺したの?」
「............殺したのはこの人だけ。父さんと母さんはこの人に殺された。」
俺はコクリと頷きそう返事した。
「っ....そうか」
その女の人は目を見開いて驚いていたがすぐに冷静になり俺にナイフを差し出し再び話しかけてきた。
「今君がこのナイフを受け取れば君に殺しを教える。そうすれば君は今の出来事を日常の一部にすることが出来る。でも二度と後戻りは出来なくなるよ。受け取れないなら君を施設に連れて行って上げる。好きな道を選びなさい。」
正直どちらが正解だったのかなんて今になっても分からない。ただその時の俺は女の人をまっすぐ見つめてナイフを受け取り首を縦に振った。
師匠は最初に椎名蒼空という名前を付けてくれた。
【椎名】は師匠の苗字だそうだ。
そして師匠は俺に殺しを教えてくれた。
「いいか蒼空、相手を殺す時は手段を選ばず殺せ」
「蒼空、殺しをする時は常に平常心でいろ、焦るな頭の中は常に冷静であれ」
「相手を殺す時は情けをかけるな」
「蒼空、殺しは必要最低限の人数を殺せ」
「蒼空、お前は強い、自信を持て」
「蒼空、お前は私の自慢の弟子だ、それを誇れ」
「蒼空、もし........もし、私が帰ってこなかったら私は死んだと思え。その後は自分で考え自分で生きていけ」
そして3年前、師匠は帰ってこなくなった。
殺し屋はいつ死んでもおかしくないと分かっていたせいか、もしくはどこか別のところにでも行っているのかという淡い期待があったのか、不思議と悲しみは無かった。
身元をばらすような真似はしないため何も残さない、もちろん葬儀もしなかった。
今では、首にかかっているこのペンダントだけが唯一師匠がいたという証だ。
そしてそれは今でもお守りとして、形見として、俺の首にかかっている。
───────────────────
どうもみなさま、このたび初投稿させていただきました。なにせ初めてなものでごいたらず、誤字ありありかも知れませんが御指摘頂けるとありがたく思います。これから不定期更新していくつもりですのでなにとぞよろしくお願いします┏○ペコ
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コメント
春咲友花
『死神と呼ばれた殺し屋は異世界に』と似てる
ちょこりっぷ
意外と処女作の意味を理解してる人って多く無いよねw
ノベルバユーザー281429
暗殺○室に似てる