グンマー2100~群像の精器(マギウス)
第47話 NEO埼玉の怒れる司令官★
翌朝のNEO埼玉、医療室。 プルプルと怒りで、躰を震わせているジョン指令がいる。 横には医師らしき白衣の女性がいる。
彼の目の前には、虚ろな瞳の少女達。
<a href="//19656.mitemin.net/i234811/" target="_blank"><img src="//19656.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i234811/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>
『彼女達の容態は?』
「暴行の跡が多数、違法薬物の反応が有ります」
『意識が戻る事は?』
「残念ながら、有りません」
『暴行というのは……どの様な程度で』
「胃や体内に、大量の男の体液が有ったと言えば」
『シット!シット!』
ガンっと机を右手で、叩く。
ジョン司令は、激怒している。 彼には、少女達と同じ様な歳の娘がいるのだ。 その様な娘達を誘拐し、乱暴する許しがたい行為なのだ。
「ねぇ、女医さん?」
「ブレナンと呼んでください、グンマー首席の賢治殿」
<a href="//19656.mitemin.net/i234812/" target="_blank"><img src="//19656.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i234812/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>
「ブレナンさん、彼女達はどうして意識が戻らないの?」
「そうね、此れを見れくれるかしら?」
映像を展開し、説明する。
~~説明~~
少女達は、度重なる暴行を受け意識を閉じ込めた。 意識という存在は、脳の理解で生じる。 意識が有るから精神が有るか、その逆かは不明。 外の反応を完全に、シャットダウンした。
その為、外から反応を与えても反応する事は無い。 本人が、外部の環境が変わったと分かるまで意識が戻る事は無い。
~~終了~~
暫く賢治は、首を傾け手を打つ。
「っという事は、脳内に直接働き掛ければ良いのですね」
「我が国でも、その理論は有り、臨床試験まで行いました」
「確か、電気刺激による脳の活性化ですね」
「流石です……ご存知の様に結果は」
「脳が焼き切れ、死亡した」
「そうです、その為。不可能と判断しました」
「我が校もある物を作っています」
賢治は、スマホの映像を投影する。 映像には、カチューシャの様な物に猫耳の様な板が付いた物が映る。 更には、データが表示される。
「まさか、こんな事!本気ですか?」
『どうした?ブレナン』
女医の慌てぶりに、ジョン司令が声を掛ける。
「擬似精神回路を使い、躰を動かす。そんなの人間では無く、機械だ!」
『確かに、擬似生物兵器と言える』
「2人とも待ってください!回復率を見てください」
女医は、マジマジと数値を見る。
「回復率が100%!信じられない」
「彼等の多くが、ビースト戦で負った、PTSDから回復しました」
『一般兵士に使えるのか!』
ジョン司令から思わず声が飛ぶ。 米軍にとって、心的外傷後ストレス障害は国家の悩み。 中東で、非正規戦闘。 ビーストに襲われた街で、悲惨な状況下での発狂。
心的外傷後ストレス障害、通称PTSDが発症している。 PTSDは、外装武器が使用不可になる。
「残念ながら、適合者だけです。基本はマギウスを媒介します」
『そうか、残念だ。で、彼女達は群馬に連れていくのか』
「ウン、そうだね」
『では、可能なら国連の技術者を数名』
「お断りします。我々は、無能でクズな国連を信用していない」
『では、彼女達を連れて行かせる、訳には行かない』
「イヤ、彼女達はグンマー出身ですよー。理由無くして拘束は出来ない」
賢治は、データを見せる。 彼女達の住所・本籍等が、グンマー出身と表示されている。
『なっつ!!』
「そういう事です。彼女達の身柄は、我が校が貰い受けます」
『戸籍情報を弄っただと!だが、自校生徒の失踪に、首席は責任が有る!』
ジョン司令は、悪い笑みを浮かべる。 彼女達の失踪に気が付か無かった事に、責任を取れというのだ。
「ジョン司令!」
乙姫が思わず声を上げる、彼女達は首都圏校の生徒達。 本来なら、乙姫首席に責任が有る。
「ジョン司令、貴方もですよ!」
『どういう事だ?』
「基地内に、少女達が陵辱されるポルノ映像を買う基地外の兵士を置くなんてね」
スマホから映像が、展開される。 其処には、基地内の末端から高級将校の情報が乗る。 全て、ポルノ映像を買った人物のデータである。
「ジョン司令!貴方も基地の最高責任者として、責任を負う必要が有る」
部下の失態は、上司の責任でありジョン最高司令の責任だと言う。 先に、賢治に言った事の通りの事を言うなら、自分も責任を取れ。 実に簡単で、普通の提案をしている。
『ぐっつ』
「自ら発見し、裁けば。【責任】は貴方に無いと思うですがね」
『つまり、何を言いたい』
「私も彼女達を発見し、相手を裁き彼女達の憎む相手を倒した」
『私に、部下を裁けと?』
「大量破壊兵器の無い国に、戦線布告し首脳陣を裁いた国が言いますか?」
『うっつ』
「不朽の自由作戦と名づけましょうか?」
ど皮肉直球の言葉を投げる。
米軍は未だに中東でテロリスト。 本国と周辺国で、ビーストとの戦闘が始まっている。 2000年から100年たった今でも、戦争は続いている。
「余計な口を挟むとイスラームとビーストに、グンマーが参戦しますよ」
脅すような口ぶりで、ジョンに言う。 バチリ、バチリと殺気にも似た嫌な音が、周りに響く。
『分かった、彼女達の移動を認めよう』
「ありがとうございます、此方もブレナン博士の入校を認めます」
ジョン司令と賢治首席は、互いに瞳を笑わせず笑顔で握り合う。
「午後には、専用機が迎えに来ます。ブレナン博士も準備して下さい」
「分かったわ」
『さて、朝から会議だ!やる事は沢山有る』
「そうですね……やりますか」
3人は、会議室へ向かった。 この時、司令官のジョンがグンマー校の専用機が、来る事を伝え忘れる。 それが、またとある事態を発生させる。
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