錬成七剣神(セブンスソード)
開幕
今日の学校の日程は終了し聖治たちは正門前で香織さんが来るのを待っていた。しばらくすると小走りで香織さんが近づいてくる。
「ごめんね、待ったかな?」
「遅いですよ香織さん。俺は止めたんですけど、剣島の奴が置いて行こうて言い出して」
「違うぞ星都ぉおおお!」
「はいはい。三人共待っててくれてありがとうね」
「それじゃあさっそく行くんだなぁ」
「待てよ力也~、手ぶらじゃ寂しいだろ? 近くにコンビニがあるんだし、せっかくならなんか買って行こうぜ? 剣島もそれでいいだろ?」
「それはいいな。あいにく冷蔵庫は空っぽだし、飲み物もついでに買って行くか」
こういうのには気が利く星都に賛同してまずは近くにあるというコンビニまで行くことになった。
正門から住宅街の道を五分ほど歩く。車道に面したコンビニには大きな駐車場があって、店内は学校帰りの生徒たちで賑わっているようだ。
星都たちも店に入り買い物をする。
どれがいいか聖治と香織さんが話し合っている横で、カゴ持ちの力也とそのカゴに押し詰めるようにお菓子を入れる星都が騒々しかったが、そのはっちゃけた様子も自分の歓迎会のためだと思うと聖治は頬が緩んだ。
それらをレジに持って行き、会計を済ませて聖治たちは外に出た。
「さて、買うもん買ったし、これでレッツパーティイだな。菓子もこれだけあれば十分だろう」
「星都、俺は多過ぎだと思う」
「多過ぎだよぉ~」
「これは多過ぎだよね……」
陽気に声を踊らす星都だが全員で反論する。
聖治と星都は両手に袋一杯のお菓子とジュースを持ち、力也なんて四袋だ。
コンビニの在庫を空にする勢いで、会計時は先輩としてのプライドか香織さんが全額を支払うと言い出しレジへと立ったのだが、「これも一緒で」と言いながら星都によって新たなお菓子が加えられ、レジで増えていく数字をそわそわしながら見つめていた。
その後表示された全額を見つめた後、数秒の沈黙を置いてから涙目でこちらに振り返った姿は可哀想だった。
そんな星都だが悪気はないらしく、本人はいたって楽しそうだ。
「まあそう言うなよ、景気付けには良かったろ? 派手にパーッといこうじゃん。めでたいめでたい歓迎会だぜ? 俺としても派手にもてなしたいと思っているんだよぉー」
「そう言われると弱いところがあるな。だが、それは本意か?」
「当然だ!」
「嘘だな」
「嘘なんだぁ~」
「私も嘘だと思う」
「三人共友達だと思っていたのにぃい!」
悔しがる星都を見つめ聖治たちの笑い声が上がる。
なんだかんだ皆も楽しんでいる証拠だ。まるで今から修学旅行にでも行くような、そんな気持ちだったのだ。
聖治たちはコンビニでお菓子を買って帰ると一旦学校へと向かい歩き出す。
住宅街にあたるこの場所では一軒家が並び、この時間帯だからか物静かだ。
皆との会話から少し意識を外して空を見上げてみれば、空もさきほどより赤色を増し日が暮れていく。
街の静けさと夕暮れのノスタルジックな空気からか、聖治は多少目を細め、この景色と雰囲気を味わうように眺めていた。
これからはじめてできた友達と歓迎会をすること。それを嬉しく思い、聖治は噛み締める。
そして目線を元に戻した時だった。
「ん? どうしたんだ皆?」
いつの間にか先頭を歩いていた聖治は後ろを振り返る。
三人はなぜか立ち止まっていた。だが、どうかしたのか聞こうとした時、聖治は気が付いた。
三人共、表情が固まっているのだ。まるで死体でも見つけたように怯えている。
聖治はゆっくりと振り返る。知らず聖治も緊張していた。背後になにかいる。それを感じるのだ。
そこには、一人の怪しい人物が立っていた。
「ごめんね、待ったかな?」
「遅いですよ香織さん。俺は止めたんですけど、剣島の奴が置いて行こうて言い出して」
「違うぞ星都ぉおおお!」
「はいはい。三人共待っててくれてありがとうね」
「それじゃあさっそく行くんだなぁ」
「待てよ力也~、手ぶらじゃ寂しいだろ? 近くにコンビニがあるんだし、せっかくならなんか買って行こうぜ? 剣島もそれでいいだろ?」
「それはいいな。あいにく冷蔵庫は空っぽだし、飲み物もついでに買って行くか」
こういうのには気が利く星都に賛同してまずは近くにあるというコンビニまで行くことになった。
正門から住宅街の道を五分ほど歩く。車道に面したコンビニには大きな駐車場があって、店内は学校帰りの生徒たちで賑わっているようだ。
星都たちも店に入り買い物をする。
どれがいいか聖治と香織さんが話し合っている横で、カゴ持ちの力也とそのカゴに押し詰めるようにお菓子を入れる星都が騒々しかったが、そのはっちゃけた様子も自分の歓迎会のためだと思うと聖治は頬が緩んだ。
それらをレジに持って行き、会計を済ませて聖治たちは外に出た。
「さて、買うもん買ったし、これでレッツパーティイだな。菓子もこれだけあれば十分だろう」
「星都、俺は多過ぎだと思う」
「多過ぎだよぉ~」
「これは多過ぎだよね……」
陽気に声を踊らす星都だが全員で反論する。
聖治と星都は両手に袋一杯のお菓子とジュースを持ち、力也なんて四袋だ。
コンビニの在庫を空にする勢いで、会計時は先輩としてのプライドか香織さんが全額を支払うと言い出しレジへと立ったのだが、「これも一緒で」と言いながら星都によって新たなお菓子が加えられ、レジで増えていく数字をそわそわしながら見つめていた。
その後表示された全額を見つめた後、数秒の沈黙を置いてから涙目でこちらに振り返った姿は可哀想だった。
そんな星都だが悪気はないらしく、本人はいたって楽しそうだ。
「まあそう言うなよ、景気付けには良かったろ? 派手にパーッといこうじゃん。めでたいめでたい歓迎会だぜ? 俺としても派手にもてなしたいと思っているんだよぉー」
「そう言われると弱いところがあるな。だが、それは本意か?」
「当然だ!」
「嘘だな」
「嘘なんだぁ~」
「私も嘘だと思う」
「三人共友達だと思っていたのにぃい!」
悔しがる星都を見つめ聖治たちの笑い声が上がる。
なんだかんだ皆も楽しんでいる証拠だ。まるで今から修学旅行にでも行くような、そんな気持ちだったのだ。
聖治たちはコンビニでお菓子を買って帰ると一旦学校へと向かい歩き出す。
住宅街にあたるこの場所では一軒家が並び、この時間帯だからか物静かだ。
皆との会話から少し意識を外して空を見上げてみれば、空もさきほどより赤色を増し日が暮れていく。
街の静けさと夕暮れのノスタルジックな空気からか、聖治は多少目を細め、この景色と雰囲気を味わうように眺めていた。
これからはじめてできた友達と歓迎会をすること。それを嬉しく思い、聖治は噛み締める。
そして目線を元に戻した時だった。
「ん? どうしたんだ皆?」
いつの間にか先頭を歩いていた聖治は後ろを振り返る。
三人はなぜか立ち止まっていた。だが、どうかしたのか聞こうとした時、聖治は気が付いた。
三人共、表情が固まっているのだ。まるで死体でも見つけたように怯えている。
聖治はゆっくりと振り返る。知らず聖治も緊張していた。背後になにかいる。それを感じるのだ。
そこには、一人の怪しい人物が立っていた。
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