現代地獄

アーカム

異変


午前6時23分。
既に起きてから20分を過ぎていた。
体感ではまだそれほど経っていない気がしていたが時計を見て少し驚いた。

少し前であればもう学校へ行く準備をしているところだ。

そう考えていると頭がだんだんと痛くなってくる。

吐き気も出てくる。

怖くなる。

あの日の記憶が鮮明に蘇ってくる。

僕には友達がいた。
でも死んだ。
あの日、僕の前で彼は死んだ。

それは、何日か前の出来事。
僕が引きこもる前の日。

僕と彼は小さい頃からの友達でいつも一緒だった。
彼はとても大人しい性格であまり自分を表に出すタイプじゃ無い。
けれど僕だけには、いつも色々な事を話してくれた。
楽しい事。嬉しい事。悲しい事。苦しい事。なんでも。

それは、高校生になってからでも変わらない。変わらないと僕は思っていた。
けれどそれは違った。

僕は高校生に入ってから初めて部活に入った。
テニス部だ。
今までろくに運動なんてした事なかったけれど、多分高校を卒業したら僕は大学には行かずに就職したいと思っていたから学生生活は高校が最後になるし1つくらい青春ぽい事をしようと思ったから入って見た。


そのせいなのかもしれないが部活に入ってからはあまりにも僕が忙しくなってあまりあいつと遊ばなくなってしまった。

学校で会えば遊んだり話したりするのだけれど帰りは、時間が合わなくなったり僕が疲れてしまってこれから遊ぼうなんて誘う気力がなかった。

そうすると次第に会う時間も少なくなり、あの日が来る少し前まで僕は彼と合わなくなった。

ある日の事僕は朝の部活練習が終わり、教室に向かおうと階段を上っていると、向かい側から階段を降りて来る彼の姿があった。

「おはよう。」

僕は階段を上りながら彼に挨拶をした。

「…」

彼は僕の挨拶が聞こえなかったのかそのまま何も言わずに階段を下っていった。

「何だよあいつ…」

僕は少しイラッとした。
確かに最近はあまり話したりとか会う事も無かったけど、無視する事はないじゃ無いか。
そう思って彼の事を思い出すとそういえば今とても暗い顔をしてるように見えた。
そう考えると何かあったのかと心配になり彼を追いかけることにした。

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