ネトゲ戦車長がガチの戦車乗りになるみたいです。

亀太郎

肇、居候を始める。

「 ……ありがとう、だいぶ落ち着いた。」
肇は少し照れながら少女に話しかける。
「そう……良かった。」
少女も照れながら小さな声で返す。
「あ、自己紹介がまだだっけ。僕は黒鉄 肇。ハジメでいいよ。よろしくね。」
「私はミーニャ。この村で農業をして生活してるわ。よろしくね。」
肇は気になったことを質問し始めた。
「まず、ここはどこなんだ?」
「ここは猫族の領地の端にある小さな村、私も長年住んでるけど正式な名前は聞いたことがないの。みんなは端の村って呼んでるわ。」
「猫族?この世界には他にも種族がいるのかい?」
「……ねぇハジメ、もしかしてあなた……元々猫族じゃ無かったりする? 」
「……何で分かった?」
肇が警戒しながら尋ねる。
「いや、だって……さっきから耳が本物だとか、種族も知らないとか怪しいことだらけよ?もしかして、別の世界から来たとか?……冗談よ。まさかそんな事が」
「その通りだよ。」
えっ?とミーニャが声を出す。
「僕だってよく分からないんだ。倒れてからの記憶が無いし……でもね、ここが元の世界じゃないってことは分かるんだ。不思議だよね。」
長い沈黙が続く。
ミーニャが呟く。
「……そう。まぁいいわ。ハジメは住むところとかあるの?……無いわよね。」
「申し訳ない。」
「……しばらくは私の家にいてもいいわ。でも、その代わり……」
ミーニャが肇に近づく。
「私の手伝いをしてもらうからね。」
微笑んだその顔はとても可愛かった。
「っ!?あ……あぁ、もちろんだよ。出来ることなら何でもするよ。」
肇がオドオドしてるのを見てミーニャが笑う。
「ふふっ。何照れてるの?あたしに惚れちゃった?」
「ぅ…い…いや、そんなことは無い。」
図星である。
「ふぅーん。あ、もうこんな時間。そろそろ寝ないと。」
ミーニャは窓の外を見ていう。いつの間にか外は真っ暗になっていた。
「ハジメも早く寝なさいよ。明日は早くから手伝ってもらうからね。じゃ、おやすみ。」
「お…おやすみ。」
ドアが閉まる。肇はしばらく窓の外を見ていたが、やがて眠りについた。空には満天の星が輝き、宝石のようだった。

それと同時刻。
肇がいる村から50キロ程離れた平原では、多くの兵士が羽を休めていた。その中に、テントが立っている。
「司令官、目的地までおよそ50キロです。」
司令官と呼ばれる男は振り向く。顔に巨大な傷を持ち、まさに歴戦の名将と言うべき男だ。
「ほう……今回はどれほどの収穫が期待できる?王への奴隷が欲しいのだ。なるべく美しい少女がな。」
野太い声で不気味に笑いながら兵士に尋ねる。
「はっ、今回の村は猫族の縄張りですので、奴隷には申し分ないかと。」
ニヤリと男の顔が歪む。炎に照らされるその顔は、悪魔と呼ばれるに相応しい顔であった。

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どうもー亀太郎ですー。
最近ねぇ、PC壊れちゃったんですよぉ……
テンションダダ下がりの中書いてます。
本日は連続投稿です。6時15分には次の話が出ると思います。お楽しみに。

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