クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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172話 受付嬢


「中々美味しいご飯だったなあ………。食材は特別高い物ではなかったと思うけど、十分に素材を生かした味で美味しかった。」

宿娘の言った通り宿の飯は旨かった。
宿代は22シルバーで日本円で22000円。
結構高い気もするけどこの世界は魔物が居るため一般人が安全に暮らせる場所は城壁の中くらいしかない。
その城壁の外にある村々ではどうしても魔物に襲われるリスクがある。
だから城壁の中は地価が高く宿代も高いらしい。
メインストリートで同じサービスを受けるなら30~40シルバーを覚悟した方がいいらしい。
初めて来た街で最初から穴場を見付けられたようだ。

「美月様はああいった味がお好みですか?」

「う~ん。この世界に来てから初めて店で食べたご飯だからなぁ。比べてみないと分からないけど、かなり好みではあったよ。」

「そ、そうですか…………。」

さて、宿も決まったしあとは情報収集と言うことで来ました夜の冒険者ギルド。
リリアいわく酒場の併設された冒険者ギルドは夜になると冒険者達が交流を深めにやって来るらしい。
冒険者が依頼で行う魔物討伐・護衛等の依頼人は有力者有ることが多い。
必然的に冒険者には様々な情報が入ってくる。
そして冒険者からしても情報も飯の種になるのでお互い情報を交換しあうのだとか。

冒険者ギルドの中にはいると昼間は2,3人しかいなかった筈の冒険者が20人近くいる。

「いらっしゃいませ。……あっ!昼間に来られた新人さんですね!まさか早速来てくれるとは思いませんでした。サービスしますよぉ~♪……まさかこんな時間から依頼ってことはないですよね?」

そこにいたのは昼間に受付をしてきたサリーさんだ。

「こんばんは。夜はウェイトレスをやってるんですか?」

「別にいつもというわけではないですが、酒場のウェイトレスもギルドの受付嬢の仕事の一環なんです。ギルド受付嬢の仕事は朝勤・昼勤・夕勤・夜勤・休日の5パターンなんですが、夜はクエストの受注をする人も完了報告に来る人も少なくなり、酒場の客も増えるのでウェイトレス側に人手を寄せるんですよ。」

「なるほど……大変そうですね。」

「そんな事ないですよ。基本的に受付嬢の時ははダラダラしてるだけですし、ウェイトレスもお酒をついでに持ってくるだけですからね。客も冒険者ばかりなので少々適当でも全然大丈夫です。朝になったら覚えていないですし♪」

それでいいのかウェイトレス…………。

「そりゃねぇぜ、サリーちゃん~。」

「そうだ!あんまりだぁ~。」

周りの冒険者もその言葉に反応してる。

「しっかりとしたサービスが欲しいなら、もっと普段からもっと礼節を持った態度でいるか、もっと高ランクの冒険者になるかしてください。それだったら私もそれに応じたサービスをしますよ。」

「礼節なんてもんは無理だな。」

「だな、だったら、高ランクになってやるよ。」

「よし、じゃあ高ランクになったらサリーちゃん結婚してくれよぉ。」

「じゃあ、俺はアリスちゃんにする。」

「貴方は奥さんがいらっしゃるじゃないですか、独身になってから出直してください。奥さんにチクりますよ。」

「勘弁してくだせぇ。もうこれ以上金をむしり取られたら防具の整備すらできねぇよ。」

中々、受付嬢も冒険者も仲が良いようだ。

「すいません煩くて。注文が決まったら教えて下さいね。」

「おい、そっちの二人新顔だろ!そんな美人連れてるくせに、俺らのサリーちゃんが優しくしてるからっていい気になんよぉ!ちょっとこっち顔だせよ。」 

どうもからかい半分で呼ばれたみたいだな。
折角だし、あの人達から情報収集しますかね。


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