家族に愛されすぎて困ってます!
48話 奏の心境
 今回は少し短いです!ごめんなさい!
(嘘よ......絶対嘘よ)
 私、伊藤 奏には知ってしまった事がある。
 それは、自分のやっていたオンラインゲームの友達がクラスの男子だったということ。
ーー[ハタ]
 小さい頃から勉強ばかりしていた私には友達がいなかった。いつも一人で、孤独だった。
 友達がいらなかった訳じゃない。もちろん友達は欲しい。でも、親はそれを許してはくれない。私の親は病院の院長で、私が跡を継ぐ事も決まっている。
 医師になるにはそれ相応の成績が必要となるため、勉強ばかりさせられた。
 だから、友達と遊びにも行かせてくれなかった。
 友達からは、ひとりぼっちだとか、付き合いが悪いとか言われて、はぶられてきた。
 もう、一生このままでいいやって、思ってた。
 でも......。
 
 自室のベッドで横になりながら自分の携帯とにらめっこする。
 開いているのはゲームアプリ、一人のプレイヤー名をガン見している。
 その名は[ハタ]。
 少し前にこのゲームで出会い、定期的に一緒にプレイすることになった人。
 その正体は、クラスメイトの近衛 春鷹君だった。
 私にとっては一番のライバル。
 いつも何考えてるか分からないのに、ろくに勉強なんかしてないくせに学年一位になる強者。
 私が一番努力して、この学校では一番だと思ってた。
 なのに......。
 正直に言うと、多分近衛君の事を羨ましく思ってたんだと思う。
 近衛君は、私がまだなったことない学年一位にもなっていて、白野君や大星さんなどの多くの友達とも仲良く学校生活を送っている。
 私に持っていないものを、近衛君は全部もっているのかもしれない。
 ライバルで、羨ましくて、憎たらしかったはずなのに、今は変に意識してしまっている自分がいる。この気持ちが何なのかは分からない。
 でも、一つだけ気づいたことがある。
ーーさっきから、近衛君の事しか考えていない......。
「〜〜っ!///」
 近衛君の事があの[ハタ]だと知ってしまった時、恥ずかしくて顔を見れなかった。
「どうしちゃったんだろ。私
......」
 顔が火照って熱い。胸が痛い。
 近衛君今何してるかな?って考えてしまう。
 だから、今[ハタ]がオンラインにならないか見張っているのだ。今日は一緒にゲームがしたいから。
ーー[ハタ]と............。
 いや......
ーー近衛君と............。
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コメント
ペンギン
なぜ、その状況になったのか詳細が知りたい...「ハタ」と知ったから...なのですか?