錬成七剣神(セブンスソード)
開幕3
いきなり槍が現れた。空間から槍が出てきたのを実際に目で見たのに信じられない。
それを謎の男はさも当然という態度で握り締めている。
「戦う意志のない者に、用はねえ」
謎の男は槍を力也に向ける。口元を歪め、殺意すらおもちゃのように放ち、男は力也に槍を投げたのだ。
「力也ぁー!」
聖治は叫ぶ。危機感が一気に頭を駆け抜けた。このままでは力也が刺されてしまう!
だが、聖治が振り返ったその先。そこにはさらなる驚愕が起きていた。
「おい」
『剣』を握った星都によって、斬り落とされていたのだ。
「なに人のダチに、手をだしてんだテメエ!」
力也の前には星都が立っていた。光輝く細い剣を手にして。それで防いだのか投げられた槍は地面に転がっていた。
星都が男を睨み上げる。大きく見開かれた目が真っ直ぐに向けられ、激情した表情は歪んでいる。
星都が助けてくれた。そのことに聖治はホッとする。だが新たな出来事に混乱してしまう。
「星都、お前……」
聖治が見つめるもの、それは星都の持っている剣だった。
レイピアと呼ばれるタイプの刀剣だろうか。全体的に細い形状をしていて刀身も細長い。何故そんなものを星都が持っているのか、どこから取り出したのか分からない。
さらに不思議なのは刀身の輪郭がぼやけていることだ。刀身は蛍光灯のように淡い輝きを放っており、姿をぼやかしている。
「ほう、やれば出来るじゃねえか。だがぁ、何故切っ先が俺を向いてるんだ? てめえらが斬る相手は隣だろう?」
「俺だって、俺だってなぁ! 友達を斬りたくなんかないんだよ!」
星都が謎の男に向かって吠える。
「僕も、手伝うんだなぁ!」
そこへ力也も前に出る。
その表情はまだ恐怖が浮かんでいたが、星都の行動から勇気を貰ったようにその瞳は力強い。そして右手を前に翳した。
「現れるんだぁ、鉄塊王・撃鉄っっ!」
力也の右手が虚空に向けられる。すると力也の呼び声に応じるかのように一瞬空間が発光し、そこから大剣があらわれ地面に突き刺さった。
力也は上に向いている柄を両手で握り引き抜くとそのまま構えた。
その大剣は、剣と称するのを躊躇うほど大きかった。刃渡りだけでも二メートルは超えている。
厚さは国語辞典のようだ。とても人間が持てる重量ではないが、しかし力也は苦も無く大剣を持ち上げていた。
「これは、いったいなんなんだ……」
聖治は唖然と二人と謎の男を見つめる。
さっきまで一緒に笑い合っていた。これからのことに期待して楽しい雰囲気に包まれていた。
しかし、こんなのは普通じゃない。
槍を取り出す謎の男に、普通の友達だと思っていた二人は剣を握り構えているのだ。
「光帝剣エンデュラス。鉄塊王撃鉄、ねぇ……」
二人は武器を持って対峙している。だというのに謎の男は飄々としたままだった。
投げた槍は地面に置かれたままなのでなにも持っていない。構えを取ることもなく男は遊びのように立っていた。
「いい剣だ。だが使い手がなぁ……。まあいい。ようやく始まったんだ。一人二人ならともかく、俺が皆殺しにしてお終いじゃそもそも意味がねえ。ケツだけ蹴っておくか」
愚痴るように言い捨てると謎の男は二人に向かって歩き出した。
男が動き出したことに二人とも警戒を強める。剣を握る手に力が一層込められるのが見て分かった。
「こい。魔卿騎士団の力を教えてやる」
そんな二人とは対照的に謎の男は余裕だ。危険なオーラがを放ちながら武器を持たず強気に歩いてくる。
男がまた一歩を踏み出す。それで星都と力也が駆け出した。剣を持ち上げ斬りかかる。
二人が近づくが謎の男は動かない。そのまま二つの剣が振り下ろされた。
それを謎の男はさも当然という態度で握り締めている。
「戦う意志のない者に、用はねえ」
謎の男は槍を力也に向ける。口元を歪め、殺意すらおもちゃのように放ち、男は力也に槍を投げたのだ。
「力也ぁー!」
聖治は叫ぶ。危機感が一気に頭を駆け抜けた。このままでは力也が刺されてしまう!
だが、聖治が振り返ったその先。そこにはさらなる驚愕が起きていた。
「おい」
『剣』を握った星都によって、斬り落とされていたのだ。
「なに人のダチに、手をだしてんだテメエ!」
力也の前には星都が立っていた。光輝く細い剣を手にして。それで防いだのか投げられた槍は地面に転がっていた。
星都が男を睨み上げる。大きく見開かれた目が真っ直ぐに向けられ、激情した表情は歪んでいる。
星都が助けてくれた。そのことに聖治はホッとする。だが新たな出来事に混乱してしまう。
「星都、お前……」
聖治が見つめるもの、それは星都の持っている剣だった。
レイピアと呼ばれるタイプの刀剣だろうか。全体的に細い形状をしていて刀身も細長い。何故そんなものを星都が持っているのか、どこから取り出したのか分からない。
さらに不思議なのは刀身の輪郭がぼやけていることだ。刀身は蛍光灯のように淡い輝きを放っており、姿をぼやかしている。
「ほう、やれば出来るじゃねえか。だがぁ、何故切っ先が俺を向いてるんだ? てめえらが斬る相手は隣だろう?」
「俺だって、俺だってなぁ! 友達を斬りたくなんかないんだよ!」
星都が謎の男に向かって吠える。
「僕も、手伝うんだなぁ!」
そこへ力也も前に出る。
その表情はまだ恐怖が浮かんでいたが、星都の行動から勇気を貰ったようにその瞳は力強い。そして右手を前に翳した。
「現れるんだぁ、鉄塊王・撃鉄っっ!」
力也の右手が虚空に向けられる。すると力也の呼び声に応じるかのように一瞬空間が発光し、そこから大剣があらわれ地面に突き刺さった。
力也は上に向いている柄を両手で握り引き抜くとそのまま構えた。
その大剣は、剣と称するのを躊躇うほど大きかった。刃渡りだけでも二メートルは超えている。
厚さは国語辞典のようだ。とても人間が持てる重量ではないが、しかし力也は苦も無く大剣を持ち上げていた。
「これは、いったいなんなんだ……」
聖治は唖然と二人と謎の男を見つめる。
さっきまで一緒に笑い合っていた。これからのことに期待して楽しい雰囲気に包まれていた。
しかし、こんなのは普通じゃない。
槍を取り出す謎の男に、普通の友達だと思っていた二人は剣を握り構えているのだ。
「光帝剣エンデュラス。鉄塊王撃鉄、ねぇ……」
二人は武器を持って対峙している。だというのに謎の男は飄々としたままだった。
投げた槍は地面に置かれたままなのでなにも持っていない。構えを取ることもなく男は遊びのように立っていた。
「いい剣だ。だが使い手がなぁ……。まあいい。ようやく始まったんだ。一人二人ならともかく、俺が皆殺しにしてお終いじゃそもそも意味がねえ。ケツだけ蹴っておくか」
愚痴るように言い捨てると謎の男は二人に向かって歩き出した。
男が動き出したことに二人とも警戒を強める。剣を握る手に力が一層込められるのが見て分かった。
「こい。魔卿騎士団の力を教えてやる」
そんな二人とは対照的に謎の男は余裕だ。危険なオーラがを放ちながら武器を持たず強気に歩いてくる。
男がまた一歩を踏み出す。それで星都と力也が駆け出した。剣を持ち上げ斬りかかる。
二人が近づくが謎の男は動かない。そのまま二つの剣が振り下ろされた。
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