クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

TNKt_k

211話 決着

「ちっ!中々やるらしいな…………。」

「そちらこそ中々やりますね。挑発とはいえ雑魚と言ったことは訂正しましょう。」

「嬉しくねぇよ![突き]!」

「っ![一文字]」

軽口を言い合いながら二人は剣を打ち合う。
鬼幼女の[突き]に対して[一文字]で力の方向をずらす。

「[トルネード]」

続いてリリアは風魔法[トルネード]で相手の周りを囲み視界を妨げる。

「っ、魔法使えるとか聞いてねぇよ![剛力][振り回し]」

鬼幼女は棍棒を力任せに振り回し[トルネード]を打ち破る。

「………何処だ!?」

鬼幼女は[トルネード]を消したあとリリアの姿を探している。
だが、このチャンスを見逃すほどリリアは優しくない。

「ここですよ?[打突]!」

リリアは鬼幼女の後ろ側から[打突]による突きの一撃。
その攻撃が鬼幼女を貫く直前。

「っ![鬼力]!」

その言葉を鬼幼女が発した瞬間、鬼幼女の動きが早くなりリリアの攻撃を躱す。

「はぁ、はぁ、はぁ。」

完璧に躱したように見えたがどうやら躱しきれていなかったらしく、右肩から血が流れ出ている。

「まさか今のタイミングで躱すとは………。流石に予想外でした。……そしてその姿も。」

リリアの言うとおり鬼幼女の姿が変わっていた。
頭から延びていた双角はその大きさを伸ばし赤色のオーラを纏っている。
元々赤色だった目が更に濃くなり紅色の目になっているようだ。

「……なるほど分かった。どうやらあたしより強いらしいな。だが、その弱い武器でどれ程戦えるかな?」

その掛け声と共に鬼幼女が再び斬りかかる。
リリアは先程までと同様に攻撃を受けるが、威力を殺しきれず後ろに押される。

「っ!」

「ふっ!図星で反論もできない?さっきから剣に負担を掛けないように調整しているのはわかってんだぞ?どんなに調整しようとそのクソ雑魚な剣で[鬼力]を使っているあたしの攻撃をうけきれるわけないでしょ?」

鬼幼女はリリアが本気で剣を振ることが出来ないことを確信するとわざと大剣に負担が掛かるように全力で棍棒を叩き付ける。
鬼幼女は溜めをとるため少し下がる。

「あんたはこのあたしに傷を付けたことを誇ると良いよ。あたしも強さを評価して下僕としてこき使ってやるよ。[剛力][筋力値強化][敏捷値強化]……[振り回し]!」

強化スキルと強化魔法を発動させ今までだ一番の一撃をリリアに繰り出す。
対するリリアは

「一つ教えてあげます。………[武器硬化][武器魔法付与《ウェポンエンチャント》][二重武器魔法付与《ダブルウェポンエンチャント》…………[スラッシュ]]

鬼幼女の棍棒とリリアの大剣が衝突する。
お互いの力がぶつかり合い膠着している。
すると、メキッ………
嫌な音がして大剣にヒビが入る。
鬼幼女が笑っている表情が見えた。
数瞬程大剣は持ちこたえたが砕け散り、武器魔法付与による火炎と共に霧散する。
力を押し止めていた大剣が無くなったことにより、再び棍棒は加速する。
しかし、加速をし始めていた棍棒が再び停止する。

「っな!?」

棍棒を受け止めたのはリリアの左手だ。
鬼幼女は混乱しながらも棍棒を引き戻そうと引っ張るが、リリアが掴んでいるせいで思うように出来ていない。

「教えてあげます。……そしてこの剣は美月様のくれたプレゼント。クソ雑魚な剣ではありません………。」

僕のプレゼントだからと実力に見合っていないランクの低い武器を使っていてくれたことがうれしくなる。
それと同時に申し訳ない気持ちになってしまった。
そんなリリアの話を無視して、鬼幼女はなんとしても棍棒をリリアから取り戻すため両手で引っ張っている。

「くそ!離せあたしの武器だぞ!」

焦ったように棍棒を引っ張る鬼幼女に対して、リリアは更に左手に力を込める。
すると棍棒嫌な音をあげながら砕け散る。

「…………ほぇ…………?」

鬼幼女の口から僕を含むこの場にいる全員の気持ちを代弁したような言葉が漏れる。

「[土装撃]……[掌打]!」

呆然とした状態で腹を無防備にしていた鬼幼女にリリアの拳が突き刺さる。
メチメチという人体から鳴ってはいけない音をならしながら鬼幼女は吹っ飛ぶ。

「…………そして私は素手で戦う方が得意です。」

数m吹っ飛び木にぶち当たった鬼幼女は口から血を吐きながら答える。

「素手で戦えるとか………聞いてねぇよ………。早めに言えや………。」

「クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

  • TNKt_k

    ps望月さんへ。
    先生の存在はわたしも50話位の段階で放置してました。
    ………………。

    0
  • TNKt_k

    私にはゴールデンウィークはありませんがどうやら皆さんにはあるらしい。
    そこで久しぶりの連続更新です!
    皆さんはゴールデンウィーク楽しんでください!
    何とか隔日更新を維持できるように頑張りますのでこれからもよろしくお願いいたします!

    あと、タイトルがめっちゃネタバレな件について…………。

    0
コメントを書く