貴族に転生したけど追放されたのでスローライフを目指して自前のチートで無双します
国士騎士⑨
応接室で数分待っていると、シルウェ――宰相が部屋に入ってきた。
「アルト様、大変長らくお待たせしました。陛下が執務室でお待ちです」
「分かった。直ぐに行こう」
宰相にら連れられ、俺は陛下の待つ執務室に向かった。
――コンコン
「陛下、アルト様をお連れしました」
「うむ。入れ」
木製の両開きの扉を開き、執務室の中に入る。壁には、たくさんの本が並べられている。
「陛下、アルトでございます」
「あぁ、そこに座ってくれ」
「失礼致します」
俺は、示されたソファに腰掛けた。
「して、此度は何用だ? 」
「えぇ、少しお耳に入れておきたいことがありまして」
「なんだ? 申してみよ」
「私の信頼おける配下からの情報で、帝国の1部の貴族が武具を買い集めているとの事が」
「ほう、少し気になるな」
「はい。それで先程、監視を付けたのですが……」
「なんだ? 」
「1部の有力貴族、それにならい複数の貴族が帝都への進軍を開始したようです」
「なんだと、それは誠か? 」
「えぇ。間違いないでしょう」
陛下は頭を抱え、大きなため息をつく。
執務室の空気は、火をつければ瞬時に爆発してしまいそうな程にピリついている。
「シルウェ、今回のこと、お主はどう見る? 」
「はい。帝都への襲撃とあらば、国家への反逆。ここ数十年、王家の血筋が変わったことにより帝国の戦況は酷く落ち着いています。それに納得のいかないものの行動かと」
「お主もそう見るか」
やはりそうなるか。
俺も、直に好戦的な帝国を見た訳では無いが、書物によれば帝国の戦争狂っぷりは有名だ。
そして、それが落ち着いて来ていることもまた然り。
いずれにせよ、近々戦争が勃発することは予期しておかなければならない。
幸い、国士騎士の訓練は滞りなく終了し、想定していた以上の力をつけさせることが出来た。
「アルトよ、貴殿はいかがする? 」
「ひとまずは、様子見が妥当では無いでしょうか。帝国貴族が現国王を倒したとして、その被害は甚大なはずです。であれば、直ぐに戦争とはならないでしょう」
「そうであるな。だが、最低限の準備は必要だ。シルウェ、各貴族達に情報の伝達と、それに対する軍備の強化を命じておけ」
「御意に」
シルウェは、直ぐにその場から立ち去り早速業務へと取り掛かった。
陛下は、とりあえず大丈夫だと言わんばかりにほっと胸を撫で下ろしている。
「アルト、大進行の時と言い、此度の情報といい。貴殿には、1度公の場でしかと礼をさせてくれ」
「いえ、陛下には既にたくさんの恩義を受けております。この程度、当然でございます」
「だとしてもだ。ここは儂の顔を立てて、1度謁見を開かせてはくれんか」
「わ、わかり……ました」
「うむ。では早速、明日に取り行おうぞ」
と、急に謁見が開かれることが取り決まった。
俺自身、陛下に拾ってもらった身。陛下には二つ返事で従う覚悟と信頼、そして恩義があるのだが。
まぁ、国王の立場としてはしっかりと報酬を与えなければ、国としての面子が廃れるか。
「陛下、それではそろそろ失礼致します。明日は、よろしくお願い致します」
「あぁ、また明日な」
「では、失礼致します」
執務室から退室すると、外で控えていたメイドに城門まで付き添ってもらった。
「陛下より、明日の謁見は午後の1時頃と仰せ使っております」
「分かった。1時間くらい前に来ればいいか? 」
「はい。では、12時頃にこちらでお待ちしております」
俺が馬車に乗り込むと、メイドは深く頭を下げて見送りを続ける。
恐らくは、俺の乗る馬車が見えなくなるまでそのままだろう。
メイドも大変なものだ。
「アルト様、大変長らくお待たせしました。陛下が執務室でお待ちです」
「分かった。直ぐに行こう」
宰相にら連れられ、俺は陛下の待つ執務室に向かった。
――コンコン
「陛下、アルト様をお連れしました」
「うむ。入れ」
木製の両開きの扉を開き、執務室の中に入る。壁には、たくさんの本が並べられている。
「陛下、アルトでございます」
「あぁ、そこに座ってくれ」
「失礼致します」
俺は、示されたソファに腰掛けた。
「して、此度は何用だ? 」
「えぇ、少しお耳に入れておきたいことがありまして」
「なんだ? 申してみよ」
「私の信頼おける配下からの情報で、帝国の1部の貴族が武具を買い集めているとの事が」
「ほう、少し気になるな」
「はい。それで先程、監視を付けたのですが……」
「なんだ? 」
「1部の有力貴族、それにならい複数の貴族が帝都への進軍を開始したようです」
「なんだと、それは誠か? 」
「えぇ。間違いないでしょう」
陛下は頭を抱え、大きなため息をつく。
執務室の空気は、火をつければ瞬時に爆発してしまいそうな程にピリついている。
「シルウェ、今回のこと、お主はどう見る? 」
「はい。帝都への襲撃とあらば、国家への反逆。ここ数十年、王家の血筋が変わったことにより帝国の戦況は酷く落ち着いています。それに納得のいかないものの行動かと」
「お主もそう見るか」
やはりそうなるか。
俺も、直に好戦的な帝国を見た訳では無いが、書物によれば帝国の戦争狂っぷりは有名だ。
そして、それが落ち着いて来ていることもまた然り。
いずれにせよ、近々戦争が勃発することは予期しておかなければならない。
幸い、国士騎士の訓練は滞りなく終了し、想定していた以上の力をつけさせることが出来た。
「アルトよ、貴殿はいかがする? 」
「ひとまずは、様子見が妥当では無いでしょうか。帝国貴族が現国王を倒したとして、その被害は甚大なはずです。であれば、直ぐに戦争とはならないでしょう」
「そうであるな。だが、最低限の準備は必要だ。シルウェ、各貴族達に情報の伝達と、それに対する軍備の強化を命じておけ」
「御意に」
シルウェは、直ぐにその場から立ち去り早速業務へと取り掛かった。
陛下は、とりあえず大丈夫だと言わんばかりにほっと胸を撫で下ろしている。
「アルト、大進行の時と言い、此度の情報といい。貴殿には、1度公の場でしかと礼をさせてくれ」
「いえ、陛下には既にたくさんの恩義を受けております。この程度、当然でございます」
「だとしてもだ。ここは儂の顔を立てて、1度謁見を開かせてはくれんか」
「わ、わかり……ました」
「うむ。では早速、明日に取り行おうぞ」
と、急に謁見が開かれることが取り決まった。
俺自身、陛下に拾ってもらった身。陛下には二つ返事で従う覚悟と信頼、そして恩義があるのだが。
まぁ、国王の立場としてはしっかりと報酬を与えなければ、国としての面子が廃れるか。
「陛下、それではそろそろ失礼致します。明日は、よろしくお願い致します」
「あぁ、また明日な」
「では、失礼致します」
執務室から退室すると、外で控えていたメイドに城門まで付き添ってもらった。
「陛下より、明日の謁見は午後の1時頃と仰せ使っております」
「分かった。1時間くらい前に来ればいいか? 」
「はい。では、12時頃にこちらでお待ちしております」
俺が馬車に乗り込むと、メイドは深く頭を下げて見送りを続ける。
恐らくは、俺の乗る馬車が見えなくなるまでそのままだろう。
メイドも大変なものだ。
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