異世界転生で神話級の職業!死の神のチート能力で転生

つくつく

14化け物

レオンは貫いた指先で何かを触っている。
レオン「なるほど。糸を操っていたのか。」
レイは、口から血を吐き、そして、ゆっくり振り返る。肩で息をしながら、二人を見る。
レイ「に、げろ。」
だが、二人は、動けないでいた。
あまりにも一瞬のことで、驚きと恐怖が体を支配している。
しかし、冬馬は、はっとし、一の方を見ると
冬馬「一!逃げるぞ!」
そう冬馬が言うが一は、笑い
一「あの女回収してさっさと逃げろ!」
そう言って、レオンを見る。

レオンは、無雑作にレイを投げ捨てた。
レオンが一歩前に出ようとすると、レイが倒れたまま足を掴みレオンを睨みつけていた。
その瞬間、一が飛び出しレオンに向けて刀を振るう。
一の刀がレオンに当たる瞬間、刀がレオンから逸れた。
それに一は、驚愕の表情をする。
そして、それは敵の前の、攻撃を外した直後だったため、大きな隙を見せる結果となった。
レオン「すまない」
そう言ってレオンは白と赤の剣を出現させる。
それで一閃する刹那、一とレオンの間に眩く光ったと思うと、冬馬が出現し、防御するが、そのまま、何事もなかったかのように、振り下ろされた。すると景色が真っ二つに斬れたんじゃないかと思うほど、遠くまで斬れた。
そして、一達はその風圧で吹き飛ぶ。

レオンは、剣を振り下ろす瞬間巻きついた糸を引きちぎり、レイを見下ろした。
そして、レオンは片膝を地面につく。
レイはじっとレオンを睨んでいる。そのレイの掴んでいる右手をレオンが優しく触ると
レオン「すまない」
そう言って、レイの右手首を握りつぶした。
レイ「ゔぐぁぁぁぁぁぁぁ!」
とレイは、叫ぶ。額から冷や汗が大量に出ていた。右手首は、驚くほど細くなっており、手首から先は、力なくぶらんっとしていた。
レオンは、立ち上がり、進もうとした時、体中に糸が巻きつく。
レイ「行かせる、ものか!この命に代えても時間を稼いでやる!」
そこまで言って、口から血を吐く。
胸に穴が空いているのだ。もう、すぐに死ぬ命だろう。
レオンは、再びレイに近づき、今度は頭に手を伸ばす。
糸で動きを止めようとするが、力が強すぎて、少し、行動が遅くなっている程度にしかなっていなかった。
糸による切断も、出来ず八方塞がりだ。
次の瞬間、一が背後から現れ、刀を横薙ぎにするが、何か大きな流れに巻き込まれるように、刀が逸れる。
レオンが振り返り一と目が合う。
一は、舌打ちをしながら
一「行けぇ!!」
と怒鳴った。瞬間、冬馬が現れ、レイを担ぎ、目のも止まらぬ速さで一の真横スレスレを通り離れた。
その冬馬を眺め、動こうとした時、一が正面に立ち構えた。
一「行かせぇ!!」
レオン「すまないがそう言う訳にもいかない。すまない」
それに一は口だけ笑うと
一「行かせねぇつってんだろ!」
そう言って剣を振り下ろした。

その少し前
魔族はゆっくりと立ち上がり、目の前に現れた化け物を見る。
そいつの周りの落ち葉は、途端に枯れていき、灰となって消えていった。
「アハハハハ!とうとう人間を捨てたか!」
そう言って構えた瞬間だった。目の前から姿を消した。
背後に気配があり、そちらに剣を横薙ぎで振る。だが、その剣は空を斬っただけだった。
「な!?」
と驚愕の声を上げた瞬間、背後から、横腹に蹴りをくらい、木々を倒しながら吹き飛ぶ。

身体能力が飛躍的に向上している!?手や足が生えているのも不自然だ。一瞬で手足を再生させる治癒魔法など存在しない。
つまり、考えられるのは、、、
「幻術だな?」
そう言って立ち上がる。
「俺の仲間に似たような使い手がいる。」
そう言って手を薙ぎ払う。すると、あたりの落ち葉が舞い上がり、気が次々と倒れていく。
こう言うのは、本体がどこかにいる可能性が高い。
しかし、斬った中にそれらしきものはなかった。なら、辺りを知覚し続けるしかないか。
そう思い、警戒したように剣を構える。
風が辺りに漂っている。
瞬間。反応があるが早すぎる。
気付いた時には頭を掴まれ、木にぶつけられながら引きづられる。
風で攻撃するが、その時には、手を離され、数回転がる。
それに舌打ちをする。
「人間如きが!」
シャリンシャリンと鎖のような音が聞こえるが姿が見えない。
先程から、辺りに風をはり、知覚できるようにしているのだが、一向に何も引っかからない。まるで実物のない霊を相手にしているようだ。
剣を構え、目を瞑る。
風での知覚をやめる。
すると、背後に音があり、
「舐めるなぁ!!」
そう叫び、風を操作する。そして、辺りに小型の竜巻を作る。
すると、手応えがある。中から、腕の一部などが飛んでくる。
肩で息をしながら、ため息をつく。すると、その竜巻の中から、手が出てくる。
その手が顔に触れる瞬間、剣を振るい、腕を斬る。
この竜巻はありとあらゆるものを斬る。それを直に食らえば、間違いなく死んでいる。生きている筈がない。
その思考は、鎌を一閃させ、優が出てきたことにより、中断させられる。
優には、致命傷はおろか、かすり傷すらなかった。どこからどう見ても無傷だ。
しかし、目は先程と違い、それこそ死人の目だ。
その生の感じられない目に引きずり込まれそうな、底知れぬ恐怖を感じる。
そんな目をした優がゆっくりと口を開く。
優「たしか、、、では、次はどこにしようか?だったか?」
意味が分からないでいたが、優の目の前に何かが落ちる。それは、どこからどう見ても自分の剣だ。
そこで思い出す。自分は、先程、優の右手を斬った後に、同じセリフを吐いたことに。おそるおそる、右手を見る。
すると、自分の右肘から先が無くなっていた。





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