地味な俺がなんでモテるの!?

斉藤 自由

第11話 修羅場?

「成城?」

俺は今ドアを開けた事を後悔した
何故ならばこの未来と楓を鉢合わせると必ず不幸になる

「成城にぃ?」

そうこの二人は……

「「え?」」

犬猿の仲だからだ

「成城にぃ?なんでここに知恵遅れのお猿さん未来がいるのかな?」

「成城?何でここに吠える事しか出来ないわんちゃんがいるのかしら?」

お互い軽くジャブを打ち合った事で
両方の口角がピクっと動いている

「や やだなー 未来ちゃんてばー 昔のみたいにカエちゃんって呼んでも良いのにー」

「楓ちゃんこそー 昔見たいに仲良く話しましょうよー」

ここで楓が何かを思いついた様に 手を打ち

「そうだ!だったら成城にぃに聞いて見れば良いよ!」

「そうね!私達昔見たいに仲が良いか成城に聞いてみるのが良いね!」

そして二人は笑顔で成城を見るが全然笑っていない様にみえる
この時同じ状況の人はどう回避すれば良いのだろう

「そ それよりも 未来の親御さんにはちゃんと伝えてあるのか?」

「ちゃんと伝えたに決まってるじゃない」
 
「大丈夫なのか?」

「大丈夫だからここに来てるんでしょ?」 

っと成城はわかっていても思わず聞きたくなるほど精神的に参っていた

「じゃあここで立ち話もなんだからさ」

っと未来と楓をリビングに行くように促す

「未来ごはんは?」

「食べて来たから大丈夫」

「じゃあ適当にゆっくりしてくれ」

っと成城は特に見たい番組は無いがソファーに座りテレビの電源を着ける

その時隣に未来がソファーに座って来た

「なんだよ」

「べ別に私もテレビが見たいだけよ」

「にしても近くないか?」

ソファーは長さ的に3人まで座れるのだが
わざわざ成城の隣に座ったのだ

「見にくいでしょ」

とこれは動かないと判断した成城は まぁいいか とそのままにした

「ジー」

何か誰かの視線が突き刺さる感じがしたので
後ろを見てみると…

「楓?」

「ジーーーー」

っと楓は更に刺している様なジト目を向けてくるので成城はテレビが見たいんだと思った

「楓も見るか?」

っと楓を誘った瞬間未来から ちぃ と聞こえたが気にしない事にした

「うん 見る」

と楓は嬉しそうにソファーに向かい成城の隣に座るかと思いきや

「あのー楓?」

「何?成城にぃ?」

「見にくいんだか」

と楓は成城の上に座りテレビを見ていた

「えー良いでしょこれくらい」

と楓は未来に聞こえるくらいに大きな声で

「兄妹なんだからー」

「ぐぬぬ」

と何故か未来は明後日の方を見ていた
案の定成城は まぁいいか と思いテレビの続きを見始めた

暫くして成城はそろそろ日課のランニングの時間になりその準備を始めた
 
「成城?」

「成城にぃ?」
 
と二人は成城の日課を知らないため何処に行くのかと言う目をしていた

「まぁちょっと運動するだけだ」

「ふーんあんた普段そんな事してるんだ」

と意外と言う反応をしていた

「まぁな じゃあちょっと行ってくる」

「ちょっと待ってあたしも行く」

と未来は自分でのバックから着替えを取り出し直ぐ様成城の部屋に入って行った

「しょうがないか」

と成城はランニングの前のストレッチをしていると

「おまたせ」

「大丈夫だ」

とドアから出てきた未来は薄いピンクの袖無しTシャツに黒のショートパンツだった

「結構準備が良いんだな」

「私も夜体を動きたくなる時があってね」

と いちっにっさん とストレッチをしていた

「それにしてもあんたその格好…」

っと未来は成城を見て

「サウナスーツ?」

「あぁ」

っと成城はストレッチを続けていた

「あなた何かスポーツやってるの?」

「まぁな」

っと成城は時計からタイマーをセットした

「そう言えばお前とは昔っからかけっこで俺には勝てなかったな」

と未来を見てニヤニヤしていると未来は嘲笑うかの様に

「ふんそんなの昔の事よ」

と成城の隣に並んだ

「じゃあ行くぞスタートから30分」

「どっちか抜かしていた方が勝ちね」

「よーい」

「「どん!」」



 


スタートの合図から何十分経ったのだろう…

未来の前を成城はずっと走っていた

(そんな…)

と未来は汗を流しながら走っていた
未来は運動に関しては自信があった何故ならば中学の10キロメートルのマラソン大会毎回上位にいて走り終わってもそこまで疲れを感じていなかった

そして今成城に挑発され少し本気になり最初から少し飛ばし始めたが成城のダッシュ力は未来を容易に抜かしていた
成城は昔から短距離が得意であったのでそこまでは驚かなかった
長距離が得意な未来は後になれば抜かせると思っていたからだ 

だが今はどうだ未来はそろそろスピードが落ちてくると言うのに成城は当たり前かの様に涼しい顔をして走っていた

その時未来は成城の日々の努力が見えた気がした





ピピピピピっとセットしていたタイマーがなり始めたのでそれを止めて後ろを振り向いたが未来は10メートル後ろにいてまだ走っていた
未来の顔を見るととても疲れている様であった

「まぁ俺は俺の事をするだけだ」

と成城はシャドウボクシングをしていた
少しすると未来が息を切らしながら到着した

「はぁはぁあんたはぁはぁ速すぎよ」

「まぁなじゃあそろそろ帰るか」

「はぁはぁ何…で?」

と未来は成城の顔を見ていた多分まだトレーニングの途中だと勘づかれたらしい

「まぁ今日はこの辺で良いだろう」

「ばか…」

と少し顔を赤くしていた未来は成城に聞こえないくらい小さな声でそう呟いた

少しその場で休み未来はもう息を調えていた

「飲むか?」

「うん」

と成城はスポーツドリンクを未来に渡した


「これって…」

「あぁ悪い近くに自動販売機が無くてな俺のだ」

とさっきまで成城が飲んでいたスポーツドリンクを渡されたのだった

「ん…」

っと少し顔を赤くした未来はそれを飲んで成城に返した

「ご馳走さま」

「どういたしまして」

と二人は特に会話も無く家に帰るのであった








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