家族に愛されすぎて困ってます!
24話 親父......風邪引くなよ
「春ちゃーん。庭の物置倉庫、行ってきてくれない?」
「いいけど。何で?」
「お父さんいるから」
「何で親父がいんの!?」
「ちょっとしたお仕置き♡」
「oh......」
 ものすごく笑顔なのに言ってることドSの発言だなぁ......。
 俺はリビングの窓から庭へ出て、庭用に用意されているサンダルを履く。
ーー近衛家 物置倉庫
 母さんはあぁ言ってたけど......まさか、本当にーー
「ーーいたっ!!!」
「んんんっー!!」
 縄で手脚は頑丈に縛られ、身動きもとれない状態の親父が本当にいた。ガムテープで口も塞がれているため、何を言っているのか分からない。傍から見たら、SMプレイをしている変態だ。
「親父!大丈夫か!」
「んんっ!んんんっ!(早く!取ってくれ!)」
「な、なんて言った?」
「んんんっ!!んん!んんっ!!(そんなことはいいから!早く!取れ!)」
  もういいや、読解の前に早く取ってあげよう。涙目の親父なんか見たくない。
「ぷはぁ〜......てめぇ!殺す気か!」
「助けてあげた恩人に言う言葉じゃないぞ」
「問答無用だ!貸しなんか返さないからな!」
「あんたはガキかよ......」
 親父は「知るかっ!」と言って、俺を置いて玄関に向かう。だが、途中で止まった。
「あー。しょうがねぇから、お前も明日の温泉旅行に連れっててやるよ」
「え?俺は行くメンバーに入ってなかったの?」
「当たり前だ!お前なんかと一緒に温泉でくつろげるかよ!いいか!これはしょうがなくだからな!」
「はいはい。ありがとう」
「ふんっ!」
 親父はてくてくと玄関に歩いていった。
 だが、玄関の前で止まる。
「あ、あれ?開いてないぞ......」
 俺はすぐさまサンダルを脱いで、窓から入り、窓を閉めて鍵も閉める。
「お、おい!誰かー!開けてくれー!母さん!瑠美!瑠奈!里美!真子!」
 親父......風邪引くなよ。
「開けてくれーーーーー!!!!」
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コメント
ペンギン
毎回楽しみにしています!
続きも頑張ってください!応援しています!
西東 北南(さいとう ぼくなん)
続き待ってます。頑張ってください。