#140文字小説

北西時雨

2017/11/03

この蝋燭が消えたら、私は死ぬ。そう確信する。なぜなら、ちらつく炎の陰から、得体のしれない化物が、こちらを見ているから。細い舌をチロチロさせて、獲物を狙う大きな顔。
蝋燭が少しずつ短くなる。この暗闇での唯一の明かり。私の命。ボッと音を立てて、最期の火が、今消える。

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