99回告白したけどダメでした
50話
「あら~若いって良いですね~。確かにこのままでも十分可愛いんですけど、コレなんか着たら、もっと可愛くなると思うんですよね~」
誠実は店員にそういわれ、当たり前だろうと思う。
モデルをやっているわけだし、スタイルは悪くない。
誠実は家に一緒に居る時などに、美奈穂の私服を見ることは多いが、ダサいと思ったことは一度もない、毎回流石と言いたくなるようなセンスの良い服を着ている。
「まぁ、可愛くなるならないより、本人が気に入るかどうかじゃないっすかね? 俺は別に口出さなくても……」
口出しをする必要はない、そう言おうとした瞬間、店員はハッと何かに気が付き、誠実の言葉を遮り、少し早口で話始める。
「つまりこういう事ですね! もう彼女は十分可愛いから、何を着ても似合うのは分かっている! それなら本人が気に入ったものを着せるのが一番であり、自分は何も言うことは無い! そういう事なんですね!」
「えっと……もう、それでいいです……」
誠実は店員のテンションの高さに圧倒され、言い返す気力を無くす。
美奈穂は相変わらず顔を真っ赤にしながら、何かをブツブツつぶやいて洋服を選んでいる。
店員は誠実と話を終えると、美奈穂の方に戻って行き、何か美奈穂に耳打ちをしている。
何を話しているか、誠実の居るところからは聞こえなかったが、耳打ちされた美奈穂は更に顔を真っ赤にしていた。
「あ~、あぁいう店員ちょっと苦手なんだよな~」
一件目が終わり、誠実と美奈穂は外のベンチで休んでいた。
結局、美奈穂は何点か洋服を買い、一件目から荷物が出来てしまった。
店を出てから、美奈穂はあまり誠実に話をかけない。
何か自分がやってしまったのだろうか?
誠実はそう考え、恐る恐る美奈穂に尋ねる。
「美奈穂?」
「ふぇっ! な、ない?」
「なんだ? 変な声出して……いや、なんかさっきからなんも喋んないから、機嫌でも悪くさせちまったかなって」
「そ、そんな事ないわよ! さぁ、早く次に行くわよ!」
「だから、少し待てって!!」
素早く立ちあがり、美奈穂はさっさと次の店に向かい始める。
誠実は荷物を持ち、遅れないように美奈穂の後をついていく。
「……」
「……なぁ」
「なによ、どうかした?」
誠実は美奈穂と歩いていて、あることに気が付いた。
それはすれ違う人間のほとんどが、美奈穂を見ているという事だ。
一緒に居る誠実にまで、その視線を向けられるため、視線に慣れていない誠実は、なんだか変に緊張してしまう。
「お前って、毎日こんな感じなのか?」
「ん? 何がよ」
「いや…視線って言うか……」
「あぁ、もう慣れたわ、撮影なんかでも注目されることはあるから」
「そ、そうか……」
そうは言われても、誠実は全く慣れていない。
すれ違う人すべてから視線を浴びているようで、なんだか少し疲れる。
その後も誠実と美奈穂は店を回った。
数件回ったところでお昼になり、2人はファミレスに入り、昼飯を食べようとしていた。
「ご、午前中だけで……これかよ……」
「何へばってんのよ。本番は午後からよ」
「ま、マジか……」
午前中だけでもこれだけ疲れてしまったのに、午後は一体何件回ることになるのだろうと、誠実は考えるだけで疲れてしまう。
「ま、今のうちに休んでおいてよ。お昼は少しゆっくりで良いから」
「そうする……ちょっとトイレ行ってくる」
誠実はそう言って席を立ち、誠実はトイレに向かう。
一人になり、誠実は昨日の事を考える。
綺凛は、昨日の話を信じてくれただろうか?
あれから、美沙からの連絡はない、美沙はしっかり伝えてくれたのだろうか?
誠実はそんな事を考えながら、用を澄まし、美奈穂の元に戻る。
「ん? なんだあれ?」
誠実が席の方を見ると、茶髪の若い男2人が、美奈穂に話かけていた。
見るからにナンパらしく、誠実はどうしたものかと考える。
しかし、考えたところで別に良い案など直ぐに出る訳もなく、誠実はため息交じりにテーブルに近づいて言う。
「美奈穂、誰だ?」
誠実が席に近づいてそういうと、茶髪の男たちは面白くなさそうな顔でいう。
「っち、なんだよ連れが居んのかよ……」
「面白くねーの」
以外にもあっさり男2人は美奈穂と誠実の元から離れていく。
「なんだ、ナンパか?」
「多分、まぁ私はずっと無視してたけど」
「しっかし、中学生をナンパするなんてな……一歩間違ったら犯罪だぜ?」
「バカなんでしょ? ナンパする連中なんて、ロクな奴じゃないわよ」
注文した料理を食べながら、美奈穂が呆れた様子で言う。
なんだか慣れた感じの物言いに、こういうことが多いのかと誠実は思う。
「なぁ……」
「何よ」
「やっぱりお前ってモテるの?」
「い、いきなり何よ!」
誠実のいきなりの質問に、美奈穂は驚く。
「いや、なんか気になって。告白とか良くされるの?」
「ま、まぁ……告白されたことは…何回か」
恥ずかしそうにしながら、美奈穂は誠実に話す。
「ふーん、誰か良い人とか居ないのか? ま、お前に彼氏なんてできたら、親父が泣くだろうけど」
誠実も料理を口に運びながら、美奈穂にそんなことを尋ねる。
美奈穂は相変わらず、どこか恥ずかしそうな様子で話始める。
「別に居ないわよ……友達からも言われるけど、私はまだそういうのは良いの!」
「おいおい、青春は直ぐ終わっちまうんだぞ? 彼氏ぐらい作って、貢がせればいいだろ?」
「おにぃは、私の事をキャバ嬢か何かと思ってない?」
「え? 違うの?」
「そんなんだから、おにぃは振られるのよ」
「ぐはっ! お、お前……だからそれを言うなって……」
冗談のつもりで言ったはずが、返り討ちにされてしまった誠実。
美奈穂の辛辣な一言に、誠実はショックを受ける。
「私も付き合った経験ないから、あんまり偉そうなことは言えないけど、おにぃは変なとこで無神経だから、モテないのよ」
「お、お願いだから……これ以上攻撃しないで……」
「おにぃみたいなのが、ちょっと女子に優しくされただけで、自分のこと好きだと勘違いしちゃうのよ」
美奈穂は言葉を止めない。
料理を食べながら、美奈穂は誠実を言葉で攻撃し続ける。
誠実の先ほどの切り返しが、美奈穂は少しカチンと来たらしく、仕返しと言わんばかりに、言葉で誠実を攻撃し続ける。
誠実は店員にそういわれ、当たり前だろうと思う。
モデルをやっているわけだし、スタイルは悪くない。
誠実は家に一緒に居る時などに、美奈穂の私服を見ることは多いが、ダサいと思ったことは一度もない、毎回流石と言いたくなるようなセンスの良い服を着ている。
「まぁ、可愛くなるならないより、本人が気に入るかどうかじゃないっすかね? 俺は別に口出さなくても……」
口出しをする必要はない、そう言おうとした瞬間、店員はハッと何かに気が付き、誠実の言葉を遮り、少し早口で話始める。
「つまりこういう事ですね! もう彼女は十分可愛いから、何を着ても似合うのは分かっている! それなら本人が気に入ったものを着せるのが一番であり、自分は何も言うことは無い! そういう事なんですね!」
「えっと……もう、それでいいです……」
誠実は店員のテンションの高さに圧倒され、言い返す気力を無くす。
美奈穂は相変わらず顔を真っ赤にしながら、何かをブツブツつぶやいて洋服を選んでいる。
店員は誠実と話を終えると、美奈穂の方に戻って行き、何か美奈穂に耳打ちをしている。
何を話しているか、誠実の居るところからは聞こえなかったが、耳打ちされた美奈穂は更に顔を真っ赤にしていた。
「あ~、あぁいう店員ちょっと苦手なんだよな~」
一件目が終わり、誠実と美奈穂は外のベンチで休んでいた。
結局、美奈穂は何点か洋服を買い、一件目から荷物が出来てしまった。
店を出てから、美奈穂はあまり誠実に話をかけない。
何か自分がやってしまったのだろうか?
誠実はそう考え、恐る恐る美奈穂に尋ねる。
「美奈穂?」
「ふぇっ! な、ない?」
「なんだ? 変な声出して……いや、なんかさっきからなんも喋んないから、機嫌でも悪くさせちまったかなって」
「そ、そんな事ないわよ! さぁ、早く次に行くわよ!」
「だから、少し待てって!!」
素早く立ちあがり、美奈穂はさっさと次の店に向かい始める。
誠実は荷物を持ち、遅れないように美奈穂の後をついていく。
「……」
「……なぁ」
「なによ、どうかした?」
誠実は美奈穂と歩いていて、あることに気が付いた。
それはすれ違う人間のほとんどが、美奈穂を見ているという事だ。
一緒に居る誠実にまで、その視線を向けられるため、視線に慣れていない誠実は、なんだか変に緊張してしまう。
「お前って、毎日こんな感じなのか?」
「ん? 何がよ」
「いや…視線って言うか……」
「あぁ、もう慣れたわ、撮影なんかでも注目されることはあるから」
「そ、そうか……」
そうは言われても、誠実は全く慣れていない。
すれ違う人すべてから視線を浴びているようで、なんだか少し疲れる。
その後も誠実と美奈穂は店を回った。
数件回ったところでお昼になり、2人はファミレスに入り、昼飯を食べようとしていた。
「ご、午前中だけで……これかよ……」
「何へばってんのよ。本番は午後からよ」
「ま、マジか……」
午前中だけでもこれだけ疲れてしまったのに、午後は一体何件回ることになるのだろうと、誠実は考えるだけで疲れてしまう。
「ま、今のうちに休んでおいてよ。お昼は少しゆっくりで良いから」
「そうする……ちょっとトイレ行ってくる」
誠実はそう言って席を立ち、誠実はトイレに向かう。
一人になり、誠実は昨日の事を考える。
綺凛は、昨日の話を信じてくれただろうか?
あれから、美沙からの連絡はない、美沙はしっかり伝えてくれたのだろうか?
誠実はそんな事を考えながら、用を澄まし、美奈穂の元に戻る。
「ん? なんだあれ?」
誠実が席の方を見ると、茶髪の若い男2人が、美奈穂に話かけていた。
見るからにナンパらしく、誠実はどうしたものかと考える。
しかし、考えたところで別に良い案など直ぐに出る訳もなく、誠実はため息交じりにテーブルに近づいて言う。
「美奈穂、誰だ?」
誠実が席に近づいてそういうと、茶髪の男たちは面白くなさそうな顔でいう。
「っち、なんだよ連れが居んのかよ……」
「面白くねーの」
以外にもあっさり男2人は美奈穂と誠実の元から離れていく。
「なんだ、ナンパか?」
「多分、まぁ私はずっと無視してたけど」
「しっかし、中学生をナンパするなんてな……一歩間違ったら犯罪だぜ?」
「バカなんでしょ? ナンパする連中なんて、ロクな奴じゃないわよ」
注文した料理を食べながら、美奈穂が呆れた様子で言う。
なんだか慣れた感じの物言いに、こういうことが多いのかと誠実は思う。
「なぁ……」
「何よ」
「やっぱりお前ってモテるの?」
「い、いきなり何よ!」
誠実のいきなりの質問に、美奈穂は驚く。
「いや、なんか気になって。告白とか良くされるの?」
「ま、まぁ……告白されたことは…何回か」
恥ずかしそうにしながら、美奈穂は誠実に話す。
「ふーん、誰か良い人とか居ないのか? ま、お前に彼氏なんてできたら、親父が泣くだろうけど」
誠実も料理を口に運びながら、美奈穂にそんなことを尋ねる。
美奈穂は相変わらず、どこか恥ずかしそうな様子で話始める。
「別に居ないわよ……友達からも言われるけど、私はまだそういうのは良いの!」
「おいおい、青春は直ぐ終わっちまうんだぞ? 彼氏ぐらい作って、貢がせればいいだろ?」
「おにぃは、私の事をキャバ嬢か何かと思ってない?」
「え? 違うの?」
「そんなんだから、おにぃは振られるのよ」
「ぐはっ! お、お前……だからそれを言うなって……」
冗談のつもりで言ったはずが、返り討ちにされてしまった誠実。
美奈穂の辛辣な一言に、誠実はショックを受ける。
「私も付き合った経験ないから、あんまり偉そうなことは言えないけど、おにぃは変なとこで無神経だから、モテないのよ」
「お、お願いだから……これ以上攻撃しないで……」
「おにぃみたいなのが、ちょっと女子に優しくされただけで、自分のこと好きだと勘違いしちゃうのよ」
美奈穂は言葉を止めない。
料理を食べながら、美奈穂は誠実を言葉で攻撃し続ける。
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