錬成七剣神(セブンスソード)

奏せいや

決戦15

 グレゴリウスが赤い蛍光の剣を取り出す。魔来名まきなが決死の覚悟をして放つ刺突を前にして、――彼は捌き、魔来名まきなを切り裂いた。

 魔来名まきなの左肩と、グレゴリウスの右肩がぶつかる。二人はそのまま停止しており、魔来名まきなは口端から血が零れていた。

「これで良かったのか、魔来名まきな

「……まあな」

「そうか……」

 魔来名まきなは瞳を閉じ、全身から力が抜けていった。体重をグレゴリウスに傾けながら、体はずり落ち、魔来名まきなは屋上から落ちていった。

「兄さぁああん!」

 聖治は吠えるものの、そこにはすでに魔来名まきなの姿はない。そこにいるのはただ一人、グレゴリウスの亡霊だけ。

 魔来名まきなはビルから落ち、残されたのは自分が持っている魔刀、天黒魔あくまだけだった。

「剣島聖治。始まりの場所に来い。今のお前ならばどこだか分かるはずだ」

 グレゴリウスは聖治に告げ踵を返す。すると体が透明になっていきグレゴリウスは姿を消していった。

 聖治は一人で立たされる。無人の街は静かでここは墓場のような雰囲気に包まれている。

 聖治は天黒魔あくまを両手で握りながら、再び頬を涙が零れ落ちていく。

 だが、すぐに涙を拭くと聖治は意思の強い瞳で顔を上げた。こうしている場合ではない。まだ、本当の意味でセブンスソードは終わっていないのだ。

 終わらせよう。聖治はスパーダを己の内に仕舞い込んだ。七本全てが揃い、剣島聖治は新たな団長となる権利を得た。

 聖治は歩き出す。彼は一人であるが、決して孤独ではない。離れていても繋がっている。仲間たちの絆を胸に、彼は始まりの場所へと向かっていくのだった。

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