異世界転生で神話級の職業!死の神のチート能力で転生

つくつく

34知らせ

あたりに眩しい光と轟音が響いた後、優は倒れたまま目を見開くと、バランは立ったまま、死んでいた。
そして、その表情はどこか嬉しそうにも穏やかそうにも見える顔だった。
つくづく戦闘狂だなと思い、体を動かそうとするが、体は全く言うことを聞いてくれない。全身に力を込め、再度挑戦するが、同じことだった。
緊張の糸が切れたのか、途端に眠くなるのを感じた。
そんな時、不意に足音が聞こえ、そちらを見ると、そこにはダバコを加えたロイさんが立っていた。
ロイさんはこちらを見ると
ロイ「…お疲れさん」
とだけ言うと担ぐようにして優を持ち上げ、バランの方に一瞬目線を送ったが、何も言わない代わりに、その横を通り過ぎる際に肩にポンっと手を置いた。

目が覚めると、いつも通りの天井が見えた。
美奈「おはようなのだ!」
といつも通りの元気な声が聞こえる。
と、そこで自分の右手が握られているのに気づき、まさか美奈が!?などと思ったが、もう1つの声により、それが誤解だと分かった。
ノア「おはようとは何?」
ノアの声だ。そういえば、こんな状況だったなと思いながら上体を起こした。
美奈「おはようとは、起きた時にする挨拶なのだ」
ノア「こんな夜遅くに起きるなんて美奈、悪い子ね。」
美奈「ち、違う!私が起きたのではなく、優が今起きたのだ!」
ノア「おはようとは起きた相手にするものなのね。」
美奈「そうなのだ。」
ノア「優おはよう」
ノアが美奈のことを名前呼びしてるのをみて、なんだかんだで仲良くなったのかもしれない。
優「あぁ。おはよう二人とも」
ノア「ところで優。」
優「ん?」
ノア「あなた、美奈とどんな関係?」
優「へ?」
意味がわからずに、美奈の方に視線を向けると、美奈はサッと優から視線を逸らした。
ノア「私が赤頭にここに連れてこられて私がこの部屋に入った時、美奈が倒れてるあなたに抱きついていたわ」
優「本当に何してたの!?」
美奈「ご、誤解を招く言い方をするな!」
美奈がたまらずと言った様子で立ち上がり顔を真っ赤にして抗議した。
ノア「?…では、美奈、何をしてたの?」
美奈「お、お前には教えてやらん」
そう言って恥ずかしいのを我慢するようにして、視線を逸らした。
ノアは、疑問を隠しきれないと言ったように頭の上に?を作った。
そこで優も考えを巡らせていたが、1つ思い当たる節があった。
おそらく、美奈が血を吸っていたところにノアが来たのだろう。それがノアからしたら、美奈がこちらに抱きついているように見えたのかもしれない。
優「そ、その話はとりあえず置いといて、冬馬と一は無事なのか?」
それに美奈が頷くと
美奈「うむ。目が覚めた途端に暴れ出して大変だったぞ。」
優「あはは」
美奈「暴れ出して大変だと、レイに言うともっと大変だったぞ。」
余計に怪我が増えないだろうかと、少し心配になってきた。
コンコンとノックされ、ロイさんがドアを開け、こちらの状況を確認すると
ロイ「お!美女二人を侍らせるなんて、お盛んだねぇ〜」
と言いながら入ってきた。
ロイ「敵対国の1つが、負けた。」
優「…」
優の反応をみて、ロイは意外と言うような顔をすると
ロイ「ん?なんだ、知ってたのか?」
優「…」
優は何も言わずにロイの目だけをみた。
ロイ「そんな怖い顔しなさんな。別に探りを入れてるわけじゃない。…まぁ。なんだ、何が言いたいかと言うと、この国が攻められるのも時間の問題だ。逃げれるアテがあるなら逃げてもいい。…もしそうするなら、出来ればでいいんだが、他のやつも頼めるか?」
優「…戦わないんですか?」
ロイ「…あぁ。少なくとも俺は戦うさ。ここまで巻き込んどいて今更だが、元々俺達が始めた戦いだ。無理に介入することはない。そう言ったんだ。」


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